山本 真樹 院長の独自取材記事
山本歯科医院
(横浜市緑区/鴨居駅)
最終更新日:2025/08/18

「山本歯科医院」はJR横浜線の鴨居駅南口から徒歩5分に位置する。玄関を入ると、白を基調とした受付で、スタッフが丁寧に対応してくれる。待合室にはブルーのかわいらしい椅子が並び、壁に掛けられたモニターからは、治療方法の説明や、院長である山本真樹(なおき)先生が自ら編集した海外の風景映像が流れる。治療室は1階と2階にあり、1階はパーティションで仕切られた診療台が並んでいる。2階に上がると個室の治療室が3室備えられ、プライバシーを気にする患者も安心できるよう配慮されている。長年地域に根差してきた思いと、力を入れているホワイトニング、歯ぎしりや噛みしめの診療などについて山本院長に語ってもらった。
(取材日2025年6月23日)
「地域の歯医者さん」として鴨居で患者に寄り添う
鴨居で開業されたのは何か理由があるのですか?

特に鴨居にこだわりはありませんでした。親は歯科医師ではないので、歯科医院を継ぐ必要もなく、希望に合う場所があればと思っていました。便利でいろいろな所から患者さんが集まる「駅前の歯医者さん」というより、住宅街の中にある「地域の歯医者さん」というのが私の目標だったので、それがかなう場所を見つけてもらったのが鴨居でした。2014年の移転の際には、患者さんを引き続き診ることができる場所を探すのはとても難しくて、ここに決めるまで3年かかりました。患者さんはお子さんから高齢の方まで幅広く、開業当初から通院されている方もおられます。年齢を重ねていく患者さんに対して、歯科医師としてどんなことができるか、と常に考えながら診療してきました。
治療方法で特別に取り入れていることはありますか?
歯のかぶせ物を作る治療でCAD/CAMシステムを導入しています。通常、かぶせ物は、歯を削る、型採りをして模型を作る、歯科技工所に送ってできあがってくる、という手間や時間がかかります。CAD/CAMシステムは、歯を削った後、写真を撮り、口腔内を3Dスキャンして取り込み、その場で素材を削り出して作ることができるシステムです。特徴としては、院内で製作するため短時間でできあがる点や、金属を用いるのと比べ、削る部分をより少なくしたり、審美的にもきれいに治療したりすることが見込める点が挙げられます。また使用するセラミックやジルコニアは、歯に近い材質のため自然な見た目をめざすことができる上、耐久性の高い素材でもあります。金属アレルギーの患者さんにも使っていただけます。
治療ではどんなことを心がけていますか?

患者さんご自身の歯を残すことです。歯根の治療はマイクロスコープやCTを使って診断を行い、精度の高い治療をめざすことで、抜歯にならなくて済むよう力を注いでいます。また、開業以来、メンテナンスの重要性を啓発し定着させるのには10年ほどかかったでしょうか。歯周病でたくさん歯を抜いてしまったら、歯科でできることは限られてしまいます。治療は早ければ早いほど失うものは少なくなるでしょうから、早く治療しメンテナンスに移行していくことが大切です。どのくらいの間隔で通院してもらうかは、患者さんによって違います。メンテナンスで活躍する歯科衛生士が4人おりますが、当院では患者さんとの相性を考慮した担当制にしています。
歯への意識の高まりの先でたどり着いたホワイトニング
ホワイトニングに力を入れていると伺いました。

医療としての歯のクリーニングや歯石取りを進めていくうちに、審美について要望が多く聞かれるようになってきたんです。「メンテナンスの重要性」の、そのさらに先へ、患者さんや社会の意識が向かっているのかなという印象です。当院でも普段からお口のケアをされている方々から相談いただくケースが非常に多いですから。ホワイトニング自体は、「歯を白くきれいにする」ことが目的の処置ですが、そうして歯の美しさを意識するようになった患者さんは以前より歯の健康への意識が高まるという相乗効果があるのではないでしょうか。「健康と美」という総合的なニーズが高まってきた感はありますね。
どのような手順でホワイトニングを行われますか?
まず、事前のコンサルティングにしっかり時間をかけます。今すぐホワイトニングすべきか、治療すべき歯はないか。虫歯や歯周病があれば治療してからの施術になりますし、例えば前歯に白い詰め物が入っているような場合は、そこが目立ってしまうことがありますので、クリーニングは必ず行います。コンサルティングで患者さんの理解と納得をめざしています。ホワイトニングの施術が完了しても、逆に歯の暗さが目立つ方もいます。その度合いによっては患者さんのイメージと異なる可能性があるので、お一人お一人にきちんとご説明することを心がけています。ホワイトニングはお薬を使って患者さんの歯そのものの白さを引き出すことをめざすものです。体に薬を使うものなので、専門家がしっかりコンサルティングして行うことが大切だと考えています。
歯医者さんによるオフィスホワイトニングと、自分で行うホームホワイトニングがありますね?

オフィスホワイトニングは、来院したその日に施術が完了しますので、施術の前後の様子が比較しやすいのではないでしょうか。一方、ホームホワイトニングは徐々にケアを進めていきます。個人差はあるものの約2週間程度、毎日一定の時間、薬剤を注入したマウスピースを装着することになります。その間、カレーや赤ワインなど着色しやすいものを口にしてはいけないなど、自己管理が必要です。めんどくさがりな方には向きませんが、当院ではオフィスホワイトニング同様、きちんとコンサルティングの上、ご提供しています。いずれの場合も、治療後は歯が徐々に元の色に戻りますので、以降の来院ペースは患者さんのお気持ち次第ですね。最初は歯科医師に任せて、以降、ご自身でという選択肢もございます。
患者も気づかない「悪癖」からマウスピースで歯を守る
マウスピースにも力を入れていらっしゃるとか。これはどういう方に必要ですか?

歯ぎしりとか、食いしばりとか、噛みしめの強い患者さんにお勧めしています。たとえば、歯周病の原因は汚れが主たる原因なんですが、そうしてできた炎症があるところに強い力が加わると、一気に悪化するとされています。ですので、歯周病から歯を守るため、そして歯が削れるのを防ぐためにマウスピースをお勧めしています。歯ぎしりや食いしばりは、本人に歯ぎしりや食いしばりをしている自覚がないケースが多いんです。マウスピースは就寝時に装着していただくことになるのですが、歯を物理的にガードすることが望めるのはもちろん、その後期間をおいて来院いただいてマウスピースをチェックしたときに、「いかにご自身が噛みしめているか」がわかりやすくなることも見込めます。そこから患者さんもご自身のそうした「悪い癖」に自覚的になるという点でも意味はありますね。
来院してすぐ作っていただけるんですか?
精密に型採りを行って作りますので、ある程度治療してからになります。型採りしてから歯の治療をしたらフィットしなくなりますからね。ただ、マウスピースは歯と歯の間に入れるクッションというイメージで作るのがほとんどですので、矯正のように噛み合わせを細かく調整する必要はありません。ですので、歯の上下どちらかに装着するのであれば、一方の治療が終わった段階で型採りが可能になりますので、その時点で作ってお渡しすることができます。また、マウスピースは保険診療になります。歯が削れるのを防ぐ器具ですので、「あなたは裸足で外を歩いてケガをしている状態ですので、靴を履きましょう」とお話ししてお勧めしていますよ(笑)。
さまざまな形で患者さんの歯に貢献されていますね。

歯の治療、口全体、体全体の健康に関わることです。患者さんにも、とりあえず痛くなければいい、という小手先の治療ではなく、将来を考え、今どんな治療や予防が必要かということを考えていただけたらと思っています。そのために私自身の研鑽はもちろん、スタッフの研修にも力を入れています。毎月1回診療を休みにして、安全管理のほか、接遇や学問的なこと、経営全体の話などに丸一日使います。そのような教育を続けていれば、スタッフがほかのスタッフを教育してくれるようになります。そうした院内一丸となったモチベーションの高さも当院の自慢の一つですね。これからもこの場所で腰を据えた治療を続けていきますので、お口に関して気になることがあれば、早めにご来院ください。
自由診療費用の目安
自由診療とはオフィスホワイトニング/4万4000円、ホームホワイトニング/2万7500円、ジルコニア・セラミックによるかぶせ物/6万6000円~