大草 修 院長の独自取材記事
大草徳庵歯科医院
(大阪市鶴見区/徳庵駅)
最終更新日:2021/10/12

JR学研都市線・徳庵駅の西出口から徒歩2分、商店街の一角にあるビルの1階にある「大草徳庵歯科医院」。高齢の患者が通いやすいようにと移転し、院内は完全バリアフリー設計。待合室は窓からやさしい光が差し込む、とても心地よいリラックスできる空間だ。開業して30年余り、患者の多くは地元住民の顔見知りや同級生だという。明るく楽しい人柄の院長の大草修先生に、同院の診療方針や今後について話を聞いた。
(取材日2017年5月18日)
生まれ育った町で開業し30年。身近なかかりつけ医
どのような患者さんが多いのでしょうか。

地元の患者さんが多いですね。私自身もこの町で育ちましたので、幼馴染や顔見知りの方、ご家族みんなで長く通われている方も多く、だんだんと高齢の患者さんが増えてきたんです。以前の医院は2階で階段があり通院が難しくなる方も出てきまして、移転。エントランスから院内、トイレまでバリアフリーにしました。高齢の方ですとやはり歯周病の方が多いです。また、特に不調がなくても歯のチェックに通ってくださるので、どこか調子が悪いのか尋ねても、「歯の調子は悪くないけど血圧が高い」「最近、糖尿病になっちゃって」「顔を見に来た」とかおっしゃる。「うちは歯医者やで」って言うんですけどね(笑)。ご家庭の愚痴から料理の味付けまで他愛もない話をしていますが、気軽に通っていただいて、歯の健康が保てるならいいなと。高齢の方には運動がてら「ここまでちゃんと歩いておいでや」とお願いしています。
歯科医師になられたきっかけを教えてください。
叔父が眼科の医師でして、医療がもともと身近だったこともあります。すぐ近くに開業していまして、ぜひ近くに開業したいと思っていました。育った町ということもありますからね。あとは、兄が歯科医師になったことで影響を受けた部分が大きいです。私は3人兄弟なのですが、父親が「兄弟3人を平等に」という教育方針で、何事も3人兄弟同じことをさせたんです。兄が歯科大学に進んだことで、私も弟も"平等に"ということで、全員、歯科大学に進むことになったんですよ。実は私の子どもも医療の道へ進んだのですが、息子は泌尿器科に、娘は歯科麻酔を選び、その方向へと進んでいます。
子どもの頃など、歯科医師になられるまでのお話を聞かせてください。

私は3人兄弟の真ん中ですが、男3人ですので、いろいろと競争がありましたね。食事などでも、好きなものは最初に食べないと兄や弟にすぐに取られてしまう(笑)。兄は長男ということで大事にされ、弟は末っ子でかわいがられ、真ん中の僕は厳しく育てられたように感じます。小さい頃からプラモデルなど、手先を使ったり、何かを作ったりすることが好きでしたので、歯科医師には向いていたのだと思います。中学・高校では陸上部に所属し、中距離選手でした。大学時代はバスケットボールと野球をしていまして、スポーツも好きでしたし、たくさん遊びましたね。大学を卒業後、別の歯科医院で勤務をし、そしてこの歯科医院を開業して30年になります。また、卒業後は薬理学の研究をしていまして、母校で数年前まで非常勤講師として教壇に立っていました。
治療時間をかけても「歯を残す」ことを大切に
診療の際に心がけていることはありますか。

やはり、自分の歯は大事だということなんです。いろいろ新しい治療がたくさん出てきていますが、どれだけ高額な治療、上手な治療でも、健康な自分の歯に勝るものはないと考えています。そのため、治療時間はかかりますが、できるだけ歯を残していくように努めています。歯の口腔内環境が良い人は、認知症にもなりにくいというデータも出ています。健康な歯で食べられることは健康に直結しますので、歯の健康は体全体の健康と繋がっています。全身のバランスが大事なんですよ。
自分の歯を残すことはメリットが大きいんですね。
はい。自分の歯は、できる限り大事にするべきだと考えています。これは治療に当たる人間でも同じです。私は、当院のスタッフにも「お笑いを見に行け、サッカー観戦に行け」って言うんです。クリニックには、年齢層や職業などいろんな患者さんが来られます。例えば高齢の患者さんへのブラッシング指導時に、専門用語を並べて説明してもわかりにくいですよね。技術や知識は学校で学べますが、語彙力だったり、話術だったりというものは、専門外のところ、そういう「遊び」の部分を育むと、患者さんとのコミュニケーションにも繋がっていくのです。
印象に残っているエピソードなどはありますか。

抜歯しなければ、インプラントにしなければと覚悟されて来院された患者さんがいたのですが、私が歯を残せると伝えると驚かれました。今では「自分の歯を残して本当に良かった」と言っていただきました。歯科医師としてもうれしかったですね。歯を残す治療というのは、どうしても患者さんの通院期間が長くなってしまいます。できるだけ早く、短い期間での治療を心がけていますが、患者さんも頑張って通ってくださっていますので、できるだけ負担を軽くできるよう、心地よい歯科医院でありたいと思っています。
「患者さんにとって通いやすい歯科医院」に
休日はどのように過ごされていますか。

呼吸法を学んでいますし、拳法も習っています。体は常に動かすように努めています。休みの時にはよくゴルフにも行き、友人に医療関係ではない人たちも多くいることはうれしいですね。彼らと食事をすることが多く、視野や見識を広めるためにも、おしゃべりすることを楽しんで、リフレッシュしています。そして、料理を作ることも好きです。患者さんと、料理の味付けや工夫について、アドバイスをしたり、逆に教えていただいたり、共通の話題があって話が弾みます。息子も医師として多忙ですし、娘に至っては大学卒業後にイギリスに留学しまして、帰国したら娘と暮らすのを楽しみにしていたのに、帰国後すぐに結婚してしまいまして....。家族の時間も今はなかなか取れていないです。
今後の方針をお聞かせください。
もっと、診察時間を長くしたいと考えています。スタッフの勤務時間を考えるとなかなかすぐには難しいところがありますし、限られた診察時間でしか診ることができず、もどかしく感じています。歯のことで困ったとき、不調があるときに、いつでもすぐに通院できるように、患者さんが通いやすい歯科医院でありたいと望んでいます。私自身60代ですが、まだまだ元気ですし、健康の維持にも気をつけていますので、なんとか診察時間の延長は実現させたいです。そして、患者さんへ、歯の健康に対する意識付けや情報発信を広めていきたいです。現在も待合室や診察スペースの画面で、歯科に関する情報をクイズ形式で出題したり、「歯ぴねす」というお知らせを定期的に配布したりしています。
読者にメッセージをお願いします。

歯科は「早い・うまい・安い」であるべきと考えています。当院の技工士、衛生士らスタッフにも常に言っているのですが、「待ち時間や治療時間をなるべく短くし、治療終了を早くすること」、「痛み・怖さの少ない治療、技術的に上手であること」、そして、歯の健康を長く保てるよう通っていただくためにも「患者さんの負担をできるだけ抑えること」。これを大事にしていきたいです。そして、これからもできる限り「歯を抜かない」「歯を削らない」治療をしていきます。新しい、いろんな歯の治療方法が出てきますが、健康な歯を維持していくこと第一に、歯を残すことの重要性を患者さんにも伝えていきたいです。
自由診療費用の目安
自由診療とは反対咬合矯正/10万~80万円
インプラント/手術料金 1回 10万円~(税込)
インプラント埋込(アバットメント含む)1歯 10万円~(税込)
PMTC/着色1歯 200~300円