西田 尚道 院長、西田 尚敬 副院長の独自取材記事
西田歯科医院
(豊中市/緑地公園駅)
最終更新日:2023/04/11

緑地公園駅から徒歩数分の場所にある「西田歯科医院」は1977年開業。院長の西田尚道先生は46年の長きにわたり地域に根差した診療を続けてきた。2階にある診察室まで階段で上がれなくなった高齢の患者のために1階駐車場の横にバリアフリーの診察室を新設し、通院が困難になった患者に訪問診療を行うなど、常に患者の目線に立った診療で地域の歯科医療に貢献している。「長年診てきた患者さんとは一生のお付き合いをしていきたい」と笑顔を見せる尚道院長に、これまでの道のりや、2014年から診療に加わっている息子の西田尚敬(ひさたか)副院長に対する思い、尚敬副院長には診療に加わるまでの経緯や診療で大切にしていることについて話を聞いた。
(取材日2023年3月3日)
父と子それぞれの得意分野で、地域の歯科医療に貢献
こちらの歯科医院は1977年開業だそうですね。

【尚道院長】開業当時は、この周辺はまだマンションが建ち始めたばかりの時期で、患者さんも工事現場の方がほとんどでした。それからマンションが増えるにつれて若いご夫婦が増えて、小さなお子さんも来院するようになりました。そして、年数を重ねるごとに患者さんもお年寄りになっていき、その方々が施設に入ったり、お子さんのところに引っ越してしまったりすることもありました。このように振り返ってみると、私の人生というのはそのまま患者さんの人生と重なっているのだという感慨深い思いがありますね。
尚敬副院長が診療に加わった経緯と、院長から見た尚敬副院長の強みについて教えてください。
【尚敬副院長】もともとは大学で臨床・教育・研究に励んでいましたが、この歯科医院を手伝っていた兄が開業することになり、それなら僕が戻って後を継ぐのがいいだろうと、週の半分ここで診察するようになりました。患者さんは、父がずっと診てきた近所の方がほとんどで、高齢で通えなくなった方には訪問診療も行っています。そういう関係性ができているので、父のやり方を尊重しつつ、僕は僕の長所を生かした診療を提供していきたいと考えています。
【尚道院長】息子の強みは、患者さんに対して真摯に向き合う姿勢だと思います。丁寧な説明から始まって、一人ひとり時間をかけて診察し、患者さんとのコミュニケーションも上手に取っています。患者さんが納得するまで説明を重ねて一つ一つの処置も丁寧。あと、とても勉強熱心ですね。
お子さんからご高齢の方まで、幅広い年代の方が来られているとか。

【尚敬副院長】長年通ってくださっている高齢の患者さんも多いですし、僕自身が小児の治療を得意としているため、お子さんの予防や治療にも積極的に取り組んでいます。お子さんの場合、永久歯に生え替わった後の将来も見据え、乳歯のうちから健全な口腔環境を育てていくことが重要ですから、たとえ今虫歯がなくても、定期的に歯科医院に通う習慣をつけてほしいですね。
【尚道院長】成人の患者さんも、30歳〜74歳まで年1回受けることができる豊中市の歯科検診も利用しながら、年2〜3回受けていただけると良いですね。万が一歯を悪くした場合は、インプラント治療も提案可能ですので、ぜひご相談ください。
矯正歯科も行っているとお聞きしました。
【尚道院長】矯正の目的は、まず第1に歯並びをきれいにし、審美的な回復をすることです。口元をきれいにすることができれば、明るくすてきな笑顔が得られ自信を持つことができるでしょう。第2に不正咬合や歯並びの悪さは、うまく食べ物を噛み砕けないばかりか、顎関節の異常や姿勢の悪さ、さらには体全体に大きな悪影響を及ぼすといわれています。当院では矯正専門の歯科医師が小児矯正から成人矯正までしっかり対応を行い、健康ですてきな笑顔を得られるよう努力をしております。矯正は、費用と時間がかかりますので、まず、しっかりとしたカウンセリングにより納得して矯正を受けていただきたいと考えております。また、目立たないマウスピース型装置も取り扱っておりますのでお気軽にご相談ください。また、審美的な面でホワイトニングを希望される方も増えていますね。
材料を適切に選び、美しく仕上げることに尽力
尚敬副院長は、週の半分は大学で研究をされているのでしょうか?

【尚敬副院長】はい。大阪大学産業科学研究所で、ジルコニアセラミックスなどの審美歯科材料と酸化チタンなどの環境材料の研究をしています。具体的には、患者さんが必要としている機能を付与した歯科用セラミックスや、光を活用した骨再生、光触媒材料を利用したドラッグデリバリーシステムなど、歯科の分野だけでなく医科の分野への用途・方向性へ広がった研究です。
その研究は、どのようなかたちで診察に生かされていますか?
【尚敬副院長】臨床の現場で「こういう材料があったらいいな」と気づくことがよくあるのですが、研究では、一歩ずつそのイメージに近づき、思い描いたものを作り出そうと試行錯誤しています。いつか実現して何十年後かでも使えるようになればうれしいですね。今研究している材料は、主に審美歯科に使うものなので、将来は得意分野が発揮できる審美歯科診療をもっと手がけていきたいと考えています。入れ歯やかぶせ物の治療も大学院時代には専門にしていましたし、材料についての知識と判断には自信を持っています。
材質の耐久性や審美面にこだわった場合、自費診療になることが多いのでしょうか。

【尚敬副院長】そういうイメージをお持ちの方も多いですが、患者さんの歯並びや噛み合わせによって、勧める材料は保険適応の場合も自費になる場合もあります。例えば奥歯で外から見えにくい所については、場合によっては保険の利く金属のほうが長持ちすることもあるんですよ。しかし前歯など患者さんが見た目を気にされる場合には、保険外の材料も提示します。かぶせ物に使う材料の特徴、例えばセラミックスの硬さや、どのくらい光が抜けるかなど、セラミックスの材料によっても特徴はさまざまです。患者さんの天然の歯も人それぞれ特徴があります。僕は材料の研究をしていますから、保険が利く材料の中でその患者さんにとってメリットのある材料を選ぶことを得意としています。自費・保険に関わらず適した材料を提案させてもらい、患者さんの希望を聞きながら治療法を選んでいくようにしています。
患者に寄り添いながら一生の付き合いをしていきたい
尚道院長は訪問診療にも注力しているそうですね。

【尚道院長】冒頭にも話が出たように、高齢になって通院が難しくなってきた方、あと、歯科医師会の在宅診療チームにも加わっているので、要請に応じて訪問することもあります。訪問診療を受けるにあたり、家の中を片づけなきゃと気を使われる方もいらっしゃいますが、私たちは診療の時は患者さんしか見ていません。ぜひ普段の生活のまま、気軽に受けていただけたらと思います。訪問診療のほか、車いすで来られる方も増えてきたこともあり、当院ではバリアフリーの診療室も備えました。また、訪問介護には通院の際に乗り降りを介助してくれる介護タクシーサービスもありますから、そういったサービスをうまく活用して健康な口腔環境を維持してほしいですね。自分が長年診てきた患者さんとは、一生のお付き合いをしていきたいというのが私の願いです。
こちらには歯科技工所があると聞きました。
【尚道院長】3階に技工所を設けて歯科技工士が常勤しています。院内に技工士がいることで、外部の技工所に出すよりも早く仕上げることができますし、歯の色味や噛み合わせなどについても、直接患者さんの声を聞きながら、細かな要望にも応えてもらうことが可能です。ちょっとした調整であればその場で直すこともできるため、患者さんにとっても通院の回数を減らすことができるなど多くのメリットがあると思います。
今後の展望についてお聞かせください。

【尚敬副院長】歯科医師として口腔から体全体の健康までサポートしていけるように、栄養学の勉強も始めたいと思っています。そして、医師と歯科医師とが常に連絡を取り合って、患者さんの体を管理できたらいいと思います。地域の方で長く通ってくださっている患者さんは、訪問診療も含めてできる限りフォローしつつ、幅広い世代の方の歯と体の健康を支えていきたいですね。
【尚道院長】将来的には息子にバトンを渡して、私はサポートに徹したいと考えています。ただ、昔からなじみの深い患者さんも診させてもらっていますので、これからも患者さんの人生に寄り添いながら診療を続けられたらうれしいですね。
自由診療費用の目安
自由診療とはオールセラミッククラウン/10万円〜、小児矯正/15万円~、成人矯正/66万円~、マウスピース型装置を用いた矯正/17万円~、オフィスホワイトニング2回(上下)/2万2000円、ホームホワイトニング・上トレー・ジェル(3本)/3万800円(上下の場合は追加で1万1000円)、インプラント治療/27万5000円~