瀬戸 知代 院長の独自取材記事
せと歯科医院
(大阪市西成区/岸里駅)
最終更新日:2024/03/04
![瀬戸知代院長 せと歯科医院 main](https://prod-df-public.s3.amazonaws.com/uploads/doctordf/img_banner_url/74625/20231002_108570_top.jpg)
大阪市西成区にある「せと歯科医院」は、地域に根差した歯科医院だ。昔から通っている人やその家族から、長年頼りにされ続けている。診療内容は一般歯科、小児歯科、歯周病、入れ歯治療で、小さな子どもから高齢者まで幅広く対応している。2004年から院長を務めるのは、入れ歯や歯周病の治療を得意とする瀬戸知代先生。入れ歯は、保険診療、自由診療ともに多くの選択肢を有し、その人に合った入れ歯を患者とともに模索する。また、歯の健康には予防が何よりも大切と考えている。「患者さん一人ひとりに合った、無理のない治療方針のもと、高度な医療技術で負担の少ない治療を心がけています」と語る瀬戸院長に、入れ歯や歯周病の治療、歯の健康を守るための秘訣などを聞いた。
(取材日2023年9月8日)
地域のかかりつけ医として3代続く歯科医院
先生のご経歴を教えてください。
![瀬戸知代院長 せと歯科医院1](https://prod-df-public.s3.amazonaws.com/uploads/doctordf/img_url1/74625/pc_CS1_DF1_Z53883_20230929_-_50_.jpg)
わが家は、祖母、母と3代続く歯科医院でした。さらに、父方の祖母が産婦人科医、祖父が内科医と、周りが医療関係者ばかりでしたので、自然と医療に携わる道を選んでいましたね。大阪歯科大学を卒業後は、大阪歯科大学臨床歯科学研究所で、約2年間勤務しました。そこは研究所と名がついていますが、歯科診療所です。そのため、何かを専門的に研究するのではなく、一般歯科を中心として、臨床に関するさまざまなことを学びました。その後、1992年に、瀬戸歯科医院に入りました。その当時は祖母が院長をしていましたが、2004年より私が院長を引き継ぎました。
院長就任にあたり、どのような歯科医院をめざしましたか?
この地域には高齢者が多く、祖母の代から長く通ってくださる患者さんが大勢います。まずはその方々の信頼を失わないようにしたいと考えました。例えば、お年寄りで一人暮らしをしている患者さんの中には、クリニックに来て、話をするだけで満足して帰られる方もいらっしゃいます。高齢ということもあって、入れ歯の方も多くおられます。ただ、入れ歯治療はとても難しいんです。当院で働くようになった頃、当時の私の技術では治療できないケースもあり、行き詰まってしまったことがありました。その時、東京都調布市にある阿部歯科医院の阿部二郎先生に出会い、ご指南いただきました。また、福岡県の歯科河原英雄医院の河原英雄先生にも薫陶を受けました。それ以来、入れ歯治療が面白くなり、研究や工夫を重ねています。
こちらでは入れ歯に関する相談が多いそうですね
![瀬戸知代院長 せと歯科医院2](https://prod-df-public.s3.amazonaws.com/uploads/doctordf/img_url2/74625/pc_CS3_DF2_Z53883_20230929_-_42_.jpg)
多いのは、噛めない、ずれる、痛い、食事が楽しめないといった悩みです。特に、下の総入れ歯の場合、動いてしまって噛みにくいという悩みが多いですね。患者さんも苦労されるし、歯科医師としても最も難しい問題です。1日の中で食事は心身ともに大切な時間です。それを苦痛に感じてしまうのはつらいため、食べたいものを、どうやったら楽に食べられるかを、患者さんと一緒に解決していきたいと考えています。例えば、特定の場所だけで噛むという癖を持った患者さんには、時には噛み方を変えていただくことも提案します。長年の習慣を変えるのは難しいのですが、ご理解いただけるように丁寧に説明しています。また、入れ歯だと硬いものは噛めないといった先入観などが邪魔をするケースもあります。患者さんの生活の質を上げるため、今後も患者さんの希望をお聞きしながら適切な入れ歯作製を行っていきたいと思っています。
基本技術を大切に、さまざまな入れ歯に対応する
どのような入れ歯治療に対応しているのでしょうか。
![瀬戸知代院長 せと歯科医院3](https://prod-df-public.s3.amazonaws.com/uploads/doctordf/img_url3/74625/pc_CS4_DF3_Z53883_20230929_-_36_.jpg)
保険適用のもののほかに、自由診療となる金属床のもの、フルオーダーメイドの義歯や、コーヌスクローネデンチャー等に対応していますので、患者さんに選択していただけます。オーダーメイドの場合、歯科技工士が立ち会うため、より快適な入れ歯の作製をめざすことができます。保険の入れ歯でもご満足いただける場合もあると思いますが、完全オーダーメイドなので、より一人ひとりのお口に合った入れ歯作製が期待できます。さまざまな入れ歯がありますが、大切なのは基本となる技術だと考えています。また、当院では作製後のアフターケアを大切にしています。入れ歯は、噛むうちにすり減り、咬み合わせ等が変化するため、最低でも半年に1回はチェックしています。
フルオーダーメイドの義歯やコーヌスクローネデンチャーとは何でしょうか?
フルオーダーメイドの義歯は、金属の留め金のない吸着性に優れたものです。コーヌスクローネデンチャーは、残っている歯に金属冠をかぶせ、その上から入れ歯を装着するというものです。保険の入れ歯で使うバネを使わないので残っている歯にかかる負担が少なく審美的にも優れています。より良い入れ歯を求めて勉強を重ね、セミナーを受講していった中でたどり着いた技法ですが、かといって、それらが完璧というわけではありません。どの入れ歯でも、すべての問題を解決できるわけではないため、患者さんの話をよく聞き、相談をしながら一人ひとりに適した入れ歯を提案したいと考えています。
歯周病の予防や治療にも力を入れていると伺いました。
![瀬戸知代院長 せと歯科医院4](https://prod-df-public.s3.amazonaws.com/uploads/doctordf/img_url4/74625/pc_4_Z53883_20230929_-_3_.jpg)
歯周病は、歯垢の中の歯周病菌によって歯茎に炎症が起こり、症状が進行すると、歯が植わっている歯槽骨が少しづつ破壊され、最後には歯がグラグラして抜け落ちてしまう怖い病気です。体の病気は、何も異常がなくとも検査を受けるため、がんが発見されることもあります。ところが、歯は自覚症状がないと歯科医院へ行かないため、発見が遅れてしまうんです。何も異常がなくとも歯科医院で定期的に検診を受けることが重要です。歯周病は、一度なってしまうと、元の健康な状態に回復させることはできず、そこで止めたり、進行を遅らせることしかめざせません。そのため、予防と早期発見が大切なのです。重度になると、入れ歯やインプラント治療も難しくなります。臓器などと異なり、歯はたくさんあるため、1本くらいなくなってもいいと思っている人もいますが、取り返しがつかなくなる前に歯科検診を受けることをお勧めします。
ブラッシング指導と検診で、歯の健康を守る
歯周病の治療について教えてください。
![瀬戸知代院長 せと歯科医院5](https://prod-df-public.s3.amazonaws.com/uploads/doctordf/img_url5/74625/pc_CS2_DF5_Z53883_20230929_-_38_.jpg)
まずはパノラマエックス線写真、10枚法レントゲン写真、口腔内写真を撮影します。さらに歯肉ポケット検査をして、歯垢の染め出し等をします。最初の状態をきちんと記録するのは、それが治療によってどのような経過をたどるかを確認し、比較検討するために必要だからです。治療としては、歯垢や歯石の除去、ブラッシング指導、フッ素塗布などを行います。ただし、1年に1度フッ素塗布をして、あとは無関心というのは良くありません。常に口の中の状態に気をつけたり、フッ素入りの歯磨き粉を使用したりといった意識を持つと良いと思います。
予防についても教えてください。
虫歯や歯周病の予防には、ブラッシングが何より重要と考えているため、当院では、ブラッシングの指導を念入りに行っています。今のうちに満点に近いブラッシングを覚えておけば、何らかの事情で十分にセルフケアができなくなったとしても、合格点は取れると思うんです。ブラッシングは、やってはいけないことと、どこをどんなふうにきれいにすれば良いかに気をつければ、どんな方法でも、どんな道具を使ってもいいんです。歯ブラシや歯間ブラシを絶対に使わなくてはいけないというわけではありません。当院の患者さんには、どうしたら良いか、何をしてはいけないかを理解していただき、例えば、災害などで歯ブラシがない場合でも、何かを代用して歯磨きをすることができるようになってもらえたらと思っています。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
![瀬戸知代院長 せと歯科医院6](https://prod-df-public.s3.amazonaws.com/uploads/doctordf/img_url6/74625/pc_6_Z53883_20230929_-_21_.jpg)
ストレスがあると口の中の状態が変わります。それは裏を返すと、口の中の調子が悪い時は、体の調子も良くないということです。つまり、口の中に気をつけることで、ご自身の体の健康状態がわかるようになってほしいというのが、私の願いです。健康で、楽しく生きるためには、歯が健康である必要があります。私の提案や治療が、患者さんの生活の質の向上に役立てばうれしいですね。繰り返しますが、丈夫な歯を維持するためには、何よりも予防が大切です。ちょっとした違和感や、悩みがありましたら、悪化してしまう前に、ぜひ気軽に来院してください。
自由診療費用の目安
自由診療とは【入れ歯治療】金属床義歯/部分差歯:15万円~、総義歯:30万円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。