鎌田 邦嗣 院長、鎌田 大飛 副院長の独自取材記事
かまだ歯科
(伊予郡松前町/松前駅)
最終更新日:2025/10/31
鎌田邦嗣院長が1991年に開業し、松前町北黒田で34年にわたり地域の歯科医療を支えてきた「かまだ歯科」。2025年春には副院長として息子の鎌田大飛先生が本格的に診療へ加わり、院内には静かに新しい風が吹き始めた。建物は約10年前に全面建て替えを実施し、院長がかつて旅したバリのリゾートのような雰囲気を意識した設計に刷新。電球色の照明や自然素材を用いた内装が特徴で、「まるでカフェのよう」と患者の緊張感を和らげる空間が広がっている。「昔からの患者さんにとって安心できる場所でありながら、新しく来た方にも来て良かったと思ってもらえるように」。そんな2人の歯科医師の思いが、温かな空間と丁寧な診療に表れている。地域とともに歩んできた歯科医院が、親子2代で新たな未来へと一歩ずつ進んでいる。
(取材日2025年7月16日)
地域で愛される「通いたくなる歯科医院」へ
クリニックづくりで大切にしたことは何ですか?

【邦嗣院長】いわゆる医療機関らしさとは違う、もっと温かみのある、ちょっとした非日常的な空間をめざしました。特にイメージしたのは、家族旅行で訪れたバリのリゾート地。木の質感や石のぬくもり、静かに流れる時間……そういうものに強く惹かれて、設計に取り入れられないかと考えたんです。照明は白色ではなく、やわらかい電球色に。最初の段階から「蛍光灯は使わない」と決めて、落ち着いた光が空間全体に広がるように設計してもらいました。外から見た人に「歯科医院っぽくないですね」「おしゃれなカフェみたい」と言っていただくことがよくあります。それは大成功だと思っていて、入り口の段階で心理的なハードルが少しでも下がれば、歯科医院に足を運ぶきっかけになるかもしれませんから。今では、来院した子どもたちがプレールームで遊んで帰ったり、水槽の金魚に夢中になったり、そうした風景を目にするたび、良かったなと思います。
どんな方が来院されていますか?
【邦嗣院長】開業してから34年になりますが、ありがたいことに開業当初から通ってくださっている方が、今ではご自身のお子さん、さらにはお孫さんを連れて来てくださるようになりました。つまり親子3世代での来院も少なくなく、地域に根差すことの意義と責任を強く感じています。また、今年4月から副院長が加わって以降は、明らかに20〜30代の若い方々の来院が増えました。これは非常に良い傾向だと思っています。
【大飛副院長】僕が加わったことで、診療内容に若さや今どき感が少しずつプラスされているのかなと思います。SNSでホワイトニングの話題が多くなる中で、やってみたいけどどこに行けばいいのだろうと悩む方にとって、地元の信頼できる歯科医院がその選択肢になるならうれしいですね。
診療の際に心がけていることはどんなことですか?

【大飛副院長】僕が特に大切にしているのは、「説明の丁寧さ」です。まずは何が問題なのかをわかりやすく伝え、いくつかの治療の選択肢を提示するようにしています。その中から「自分で選べた」と思ってもらうことが、とても重要だと思うんです。
【邦嗣院長】私は予約の時間内にできる限り収めるよう努力しています。診療が遅れることで、次の患者さんをお待たせすることになりますし、「また来るのが面倒だな」と思わせてしまっては本末転倒です。一回一回を丁寧に、でも効率的に。そうした小さな配慮を積み重ねて、患者さんの信頼に応えていきたいと思っています。一方で、「途中でいったんやめる」という判断も大事だと考えています。区切ることで、患者さんに余裕が生まれます。すべてを一度に決める必要はないし、気が変わることもありますからね。
「治す」より「守る」へ。口腔環境の未来を見据えて
診療の方針や考え方について教えてください。

【大飛副院長】僕たちがめざしているのは、「治療しないで済む状態」を保つことです。もちろん痛みや不具合には迅速に対応しますが、もっとも大切にしているのは日常的なケアとメンテナンスです。来院のたびに削ったり詰めたりするのではなく、「変化がないこと」に価値を見出してもらえたらうれしいです。そう考えると、診療は「ゴール」ではなく「継続的な点検」に近いもの。患者さんが自分の口の中に関心を持ち、ちょっとした違和感に気づけるようになることが、僕たちの役目でもあると思っています。私たちが先回りして治療するのではなく、患者さんと一緒に「守る」スタンスで関わることを大事にしています。
お子さんの受診についてはどうお考えですか?
【邦嗣院長】最近の子どもは、本当に虫歯が少なくなってきたと感じます。それはやはり保護者の意識が高くなり、仕上げ磨きや食習慣への配慮が浸透してきたからだと思います。一方で、口の中の状態から、子どもが置かれている家庭環境が垣間見えることもあります。だからこそ、子どもの受診は単なる虫歯治療の場にとどまらず、子どもの健康と家庭の両面にそっと目を向けられる大切な機会でもあります。僕たちができることは限られていますが、そうした視点も忘れずに診療を行っています。
歯列矯正などの相談にも対応していますか?

【邦嗣院長】歯列矯正については、基本的には希望があれば専門の歯科医院をご紹介しています。矯正は2年程度の長い期間が必要になりますが、「ちゃんと進んでいるかな」「トラブルが起きていないかな」と毎日気になるんですよね。それが自分の性格的に少し負担になってしまうのも正直なところです。また、歯列矯正は患者さんとの綿密なコミュニケーションと、高度な調整技術が必要です。当院ではまず状況を判断し、信頼できる矯正専門の歯科医院へスムーズにつなぐ体制を整えています。「どこに相談すればいいかわからない」と悩んでいる方の最初の窓口として、気軽に頼ってもらえたらうれしいです。
親子2代で地域歯科医療を守り育てる
お二人が歯科医師をめざしたきっかけを教えてください。

【邦嗣院長】もともとは工学部出身で数学の教員免許も持っていたんですよ。ただ、地元の愛媛県に帰って働きたいという気持ちがずっと心のどこかにあって、いろいろと進路を模索する中で、最終的に歯科医師の道を選びました。歯科医師なら、地元で長く腰を据えて働きながら、人の役に立てる。それが自分の人生にも合っていると感じたんです。時間の流れもゆったりしていて、心が落ち着きます。若い頃に都会で感じた時間の速さとはまた違う、この地域特有の穏やかさが好きですね。
【大飛副院長】僕は小さい頃から歯科医療に親しんでいて、父の仕事を間近で見て育ちました。その影響はやはり大きかったと思います。将来を考えたとき、「やっぱり歯科医師がいいな」と自然に思えるようになりました。東京で経験を重ねてきましたが、将来的には戻ってくるつもりで動いていました。今この場所で働いてみて、やっぱり「戻ってきて良かった」と実感しています。
副院長が加わり、変化はありましたか?
【邦嗣院長】正直、助けられることがたくさんありますね。診療のスピード感や説明のわかりやすさ、新しい機器の扱いにも長けていて、私とはまた違う視点を持っている。「自分の方法だけが正解じゃない」と思わせてくれる存在でもあり、非常に頼もしく感じています。これまで支えてくれた地域の方々に、次の世代の力もしっかり届けられるのはうれしいですね。
【大飛副院長】僕もまだまだ学ぶことばかりです。診療の進め方だけでなく、地域の患者さんとの関わり方、ちょっとした会話や対応のタイミングなど、父から学ぶことは尽きません。地域で信頼され続けてきた姿勢を肌で感じながら、自分なりのスタイルも少しずつ重ねていけたらと思っています。互いに強みを生かし合いながら、チームとして良い診療ができるよう、柔軟に取り組んでいきたいです。
今後めざしたいことはありますか?

【大飛副院長】限られた条件の中でも丁寧な対応を心がけることで、しっかりと満足を得られる診療ができると思っています。患者さんの生活背景や希望に合わせた柔軟な治療提案をしていくことで、信頼される存在になりたいですね。
【邦嗣院長】これまでの経験を生かしながら、少しずつ若い世代にバトンを渡していけたらと考えています。患者さんが「先生が変わっても安心」と思ってくださることが、何よりの信頼の証。急激な変化ではなく、自然な継承として移行していくのが理想です。歯科医院としても「長く通える場所」であり続けることを大事にしたいですし、私自身も地域の一員として、医療を超えた部分でも関わり続けていけたらうれしいですね。
自由診療費用の目安
自由診療とはホワイトニング/1万9800円~

