生活習慣と歯周病と
金属床義歯やノンクラスプデンチャーについて
西城歯科
(四日市市/近鉄四日市駅)
最終更新日:2024/12/27


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歯を失う原因の1位とされている歯周病。進行した場合は、一度に多くの歯を失ってしまう恐ろしい病気のため、近年は定期的なメンテナンスを受ける人も増えた。しかし、歯のクリーニング以外にも、気をつけるべき生活習慣があることは知らない人も多いだろう。「自分でも気づかない小さなことでも、習慣化すると口腔環境は悪くなっていきます」と話すのは、「西城歯科」の駒田隆子院長だ。歯周病の原因には、ある生活習慣が関わっているという。また、歯周病で歯を失ってしまった場合、ブリッジやインプラントなどの治療法もあるが、残った歯を削らず、また手術をしないで済むという選択も、確認しておきたい。できるだけ患者の歯を残す治療を心がけている駒田院長に、歯周病や違和感の少ない義歯の話を聞いた。
(取材日2024年11月12日)
目次
口の中に糖質を残さないことが肝心。食事はよく噛んで食べることが虫歯や歯周病の予防となる
- Q口腔内に影響を与える生活習慣にはどんなものがありますか?
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A
▲できるだけ歯を残す治療を心がけている駒田院長
まず、喫煙習慣のある方は一般的に歯の寿命が10年程短いというデータがあります。あめやガム、炭酸飲料などを習慣的に口にすることも良くありません。お菓子に含まれる糖質が酸を生み出し、歯が溶けやすくなり虫歯の原因になります。炭酸飲料やお菓子を口にしたら、口をゆすぎ口腔内が酸性になっているのを元に戻し、その後歯磨きをしてフッ素入りの歯磨き粉を上手に利用することも大事です。また、唾液が少ないと虫歯や歯周病になりやすいので、噛む刺激で唾液をしっかり出して食事をしていただきたいですね。ただ、食事中以外での噛み締める癖や歯ぎしりは、歯周病の悪化や歯が破折したり咬耗する原因になるので気をつけてくださいね。
- Q歯周病とその治療について教えてください。
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A
▲定期的なメンテナンスが大切
歯周病は、口の中に汚れが残ることにより歯周病菌が増え、歯茎や骨に炎症を起こし、歯を支える骨がなくなり最終的には歯がぐらぐらになって抜けてしまう病気です。初期には自覚症状がなく慢性的な病気なので、定期的にメンテナンスが必要です。治療は、歯茎の上や歯茎の中の徹底したクリーニングとブラッシング指導が基本。当院では、まずエックス線検査と歯周ポケットの深さを測る検査を行い、進行している場合は、位相差顕微鏡を使って口の中に存在する歯周病菌を確認する場合もあります。患者さん自身も、動いている菌を確認していただけます。最初は1週間から2週間ごとに通院し、落ち着いたら3ヵ月に1度のメンテナンスを行います。
- Q歯周病で歯を失っても、他の歯に負担をかけたくありません。
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A
▲さまざまな種類の入れ歯を用意している
歯を失った場合、まずブリッジやインプラント治療を考える方も多いと思いますが、残った歯を削ったり手術をしたりとデメリットもあります。できるだけ残った歯を傷つけたくない人は、まずは入れ歯を試してみることもお勧めです。入れ歯には、保険診療で作製可能な「レジン床義歯」の他に、自由診療の「金属床義歯」や「ノンクラスプデンチャー」などがあります。金属床の入れ歯は、レジン床義歯に比べると、薄くて熱伝導率が高いので食べ物の温度をより感じやすく、舌感がよいことが望めます。その結果、違和感も少なく、食べ物がおいしく感じられることも見込めるケースが多いのが特徴です。ただし、金属アレルギーの人には使えません。
- Qノンクラスプデンチャーについても教えてください。
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A
▲患者の要望に合わせた義歯を作製する
ノンクラスプデンチャーは、歯茎のようなピンク色の樹脂でできた入れ歯です。弾力がある素材で作られているので、留め具のばねがなくてもフィットします。金属の留め具が使われていないので、色も目立ちません。薄くて軽いのですが、舌に当たる感触としては金属床とレジン床の中間くらいです。食べ物の温かさをより感じられるようにしたい場合には、舌に触れる部分だけを金属にしたノンクラスプデンチャーを作ることも可能です。当院には歯科技工士も在籍しているので、患者さんの要望に合わせた義歯を作っています。ノンクラスプデンチャーのデメリットとしては、修理に時間がかかること。数日お預かりして修理する必要があります。
- Q痛みがない人も、定期的に通院するメリットを教えてください。
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A
▲定期的な通院が歯周病の早期発見につながる
歯周病の人はもちろん痛みがない人でも、手の歯磨きでは届かない歯周ポケットは汚れています。なので、歯茎の奥の汚れを歯科医院で定期的にきれいにしてもらうことが大切です。歯周病の初期段階では自覚症状がないので、痛みや腫れが出てからでは、骨がすでに溶けてなくなっており歯を失うことが多いです。ですが、定期的に通院していれば、歯周病の早めの発見につながり処置ができ、大きな損失にならないことが望めます。また、少なくとも受診の前後は患者さん自身のモチベーションも上がりブラッシングを丁寧にしてもらえることが多いので1年に1回受診する人よりも定期的に通院している人のほうが、歯の健康意識を高く維持できますね。
自由診療費用の目安
自由診療とは金属床義歯/12万1000円~、ノンクラスプデンチャー/10万1200円~