痛みや問題がない人も必須
歯を守るための定期検診と予防ケア
ひろすえ歯科クリニック
(大阪市鶴見区/今福鶴見駅)
最終更新日:2025/10/14
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厚生労働省の2024年のデータによると、過去1年間に歯科検診を受けた人の割合は6割を超え、口腔内の健康意識は年々高まっているそうだ。とはいえ、半年、3ヵ月毎の受診となると、割合は少なくなるだろう。実際に、状態がかなり悪くなってから受診する患者の多さに「定期検診や予防ケアの大切さを実感しています」と、「ひろすえ歯科クリニック」の山崎観千人(やまざき・みちと)院長は語る。検診や予防ケアを怠ると、トラブルが起こるリスクが高まるとともに、問題の発見が遅れて治療が大がかりになり、患者の負担も大きくなってしまう、と警鐘を鳴らす。今回は山崎院長に、定期検診や予防ケアの重要性、実際の検診・ケアの内容などについて解説してもらった。
(取材日2025年9月22日)
目次
悪い部分を治療するだけでなく、悪くならないように予防することが大切
- Q先生が考える歯の価値について教えてください。
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A
▲歯の重要さについてわかりやすく解説をする山崎院長
歯を失くしたり問題があったりすると、食事を楽しめなくなります。しっかり噛めないので栄養を十分に取れず、全身の健康にも悪影響を与え、また脳に噛む刺激が伝わらなくなることで認知機能にも影響することがわかっています。歯が抜けても目立たない場所だと放置される場合がありますが、放置は基本的にはお勧めしません。歯は一本ごとに役割を持っており、一本でも抜けると他の歯の負担が増えて、歯の破損などのダメージにつながることもあります。また、失くした歯の両隣の歯が傾き、噛み合う相手を失った向かい合う歯が延びてくるリスクがありますし、歯並びの乱れやスペースがなくなって入れ歯などの治療を行えないといった問題も生じます。
- Q予防のために歯科を受診すべきでしょうか?
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A
▲虫歯や歯周病の予防のためにも、定期的な受診とケアが重要
歯科医院での定期的な予防ケアは欠かせません。日頃のブラッシングなどのお手入れだけでは、歯の汚れをしっかり落とすことは難しく、次第に汚れが蓄積してますます取りにくくなるだけでなく、虫歯や歯周病の原因になってしまうからです。また、虫歯や歯周病はできるだけ早期に治療を行うことが望ましいのですが、初期段階では自覚症状が乏しく、気づかないうちに進行してしまいます。こうした状態にならないよう、歯科衛生士や歯科医師がお口の中の汚れを落とし、何か問題が起こっていないかを確認するための機会が定期検診です。きちんと磨いているから大丈夫、痛みなどがないから問題ないなどと思わず、必ず受診してください。
- Q定期検診や予防ケアの進め方を教えてください。
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A
▲患者の口腔環境を守るため、予防ケアに注力している同院
お口の状態チェックと歯のクリーニングが主な内容です。クリニックにより多少差はあると思いますが、まず歯と歯茎の間にある歯周ポケットの深さや出血の有無など、歯肉の状態チェックを行います。問題がある場合は、それが例えば妊娠など体調の変化に伴う一時的なものか、歯周病の影響か判断することも大切です。さらに、染め出し液を使って磨き残しの状態をチェックし、必要に応じてブラッシング指導なども行います。虫歯などの問題がなければ、その後は歯科医師や歯科衛生士が専用の器具などを使って行うPMTCと呼ばれる精密なクリーニングを行い、虫歯予防のためにフッ素を塗布するというのが基本的な流れです。
- Qどれくらいの頻度で受診すれば良いのですか?
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A
▲口腔内カメラを使用することで、自身の口腔内の状況を確認できる
予防ケアの後は、お口を良い状態に維持するため3ヵ月ごとを基本に、お口の状態に合わせて調整しています。また、1回目の受診の際にエックス線画像を撮り、検診の際には口腔内カメラの画像をモニターに映して、お口の中の状態を患者さん自身に確認していただくほか、状況に応じてパウダークリーニングも提供しているのも特徴です。現在、成人の8割が歯周病にかかっているとされ、悪化すると歯を失う恐れや必要な治療が行えないリスクもあるので、特に歯周病ケアには力を入れています。森祥太郎理事長は、外科処置も含めて歯周病に対して専門性の高い治療を提供できるのが強みです。
- Q検診や予防ケアで心がけていることを教えてください。
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A
▲患者一人ひとりに寄り添った声がけを心がけている
日頃のお手入れが不十分、定期検診を受けていないなどの理由で、お口の状態が良くない方は、きっとこれまでその点を何度も指摘されていると思います。毎回指摘されると予防ケアに対するモチベーションが下がり、指摘されることに慣れてしまっている方もおられるのではないでしょうか。だからこそ、前回の受診時より少しでも改善できている点があれば、積極的に褒めるようにしています。例えば、歯茎に歯ブラシの傷がついているときも「強く磨きすぎです」と注意するのではなく、「頑張って磨いていらっしゃいますね」と表現することで、ウィークポイントがグッドポイントに変わって、予防ケアのモチベーションにつながるのではないかと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とはパウダークリーニング/5500円程度

