木下 昌毅 先生の独自取材記事
木下歯科医院
(大阪市北区/天神橋筋六丁目駅)
最終更新日:2025/06/03

大阪メトロ谷町線・堺筋線の天神橋筋六丁目駅11番出口から徒歩約5分という利便性の高い場所にある「木下歯科医院」は、1985年に開院。歯周病と虫歯の治療を専門とする木下恵嗣院長は、長年にわたり地域住民の歯と口の健康を守り続けてきた。2023年4月からは院長の息子である木下昌毅先生が同院をメインとした勤務に切り替え、より充実させた診療体制を確立している。また2025年1月からはクリニックを隣に新規移転し、診療環境を充実。さらに質の高い歯科医療の提供をめざすという。患者一人ひとりの思いを大切にし、患者の診療における不安にも丁寧に耳を傾ける同院。今回のインタビューでは、院長の理念を受け継ぐ昌毅先生に、歯科診療におけるモットーや新しいクリックの特徴などについて詳しく話を聞いた。
(取材日2024年11月20日)
親子2代で貫く抜かない・削らない治療を
まず、クリニックに来院される患者さんの年齢層や主訴についてお伺いします。

年齢に関係なく、お子さまからご高齢の方までご来院いただいていますが、私も父である院長も歯周病を専門としていますので、歯周病の治療や定期的な歯のクリーニングを目的に来られる50代から80代の患者さんの割合が高いです。新規で来院してくださる患者さんや、長年通われている方、ほかにも「歯の調子が悪くなって久しぶりに歯科医院に来た」とおっしゃる方もいらっしゃいます。患者さんによって主訴も背景もさまざまですから、歯周病や虫歯の治療だけでなく、幅広い歯科の診療を手がけています。また「他院で抜歯をしないといけないと言われた」と来院される方のご相談にも応じています。
診療における理念を教えてください。
当院のホームページには院長の理念として「できるだけ歯を削らず、歯を残す」という言葉を載せていますし、もちろん私もその理念を受け継いでいます。歯周病に限らず虫歯であっても、あまり歯を削らないような治療を実践しています。歯周病で困っている患者さんも皆「歯を残したい」という希望をお持ちですし、若い方であってもその願いは同じですよね。また、健康な体を維持していただくために、患者さんに歯周病についての啓発を積極的に行っています。歯周病は歯茎だけの病気だと思われがちですが、心臓疾患や糖尿病など全身に影響が及ぶ可能性がある怖い病気なんです。ですから、歯と歯茎のセルフケアが大切であることをお伝えすると同時に、ご自身でケアが難しい部分は当院でフォローさせていただくようにしています。
歯周病の治療にはどのようなものがありますか?

歯周病は40代以降では約4割の方が罹患しているといわれる病気なのですが、自覚症状があまり出ないことが特徴でもありますので「痛みがないから」「歯茎の症状だけだから」といった理由で放置される方が多いんです。歯周病が重症化しまった場合は、局所麻酔下で歯茎を切開して、歯茎の中や歯の周りの感染した部分の除去を図る手術を行う場合があります。また歯周病に関しては近年、顎の骨の再生を促す再生療法のお薬が保険適用で使えるようになっていますので、歯を残す治療として積極的に採用するようにしています。歯磨きの際に出血があれば受診のサインになりますし、理想としては、自覚症状がなくても定期的に歯のメンテナンスを受けていただくことをお勧めします。
専門的に学んだ歯周病治療を患者に還元
先生が歯科医師をめざしたきっかけは何ですか?

やはり父の影響が大きいと思いますね。私が子どもの頃は、父から歯のクリーニングなどを受けていたんですよ。そのような折、父が地域の方とフレンドリーに話している姿を見て「自分の力で患者さんの信頼を得ているのがすごいな」と思ったんです。歯科医師は地域に根差した医療ができるのが魅力的だと感じて、徳島大学歯学部に進学しました。歯科の領域では外科処置の細かいテクニックに興味を持ち、自分にも向いているなと思いましたし、それを究めればより良い結果をもたらすことができるのではないかと考えました。しかし、外科の技術を学んだだけは不十分だと感じ、大阪大学大学院に進学した際に歯周病に関する研究を行っていました。
大学時代、サークル活動などはされていらっしゃいましたか?
徳島大学には伝統的にボランティアで地域の幼稚園や保育園に赴いて、歯の大切さや適切な歯磨きの方法などの啓発をするサークルがあり、そこに入って活動を行っていました。お子さんが歯についての知識を得る場が少ないこともあり、子どものために役に立つのかなと思ったことがきっかけですね。それに、歯学部にしかできない活動だという点にも面白さを感じました。この取り組みを通して子どもと遊ぶ機会もたくさんあったので、小さなお子さんと接することにも慣れましたし、今の仕事にも生かされているのではないかと思っています。それ以外にはテニスのサークルに入ってスポーツも楽しんでいましたね。
大学卒業後は、大阪大学大学院に進学されたのですね。

自分が生まれ育った大阪で仕事をしたいなと思っていましたし、専門的な知識をもっと深めるためにも、大阪大学大学院で研鑽を積みたいと考えたのです。大学院での生活は、大阪大学歯学部附属病院で患者さんを診療しながら研究を行うという日々を送っていたので、とても忙しいものでした。研究の具体的な内容は、先ほどお話しした歯周組織の再生や、なぜ歯周病になるのか原因を追究する「病態学」についてです。また、週に何回かは大学病院のほかに大阪府内外のさまざまな病院で診療を行いながら、スキルアップも図ってきましたね。今でも大学病院に籍を置いていますが、2023年4月からは木下歯科医院をメインに勤務しています。
新しいクリニックで患者に寄り添う
2025年1月からは新しいクリニックでの診療になるそうですね。

患者さんがもっとリラックスできる環境、スタッフが働きやすい環境にしたいと思い、今のクリニックの隣に新しく施設をつくりました。光が差し込むガラス張りの待合室、落ち着いた内装デザインや照明にもこだわったほか、半個室と完全個室のプライバシーを重視した診療室を備えているので、患者さんもこれまで以上に安心して受診いただけるのではないかと期待しています。歯周病治療をメインにしているところがありますから、定期的に通いたくなるように工夫を凝らしました。また、診療代も4台から6台に増えるので、お待たせする時間も減るのではないでしょうか。設備面では口腔内スキャナーやCAD/CAMシステムを導入し、さまざまな診療に応えられるよう準備しています。
注力していきたい診療についてもお聞かせください。
一つはやはり歯周病治療です。私自身も歯周病治療を専門的に取り組んできましたからね。日本人が歯を失う原因で最も多いのが歯周病ですから、より力を入れていきたいと思っています。一方、歯周病などで歯を失ってしまった人へのインプラント治療、あるいは審美面の向上や歯を長持ちさせるためのセラミック治療といった自費診療にも注力していきます。患者さんからの需要が高く、私自身も研鑽を重ねてきましたので、より良い治療が提供できるのではないかと考えています。「歯周病で困っている」「治療しているけれどなかなか改善されない」「インプラントを検討している」など、皆さんのお困り事に寄り添えるクリニックにしたいですね。
最後に、読者へのメッセージをお願いいたします。

当院に通院されている患者さんで、特にご高齢の方は皆さん「歯が大切」とおっしゃいます。歯周病は重症化すると歯を失いかねない病気でもありますし、手遅れになる前に歯科を受診していただくことが一番だと思っています。歯のクリーニングやメンテナンスも含めて定期的に通院していただければ、歯だけでなく全身の健康を保つことにつながります。また、子育て中の親御さんには痛みや虫歯でなくても「なかなか歯が生えてこない」など、お子さんの歯について心配なことがあれば、何でも相談していただきたいですね。当院は幅広い年代の患者さんの診療に対応しますし、私や院長だけでなくスタッフも患者さんとのコミュニケーションを大切にしていますので、お気軽にお越しください。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療(上部構造はジルコニアクラウンを用いる)/35万円~、セラミック治療/9万円~