川口 高史 院長の独自取材記事
カワグチ歯科クリニック
(名古屋市緑区/徳重駅)
最終更新日:2025/06/26

名古屋市営地下鉄桜通線・徳重駅から徒歩7分の立地にある「カワグチ歯科クリニック」は、名古屋市内でもベッドタウンとして多様な世代が生活する地域に根差している。院長を務める川口高史先生は、大学卒業後に勤務した歯科医院で、保険診療内で幅広い患者の悩みに対応する考え方に影響を受けたと話す。そして、2001年に当院を開業すると、保険診療をメインに据え、より多くの患者の主訴に応えるスタイルを受け継いだ。さらに、患者の負担を軽減し、通いやすいクリニックをめざすようになった。今回は、川口院長に、クリニックの特徴や診療スタンス、地域住民の健康維持に向けた取り組みについて聞いた。
(取材日2025年5月21日)
幅広い世代に寄り添う、地域のかかりつけ医に
貴院がある地域について教えてください。

当院は、名古屋市営地下鉄桜通線・徳重駅から徒歩7分ほどの、名古屋市内でも有数のベッドタウンに位置しています。開院当初はまだ地下鉄が開通しておらず、今よりも新興住宅地としての色合いが濃い地域でした。そのため、当時はお子さんが多く来院されていましたが、現在はご高齢の患者さんが多くを占めています。また、土曜日には、平日お仕事をされている若い世代の方が、お子さんを連れて来院される姿をよく見かけます。ご両親がお子さん2人を連れて来院されるなど、ご家族そろっての受診も多いのが特徴です。
どのような主訴で来院される患者さんが多いですか?
歯のメンテナンスで長年通われている方が多くいらっしゃいます。その他、ご高齢の患者さんですと、義歯に関するご相談や虫歯の治療で来院される方も少なくありません。また、「主訴だけを診てほしい」という方から、「悪いところはすべて治したい」という方まで、患者さんによって希望される治療レベルも異なります。当院では、受付での問診や問診票への記入いただいた情報に加えて、診療室でさらに詳しくお口の状態を確認し、患者さんのご要望を丁寧にヒアリングした上で治療に入ります。しかし、最初のヒアリングだけではすべての方針を決めるのが難しい場合もあり、治療を進めていく中で「やはりここも治してほしい」といった新たなご要望が出てくることもあります。その際は、患者さんの様子を注意深く伺いながら、できる限りご希望に寄り添った診療を心がけています。
幅広い世代が来院される中、患者さんへの対応で気をつけていることはありますか?

お子さんのために、待合室にはちょっとしたキッズスペースを設けています。できれば、1歳を過ぎた頃から定期的に通院していただき、「歯医者さんは歯をきれいにする所」という良い印象を持ってもらえると、将来的に治療が必要になった際もスムーズに対応できます。一方、ご高齢の患者さんとお話しする際は、声の大きさや話すスピードに配慮しています。お薬を服用されている方も多くいらっしゃるため、その点も注意が必要です。また、患者さんご本人と付き添いのご家族の意見が一致しているかを確認することや、高額な治療となる場合には、ご家族の同意が得られているかどうかも事前に聞き取りした上で、治療を進めています。
負担をかけない治療で、通いやすいクリニックをめざす
歯科医師をめざした理由や開院されるまでの経緯を教えてください。

実は、私が自ら「歯科医師になりたい」と思ったわけではなく、親や親族からの勧めがきっかけでこの道をめざしました。当時は、医療関係の仕事にどこか優雅な印象があったのかもしれません。そんな私にとって、歯科医師として最も印象に残っているのは、大学卒業後、最初に勤務した歯科医院の院長先生です。その先生は、自費診療に特化することなく、保険診療の範囲内で幅広い患者さんに対応されており、その考え方には強く影響を受けたと感じています。そちらの歯科医院で5年ほど勤務した後、名古屋駅前の都市型クリニックや地方都市での院長経験を経て、2001年に当クリニックを開院しました。当初は名古屋市外での開業も検討しましたが、徳重エリアはこれから人口が増加し、将来性があるだろうという思いで、この地での開業を決意しました。
当院の診療スタンスはどのようなものですか?
当院は、保険診療を基本とし、より多くの方々の健康に貢献できる質の高い診療、そして「患者の負担が少ない診療」をめざしています。痛みはもちろんのこと、診療に長い時間がかかってしまうことも患者さんにとっては大きなストレスとなります。そのため、クリーニングの手際にも気をつけたり、端的かつ正確に伝わる言葉選びを心がけたりと、スタッフにも協力してもらいながら、患者さん目線でメリットとなる診療を心がけています。当院のスタッフは、7年以上勤務してくれている人たちばかりで、クリニックの方針や私の考えをよく理解してくれているため、たいへん助かっています。
その診療のスタンスは開院当初から継続しているものですか?

保険診療で多くの患者さんに対応するスタンスは、開院当初から変わりません。しかし、長く通って信頼してくださっている患者さんの中には、自らより良い治療を希望される方もいらっしゃるため、自費診療の割合は以前よりも増えています。また、開院当初は「これに対しては、こうしなければならない」という歯科医療の理想を追求する部分がありましたが、それでは患者さんが負担を感じてしまい、通院から足が遠のいてしまう方が増えるという気づきがありました。もちろん、重度の歯周病や外科的な処置が必要な場合には、ある程度の負荷がかかる治療をすることもあります。しかし、長年の経験から、「ストレスの少ない診療」をより強く意識するようになりました。そして、定期的なメンテナンスに通っていただくことが、地域全体の口腔健康度の向上につながるという考えに至っています。
若い世代や子どもの歯科医院通いをサポートしていく
長年多くの患者さんと向き合ってこられて、印象に残っている場面はありますか?

患者さんとの印象的なエピソードとして、「お母さんのつもりで診てください」と言われたことがありますね(笑)。医療者側から「お母さんのように優しく診ますよ」といった表現はあるかもしれませんが、患者さんのほうから「お母さん」を求められたため驚きました。あとは、患者さんが「とても良い調子です」などと話しながら、明るい表情を浮かべているのを見て、とてもうれしくなったことを覚えていますね。
今後の展望についても聞かせてください。
虫歯などの治療も継続して行っていくのですが、今後はますます歯のメンテナンスに力を入れていきたいと考えています。若い世代、特にお子さんの来院についても、開院当初のように増やしていければうれしいですね。名古屋市では、お子さんの歯科治療に関して、経済的な支援もありますので、まずはご相談ください。幼い頃から定期的に歯科に通い慣れてもらうことで、歯科に対して「嫌な所」「痛いことをされる場所」というイメージを持ちにくくなります。そうすれば、大人になってからもメンテナンスの意識を高めていけるはずです。当院では、若い世代の歯科通いの習慣づくりをサポートしていきたいと考えています。
最後に、読者へ向けたメッセージをお願いします。

名古屋市にお住まいの方は、市から歯周歯科健診などの健診票が届きますので、そういった機会をぜひ活用していただきたいです。たとえ自覚症状がなくても、歯に関心を持つきっかけとして、まずはメンテナンスにお越しいただければと思います。当院では、患者さんのご希望に沿った診察や治療を行っています。「検診に行くだけなのに、面倒なことを言われるのではないか」とためらう方もいらっしゃるかもしれませんが、検診だけの対応も可能です。あるいは、ご要望があれば、追加の検査でお口の中の状態を詳しく確認することもできます。また、お口の中を拝見した上で治療が必要と判断した場合は、保険診療となる旨の説明や適切なアドバイスもさせていただきますので、まずはお気軽にお越しください。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/38万5000円、オフィスホワイトニング/1万6000円~