小泉 孝弘 院長、小泉 翠 副院長の独自取材記事
こいずみ歯科医院
(堺市南区/泉ヶ丘駅)
最終更新日:2025/08/28

子どもから高齢者まで、家族ぐるみで付き合える地域密着型の歯科医院をめざす「こいずみ歯科医院」。白と木目を基調にした、温かみのある院内で診療にあたるのは、院長の小泉孝弘先生と、副院長の小泉翠先生だ。孝弘院長は高齢者の入れ歯・差し歯を、翠副院長は日本小児歯科学会認定小児歯科専門医として小児歯科を専門に担当している。先代の院長が1971年に開業し今年で48年。今では近隣はもちろん、和泉市や狭山市からも訪れる歯科医院となった。「かかりつけ医として責任を持って、さまざまな世代の口の悩みに応えたい」と話す2人に、専門とする入れ歯の治療や小児歯科、診療で心がけていること、患者とのエピソードについて聞いた。
(取材日2019年7月18日)
「高齢者の入れ歯」「小児歯科」で専門的な医療を提供
こちらは48年の歴史を持つ歯科医院だそうですね。まずはお二人のご経歴を教えてください。

【小泉院長】大学を卒業してから、大阪歯科大学の高齢者歯科学講座という総入れ歯専門の講座に所属し、主に入れ歯や差し歯について学びました。また、訪問診療や高齢者の嚥下機能の訓練、口腔機能低下症についても深く勉強をしました。ここは父が1971年に開業し、2009年に僕が継承という形で院長に就任。「小泉歯科医院」から「こいずみ歯科医院」に院名を変更しています。
【翠副院長】大学を卒業した後、九州大学小児歯科学講座で5年間在籍し、研究と臨床を研鑽し、日本小児歯科学会認定小児歯科専門医を取得しました。その後、福岡市内の歯科医院で予防や一般歯科の治療を経験した後、ご縁があって大阪に移って大阪市内の小児歯科に勤務し、結婚を機に2010年からこちらの歯科医院で診療を行っています。
歯科医師を志したきっかけや、専門分野を選ばれた理由は何でしょうか?
【小泉院長】父が歯科医師だったのでその影響は大きいですね。高齢者歯科学を選んだ理由は、この辺りの高齢化が進んでいたから。地域性を踏まえてこの分野に進みました。これからは今までの経験と知識を生かして訪問診療にも力を入れ、通院が難しくなった患者さんや、近隣のケア施設の依頼に対応していきたいですね。
【翠副院長】子どもの頃、矯正をしていたので歯科医院がとても身近にあり「将来は歯医者さんになりたいな」と思っていました。小児歯科を選んだ理由は「子どもの歯から大人の歯へ移る時期がとても大切」ということが、歯科の勉強をする中でわかったからです。小児の頃に歯を大切にしてあげると、大人になってからも健康なお口でいられる可能性が高いんですよね。また、小児歯科専門の歯科医師が少ないという現状もあり、「地域に小児歯科を専門とする歯科医院があったほうがいい」と考えこの分野に進みました。
どのような患者さんがいらっしゃいますか?

【小泉院長】全体の4割が高齢者、2割が子育て世代、そして残りの4割が40代から60代の患者さんとなっています。症状で一番多いのは「入れ歯が合わない、噛み合わない」など。あとは「歯が取れた」、歯周病が悪化して「歯茎が痛い」といった方が目立ちますね。小児歯科では、他院で治療中に泣いて騒いで治療ができなかった子や、虫歯がかなり進行してしまった子の親御さんが、インターネットで調べて、遠方からもいらっしゃいます。
【翠副院長】最近は、何も症状がなくても「悪いところがないか診てください」というお母さんが増えてきましたね。検診の際は、虫歯や歯並びのチェック、フッ素の塗布などを行い、お母さんが気づきにくい習癖も確認しています。
家族ぐるみで付き合える地域密着型の歯科医院をめざす
小泉院長が力を入れている診療についてお聞かせください。

【小泉院長】入れ歯や差し歯に尽力しています。入れ歯をしている方の多くが、「入れ歯が落ちてくる」「外れる」「噛んでいて痛い」「噛み切れない」ことに悩んでいるので、日常の食生活の中で不快なく噛める入れ歯づくりを意識しています。治療の手順としては、まず患者さんの希望をしっかりと聞き、型採りを行います。その後、技工士さんと相談し、患者さんのニーズに極力合った入れ歯を作製します。顎関節症や親知らずの抜歯といった口腔外科系の処置にも力を入れ、近隣の大規模病院との連携も図っているので、口腔外科関連のことでお困りの方は、お気軽にご相談いただけるとうれしいですね。必要に応じて専門の機関に紹介状を書くことも可能です。
翠先生は週に2回予約制で診察をされています。お子さんの治療では何かコツはあるのでしょうか?
【翠副院長】歯科が好きな子はいないので、まずはそこから解きほぐすようにしています。歯だけではなくその子を見て、幼稚園のことや遊びのことなど、いろいろなお話をしていると、少しずつ慣れてきてくれるんです。治療ではお子さんとお母さん、そして私という3人の信頼と納得が必要になるので、タイミングを見ながらちょっとずつですね。なので、治療をせずに何回か来ていただくこともあります。ただ、どうしても痛みが出て急ぐ場合は、笑気麻酔を使用して治療したり、抑制下での治療をしたりします。
お二人が患者さんと接するときに心がけていることを教えてください。

【小泉院長】患者さんの話を丁寧に聞き、一番何に困っているのかを知るようにしています。そして、その情報をもとに治療計画を立て、しっかりとわかりやすく説明をし、患者さんの希望を優先して、必要な部分から治療を始めています。
【翠副院長】私自身も子育て中なので、「歯磨きが大変」「子育ての大変さ」など、お母さんの悩みがすごくよくわかるんです。その気持ちに共感をして、お母さんが少しでも楽をできるように、そしてお子さんにも負担がかからないように、歯磨き等のアドバイスをするようにしています。専門家のアドバイスを取り入れることで、患者さんご自身が自分で歯の健康を守れるように、これからもお手伝いしていきたいですね。
何もなくても年に1度は検診を
これまでの歯科医師生活の中で心に残っていることはありますか?

【小泉院長】父の代から通ってくれている方が多いので、小さかった子が成長していく姿を見ていると、感慨深いものがありますね。院長になって10年がたち、だいぶ地域に根づいてきたかなとやりがいを感じています。
【翠副院長】子どもの成長を見られることがうれしいですね。これまでできなかったことが、できるようになる過程がお母さんも、私もすごくうれしい。そして、その子が治療後も検診に来てくれて、前のようにひどい虫歯にならなくて済むようになったら、歯科医師としてやりがいを感じると思います。でも、子どもたちは大きくなると小さい頃のことを忘れてしまうんですよね。「昔はあなたも嫌がって泣いていたのよ」と言うと「それ、私じゃないよ」って(笑)。
お忙しい毎日ですが、休日はどのようにお過ごしですか?
【小泉院長】休診日はほとんど、大学と研修会で、日々新しい知識を習得し、技術レベルを上げるように努めています。現在は、インプラントと、訪問診療のセミナーに積極的に参加しています。
【翠副院長】子育てと勉強会への参加ですね。私に子どもがいるいないは、患者さんにとっては関係のないこと。日々新しい診療を勉強し技術レベルを保つために、勉強会や講習会、その年のトピックを知ることができる研究会などには積極的に参加して、学習の場を大切にしています。
最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

【小泉院長】入れ歯や差し歯で困っている方、小児歯科専門医が在籍する歯科医院をお探しの方は、気軽にご相談ください。また、大切な歯を守るためにも、日常の一環として定期検診を受けることをお勧めしたいですね。大阪府後期高齢者医療広域連合の推奨する後期高齢者歯科検診のほか、堺市では成人歯科検診を行っていますので、そうした取り組みを上手に活用していただければと思います。今後の目標は全身疾患の方にも対応し、嚥下機能の訓練を取り入れること。また、虫歯で歯を失った人に対してインプラント治療も提供したいと考えています。
【翠副院長】「虫歯があるから歯医者に」ではなく「少なくとも年に1回は検診に」と思っていただけるようにしたいですね。学校や幼稚園の検診で問題がなくても、歯科医院で虫歯や、歯の生え替わりの異常が見つかることはよくあること。負担を減らすためにも検診を受けていただきたいと思います。
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。