谷和 泰伸 院長の独自取材記事
谷和歯科医院
(堺市堺区/石津川駅)
最終更新日:2024/08/28

南海本線・石津川駅から徒歩12分、閑静な住宅街に「谷和歯科医院」は位置する。1995年に現在の建物へ建て替えられ、バリアフリーに配慮した広々とした駐車場を完備。院内は白と木目を基調とし、ナチュラルで清潔感がある。谷和泰伸院長は、2018年に院長就任。「生まれ育った地域に歯科医療で恩返しがしたい」と思い、地域密着型の診療をめざす。歯科麻酔科での経験を生かし、近隣の総合病院と連携して対応する。治療の説明にはわかりやすい例え話を用い、患者に寄り添うコミュニケーションを重視。理解と納得を得て診療を進めている。患者の歯を可能な限り保てるように、谷和院長自らがブラッシング指導を行う。さらに、ホワイトニングや3Dプリンター義歯など、患者の要望に応じた自由診療も取り入れ、多様なニーズに対応している。
(取材日2024年7月26日)
地域密着型の診療で地域医療とも連携
谷和院長が歯科医師を志されたきっかけをお聞かせください。

私が歯科医師を志したきっかけは、幼い頃からの環境にありました。現在のクリニックは1995年に建て替えられたものですが、以前はここで父が診療所を営んでいて、現在駐車場になっている場所が診療所でした。子どもの頃から、毎日のように父が患者さんと接する姿を間近で見てきたんです。診療所は私にとって第二の家のような存在で、歯科医療の世界に自然と親しんできました。父の仕事ぶりを見て、患者さんの痛みを緩和につなげたり、笑顔を取り戻したりする姿に「自分も将来、人々の健康に貢献できる仕事がしたい」と憧れを抱くようになりました。私が歯科医師の道を選んだ大きなきっかけになりましたね。今でも父から学んだ「患者さん第一」の精神を大切にしながら、日々の診療に取り組んでいます。
院長になられてから、どのような診療を心がけていらっしゃいますか?
大学卒業後、歯科麻酔の道で経験を積み、2018年に当クリニックの院長を父から引き継ぎました。「生まれ育った地域に恩返しがしたい」という思いから、地域密着型の診療をめざし、かかりつけ歯科医院として、患者さん一人ひとりに寄り添った診療を心がけています。特に力を入れているのが、私の専門である歯科麻酔の知識と経験を生かした治療です。歯科治療に不安を感じる患者さんに安心して治療を受けていただけるよう、きめ細かなケアをしています。さらに、近隣の総合病院との連携も当クリニックの強みの一つ。例えば、全身管理が必要な糖尿病の患者さんや、複雑な親知らずの抜歯が必要な患者さんには、安全性を最優先に考え、必要に応じて専門医療機関と連携することで、より良い歯科医療の提供に努めています。
主にどのような患者さんが来院されているのでしょうか?

近隣に小学校がありお子さんの来院もありますが、特に40代以上の世代が多い傾向にあります。当クリニックでは、例えば神経を取るための治療が必要な場合、歯の状態や汚れ具合を直接見ながら治療の必要性を丁寧に説明することで、皆さんによく理解してもらえるようにしています。ありがたいことに、多くの患者さんが治療に前向きで協力的です。主訴としては、虫歯の治療と歯周病への対応が全体の約8割を占めていますね。これらの治療に加えて、患者さんの要望に応じてホワイトニングなどの自由診療も行っています。ホワイトニングについては、結婚式を控えている方や、お仕事で人前でお話しする機会の多い方からのご要望があります。あくまでも患者さんのご希望に応じて行うもので、こちらから積極的に推奨することはありません。患者さんのニーズに合わせて適切な治療を心がけています。
予防歯科と新しい技術の導入で長期的にサポート
予防歯科についての取り組みを教えてください。

予防歯科は、将来的な歯の問題を防ぎ、健康的な口腔環境を維持するための重要な取り組みです。当クリニックでは、歯科医師と歯科助手の2人体制で運営し、私が直接ブラッシング指導を含む歯科指導をしています。年配の方、特に義歯を使用している方で、手の動きが制限されて動きにくい場合には、2ヵ月に1回の口腔内清掃をお勧めしています。また、大人の虫歯は気づきにくいことから、定期的なチェックが欠かせません。治療後の管理も重視しています。治療完了後も、お口の健康を維持するため、3~6ヵ月ごとの定期的な健診やクリーニングを通じて、継続的に経過を観察します。患者さん一人ひとりの歯の状態を把握し、適切なアドバイスで、歯の健康を長期的にサポートします。
診療の中では何に力を入れていらっしゃいますか?
長期的な歯の健康を支えるには、新しい素材や技術を積極的に取り入れて、より良い医療を提供したいと考えています。2024年4月から、自由診療で「3Dプリンター義歯」を導入しました。これは新しい技術を活用したもので、歯科技工所でコンピューターを使ってスキャニングし、3Dプリンターで作製します。従来の熱で素材を固める方法とは異なり、より精密な仕上がりが望めるようになりました。そのため、より良いフィット感が期待できます。特に、型採りの際にえずきやすい方にとっては、身体的な負担が少ない点も大きなメリットです。また、歯科技工所に依頼を出してから中5日で患者さんの手元に届く、比較的短い納期も利点の一つです。新しい技術を取り入れることで、患者さんへのより快適な義歯の提供につなげています。
3Dプリンター義歯を使う上で注意点はありますか?

自由診療の義歯を選ぶ前に、まずは保険診療での義歯を試すことをお勧めしています。これは、高級ブランド服を購入する際の慎重さに似ていますね。義歯の装着感、フィット感は本人にしかわからないもの。そのため、比較対象がない状態で判断するのは難しいのです。そこで患者さんには、最低1ヵ月は保険診療の義歯を使っていただき、その後段階的に3Dプリンター義歯への移行を検討していただくよう提案しています。新しい技術の導入は重要ですが、それ以上に患者さんの満足度を大切にしたいと考えています。治療にまとまった費用をかけられる方々には、比較検討して「治療して良かった」と実感していただきたいものです。慎重なアプローチが、最終的には患者さんの笑顔につながると信じています。
患者の目線に合わせ説明。納得を得てから治療を進める
患者さんに接する際に、工夫や心がけはありますか?

患者さんとの信頼関係を築くことが、良質な歯科医療の基本だと考えています。そのために、心がけているのは、専門用語をできるだけ避け、患者さんにもわかりやすい言葉で状況や治療法を説明し、納得してもらった上で治療を進めることです。次に、患者さんの不安や疑問に耳を傾けることを大切にしています。治療に対する不安は珍しくありませんので、丁寧にお話を伺って対応するよう心がけています。さらに、痛みの軽減を図ることにも注力しています。麻酔技術を駆使し、できる限り痛みを抑えた治療をめざしています。そしてアフターケアも重視しています。治療後の経過観察や、自宅でのケア方法のアドバイスなど、治療後もしっかりとサポートすることで、長期的な歯の健康維持のためにお手伝いしています。
今後の目標をお聞かせください。
今後の目標は、患者さんにより快適で有用な歯科診療を提供することです。先進の技術の導入によって、治療時間の短縮や痛みの軽減を図り、より快適な歯科体験をお届けします。例えば、3Dプリンター義歯の導入で、従来よりもフィットするような義歯の短期間での作製が望めるようになりました。また、予防歯科にも注力しています。定期的なクリーニングと適切なアドバイスにより、虫歯や歯周病のリスクを大幅に下げることが期待できます。これは将来的な治療費の節約にもつながるでしょう。
最後に読者へのメッセージをお願いします。

読者の皆さんへお伝えしたいのは、健康な歯は人生の質を高めるための重要な要素だということです。国が「8020運動」を推進していますが、なるべく健康なご自身の歯を生涯にわたって維持することが大切です。適切な歯のケアは、食事を楽しむ、自信を持って笑うなど、日常生活の中でもさまざまな面でメリットをもたらします。歯科治療に不安をお持ちの方も多いと思います。しかし、早期の対応が痛みや費用の軽減につながります。治療が必要な歯については、患者さんに説明をして理解を得てから治療を行っています。先進の技術と丁寧な説明で快適な治療環境を整えていますので、気軽にご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とはオフィスホワイトニング/上顎1回8800円、下顎1回7700円
ホームホワイトニング/10回セット4万4000円
3Dプリンター義歯/7万5000円〜(欠損歯の本数により異なります)