三光寺 幸治 院長の独自取材記事
三光寺歯科診療所
(大阪市住之江区/住吉大社駅)
最終更新日:2025/11/14
南海本線住吉大社駅から5分、大阪メトロ四つ橋線住之江公園駅から徒歩7分。住吉大社を始め、さまざまな史跡が点在する歴史的な街中に、「三光寺歯科診療所」はある。2016年にリニューアルしたという自社ビルは、古い看板を庭の装飾として残してあるなど、どことなくアンティークな雰囲気が漂う。1階が待合室、2階が診療室で、壁面いっぱいの大きな窓からは隣の公園の木々が見渡せ、診療チェアに座ると一面緑の視界が広がる。三光寺幸治院長が、何を犠牲にしてもそろえたかったという歯科用マイクロスコープや歯科用CTなどの機器は、大事に手入れされているのがはっきりわかるほど美しいたたずまい。患者には医療従事者も多いという三光寺院長にさまざまな話を聞いた。
(取材日2017年6月17日)
父の影響で歯科医師の道へ
2016年にリニューアルしたと伺いました。

ここはもともと、父の診療所だったのです。実は祖父の代から歯科医師ですので、僕は3代目なんです。祖父が大阪に出てきて、父がここに開業したのです。ですので僕にとって、住吉大社は生まれ育った土地です。大学を出てからは新大阪と心斎橋で勤務していまして、レベルの高い治療を学んでいたのですが、それを地元に持ち帰りたいと思ったことがあって……。それで帰ってきました。ただ父の後を継ぐ気は正直そんなになかったんですけどもね(笑)。やはり父の影響でこの道に入ったと思っていますので、40年以上もここで開業していた父のことは素直にすごいなあと思っています。今も父の治療をご希望の患者さんがいらっしゃるので、父もまだ現役で治療にあたってくれています。
こちらには医療関係の方も患者さんにいるそうですね。
そうなんです、僕自身は少し不思議に思っているのですが、紹介で来てくださる患者さんが多いのですよ。それも医療関係者が多いのです。地元の方々よりも、そういう紹介での患者さんのほうが多いので、どうしたものかと。こうしてリニューアルもできたことですし、近所の方にぜひ来ていただきたいという気持ちは大きいのですが(笑)。ただやはり同業者が来てくれるというのは本当にありがたいなあと思いますね。
そういった方が多いのは何か特殊な施術をお持ちなのですか?
一般歯科がメインです。基本である補綴と歯周病が一番多いですね。しかもそれらを、僕一人ですべてやっています。そのために予約診療メインにしています。新大阪と心斎橋では専門性の高いインプラントと、歯周病の専門家という状況で働いていましたので、それをこちらでもやっていきたいと常々思っています。といっても、インプラントはあえてメインにはしていません。また、痛くない治療・痛みの少ない治療というのもかなり重要だと思っているので、それはホームページのほうにも強調して書かせてもらっています。今の機材は本当にいい物がそろっていますので、歯科が怖い方でも大丈夫です。とにかく優しく、丁寧に、というのを心がけています。スタッフにも、それは徹底させていますね。痛いから怖い、という人のほうが多いと思いますので、それはもうどんどん言ってもらったほうがいいですね。可能な限り痛みは消したいと思っています。
子どもの治療はいかがでしょう?

今は子どもの患者さんはとても少ないです。ですが、勤務先では矯正をかなり多く扱っていましたので、矯正の必要があるお子さんに来てほしいという気持ちはあります。矯正は、子どもへのプレゼントですから。もちろん子ども連れでの診療も歓迎しています。スタッフは子どものいる人が多いので、一緒に遊んだり、DVDなどを見たり、お母さんやお父さんが治療している間相手をしています。
何かを犠牲にしてでも欲しかったマイクロスコープ
歯科用マイクロスコープと歯科用CTがそろっているとお聞きしました。

この2つの機械は、治療の精度を上げるために絶対必要だと思います。マイクロスコープに関しては、もうずいぶん昔から扱っていますので、特別な機械ではないと思うのですが、あるとないとでは全然違うと思いますね。この機械は治療全般に使いますので、保険・自費を問わずすべての患者さんに使うという感じです。細かな作業が、すべて大きく見えますので、それはやっぱり便利ですし、僕にとっては安心感につながっていますね。診断も早くできます。こればかりは若い頃から何かを犠牲にしてでも欲しかったのです。そしてCTも同じような感じで、診断する上で必要な機材という意識で導入しました。特にインプラント用というわけではなく、歯周病治療にも使いますし、抜歯のときにも重宝します。
歯周病患者は増えていますか?
小さい症例を合わせると、大人はほとんど全員が歯周病と思ってもらったほうがいいかもしれません。歯周病の治療は、ほとんどはレントゲンや歯周ポケット検査でできるんですが、顎の骨まで侵襲している場合は、具体的な治療に入る時にCTを使ってどこまで骨が欠損してしまっているかを調べています。
長くかかる人も多いのですか?

重度な歯周病、全顎的な補綴治療の場合は、1年~1年半かかる方もいらっしゃいます。一旦きちんと治してしまえば、次が楽というのもありますし、とにかく全部きれいに治してしまってから次を考える、というのも必要だと思います。僕の考えでは、治している途中からすでに「予防」をしているのです。ただ、そうやって「長くかかりますよ」とご説明すると、一般の患者さんは「え、そんなに?」と思ってしまうかもしれませんね。どうしても時間の取れない方などは、そのように対応できますので、ご相談くださいとご案内しています。
歯科は外科処置・削った歯は戻ってこないという認識を
「予防」についてお聞かせください。

僕の場合は、他の歯科医院さんの「予防歯科」とちょっと違うかもしれません。普通、予防というと、「虫歯にならないように」などだと思うんですが、現状として虫歯の人も治療の先を見据えて、予防しないといけないと思いませんか? まずは歯の欠損をこれ以上増やさないというのが予防だと思うので、ひいては治療の精度を上げるというのが予防だと思うんですよ。虫歯になってない人の予防というのが一般的にいう「予防」なんでしょうけども、そういう人たちには定期検診に来てもらうというのをお伝えするだけです。さらに、今治療をしている途中の人に対しても、予防が必要だと思うんです。歯科の治療というのは永遠に保てるものではないので、予防=再治療がしやすいように、というふうにも考えています。
歯科は対処療法だけでは治らない、とお聞きしました。
歯科治療というのは基本が外科処置ですので、痛みを止めるための治療は早いんですけども、再発も考えられます。そのあたりの認識がなかなか、一般的にはなっていないですよね。おそらくほとんどの患者さんにとっては、あまり聞いたことがないものだと思うのです。痛みがなくなったから「治った」というわけではないですし、歯を削ってしまったらもう元には戻らないという認識を持っていただきたいですね。
読者へメッセージをお願いできますか?
30代から、どんどん歯周病のリスクが高まります。ですので、一度検診に来てもらって、自分の状態を知ってもらうというのがすごく大事ですね。歯周病は生活習慣病ですし、自覚がない病気ですので、まずは客観的に自分の口の中を知ることがとても重要になってくるのです。特に30〜40代女性は、妊娠・出産などを経てライフステージの変化が大きいですので、気がついた時にまずは検診を受けてください。うちみたいに、土曜日も開けているところも多くなってきていると思いますので、ご都合に合わせて行ってみてくださいね。
今後の展望を教えてください。

地元に対して、学んできたことを還元できたらなという気持ちはずっとあります。技術的な今後としては、基本は歯周病・補綴なので、もっともっと技術向上をめざしたいですね。あとは、CAD/CAMシステムなどのコンピューター関係にとても興味があり、勉強している途中なので、ゆくゆくはそちらの方面に力を入れていくことになると思います。そしていずれは、地域一番と言われたいですね。患者数だけではなくて、あそこに行ったらしっかり治してくれるという評判の歯医者になりたい、という目標があります。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/35万~40万円、小児矯正/5万~10万円、ワイヤー矯正/50万~55万円、ホワイトニング(片顎)/3万円

