内野篤院長の独自取材記事

一ツ葉矯正歯科クリニック

(横浜市青葉区／市が尾駅)

最終更新日：2025/05/15

市が尾駅西口から徒歩1分の「一ツ葉矯正歯科クリニック」は、1999年に開業。臨床経験20年以上のベテラン歯科医師、内野篤先生が院長を務める矯正歯科専門クリニックだ。開業して四半世紀になる、地域でも長年親しまれてきたクリニックの院内は、木目や白、クリーム色を基調とした内装で、ほっと落ち着く居心地の良い空間となっている。これまで多くの患者の治療に取り組んできたが、常に先進の技術を取り入れ、痛みの少ない矯正治療を心がけているという内野院長。矯正治療は長く通院が必要になるが、同院であれば「最後まで頑張ろう」と思える、そんな安心感を与えてくれる内野院長に、同院で行っている矯正について語ってもらった。

（取材日2025年4月16日）

デジタル化が進行した現在の矯正歯科
デメリットもしっかり伝え、安心できる矯正をめざす
「信頼と安心」を大切に患者に満足してもらえる矯正を

デジタル化が進行した現在の矯正歯科

1999年開業とのことですが、この26年間で感じる変化などあればお聞かせください。

医療機器のデジタル化が進んだことですね。当院でも5～6年前に口腔内スキャナーを導入しました。そのため、従来のような印象材を使って型を採ってお口の模型を作ることは大幅に減りました。現在は保険収載されたので一般歯科医院でも導入されるようになりましたが、当院で導入した際には、患者さんのお口の中をスキャンして治療のシミュレーションまで提示すると、患者さん自身の負担も軽い上に、事前に矯正でどのように歯並びの変化が見込めるかの予想も画像で確認できるので、驚かれたかもしれませんね。あとは、マウスピース型装置を用いた矯正がより一般的になったことも大きな変化ですね。

この20年の間に世間的にも歯列矯正の専門歯科医院の認知度が上がっていますね。

当院は歯列矯正専門の歯科医院ですので、虫歯の治療は行っていません。噛み合わせや口元の審美に関する高度な専門診療のみ提供しています。最近では、非常勤の矯正歯科医師を雇うなどして歯列矯正も行っている一般歯科医院も増えてきました。患者さんサイドからは、抜歯などを同じ歯科医院でやってもらえるのは確かにメリットもあると思います。一方、当院も含め矯正専門歯科医院では、非常勤の矯正歯科医師では対応が難しい歯の裏側に装置をつける舌側矯正にも対応可能ですから、患者さんの希望に応じて方法を選択することができます。もちろん、虫歯の治療や抜歯などにつきましては、患者さんのかかりつけクリニックで対応してもらったり、専門の歯科医院をご紹介したりするなど柔軟に対応しています。患者さんにとって矯正専門歯科医院の一番のメリットは、やはり矯正歯科医師が常駐していること。装置の不具合など何かあった時に迅速に対応できる点ですね。

マウスピース型装置を用いた矯正について教えてください。

マウスピース型装置を用いた矯正とは、簡単にいえば、オーダーメイドの取り外し可能な装置を用いた矯正です。従来のワイヤー装置による矯正と比較すると、患者さんにとって3つほどメリットがあると思います。まず、透明な装置なのでつけていても目立ちにくいです。また、装置の凸凹が少ないため、通常の装置と比べると装着時にも不快感が少ないと思います。そして食事の時や歯磨きの時は、自分で取り外しができるので、口の中を清潔に保ちやすいというメリットがあります。さらに、コンピューターによる3Dアニメーションにより、見込める歯の移動プロセスを事前に視覚的に確認することができるため、矯正を始めるにあたり患者さんの理解やモチベーションを得やすいのも特徴です。

デメリットもしっかり伝え、安心できる矯正をめざす

矯正を希望される患者さんは多いのですか？

多いですね。5歳くらいから70代までと幅広い年代の患者さんがいらっしゃいます。受診のきっかけは、大人は見た目、子どもは検診や一般歯科からの紹介が多いですね。大人とお子さんでだいたい半々くらいで、大人の約半分がマウスピース型装置を用いた矯正を希望されます。一方。お子さんの場合は、マウスピース型装置を用いた矯正の比率は高くなく、従来のワイヤー矯正を希望される方が多いです。新型コロナウイルスの感染拡大時はレジャーなどにお金を使うことがでず、マスク着用が定着していたこともあって、矯正のニーズが増えましたが、今は落ち着いています。矯正法については、特にマウスピース型装置を用いた矯正を積極的に勧めているわけではないんです。矯正装置によってそれぞれメリット・デメリットがあるので、それをしっかりと患者さんに説明した上でなるべくベストな矯正法を提示しています。

マウスピース型装置を用いた矯正にもメリット・デメリットがあるのですね。

はい。マウスピース型装置を用いた矯正は多くの人が希望されますが、すべての不正咬合に使用できる夢の装置ではありませんし、欠点もあります。一般的に「抜かない矯正」はマウスピース型装置を用いた矯正が向いていますが、抜歯が必要となる矯正や、歯を引っ張り出すような矯正に関しては、従来のワイヤー矯正との併用が必要になります。また、ワイヤー装置だけで矯正を行うほうが費用的な負担は少なくなるため、そういったお話も事前にお伝えします。今、気がかりなのは、インターネットなどでマウスピース型装置を用いた矯正のトラブルが目につくことですね。マウスピース型装置といえども「絶対に抜きません、削りません」といったことはなく、歯を抜かないと対処できないケースもやはりあるんです。そうしたトラブルがあった際にも適切にリカバリーできるのは矯正専歯科医院の強みだと思います。

歯列矯正を行う場合、クリニック選びのポイントは？

まずは、矯正歯科についてその歯科医師がどのくらいの専門性を持っているかは大事ですね。あとは急なトラブルが起きた場合を考えて、矯正歯科医師が非常勤ではなく、常駐しているクリニックがいいでしょう。次が歯科医師との相性。すべての患者さんにとって100点満点の先生はいないはずです。最近は患者さんのリテラシーも上がっていて、インターネットでの情報収集をされているでしょうし、当院の初診の患者さんもおそらく同時にほかの歯科医院にも相談されていると思います。そういった中で、一応最低限のレベルとして、矯正歯科の研鑽を積んでいる歯科医師が常駐していることを前提に、ご自身に合った歯科医院選びをされると良いかと思います。

「信頼と安心」を大切に患者に満足してもらえる矯正を

不安を抱く患者さんのために行っていることはありますか？

矯正費用は高額ですし期間も長期に及ぶため、終了までの総額がわかりにくいと思います。当院では、矯正費用をホームページに公開することや、成人の患者さんには定額の料金を選択できるようにするなど、費用について不明瞭な部分をなくすように心がけています。また、特に難しい症例につきましては大学病院にご案内し、他科と連携して診療を行っています。また当院では初めての患者さんでもご納得・安心いただけるように、3回目までは相談料を無料としています。最初からワイヤー矯正にするかマウスピース型装置にするか、矯正法を決断する必要もありませんし、強制もしませんのでご安心ください。

リフレッシュ法や趣味などありますか？

子どもの頃はどちらかというとわんぱく少年で、あまり勉強もせずに毎日遊んでばかりいました。機械いじりが好きで、よく時計などを分解していました。組み立てるとなぜかねじが数本残っちゃったりして（笑）。高校に入学した頃は音楽に熱中しました。テクノポップがブームの頃で、当時としては珍しいシンセサイザーを弾いていました。楽器といえば、管楽器と矯正についてコラムも書いていますので、プレーヤーの方は当院ホームページをのぞいてみてください。散歩も趣味でしたが、お供してくれていたワンちゃんが高齢になってしまったので、日課とはいえなくなってしまったのが残念ですね。

日々心がけていることや今後の展望をお聞かせください。

信頼と安心でしょうか。技術はもちろんですが、診療時のグローブ着用から器具・器材の滅菌・消毒に至るまで、感染症対策には細心の注意を払っています。歯並びや噛み合わせにアプローチすることは単に見た目だけのことではなく、虫歯や口臭の予防にもつながりますし、口元にコンプレックスを持っている方にとっては矯正によって心身面にも大きなプラスな変化が期待できるかもしれません。今後は、今まで培ってきた技術と経験をベースにしつつ、新しく導入できる矯正法や先進機器があれば導入し、より一層、それぞれの患者さんにとって、ベストな治療を提供していきたいですね。