辻田 誠司 院長の独自取材記事
辻田歯科医院
(松山市/道後温泉駅)
最終更新日:2021/10/12

松山市道後に近い石手エリアにある「辻田歯科医院」は開業21年。地域住民のさまざまな歯の悩みに応えられるよう、幅広い診療に対応している。待合室から見える庭は辻田誠司院長の手によるもので、美しい植物が癒やしの香りを運んでくれる。院内はテーマパーク好きという院長が集めた人形や遊び道具がいっぱいで、明るくにぎやかな雰囲気だ。クチコミで訪れる患者が多く、その後もかかりつけ医として通い続ける人も多いという。「診療もテーマパークのように常に進化し続けることが大事。新しい知識や技術の習得が欠かせない」という辻田院長。優しい笑顔と穏やかな語り口の中にも、多くの患者に支持されてきた自信が感じられた。
(取材日2020年8月5日)
診療も設備・環境も、常に進化し続けることを大切に
開業されて20年以上たちますが、とても幅広い歯科診療に対応されているのですね。

一般歯科から小児歯科、審美歯科、インプラント治療、歯科口腔外科、顎関節症、口臭相談など幅広く対応しています。矯正も簡単なものは診療可能で、高齢者歯科や障害者歯科にも対応しています。私は松山の出身で、徳島大学歯学部で学び、小児歯科を専門としました。卒業後は母校の付属病院のほか、京都、新居浜の2つの歯科医院に勤務して一般歯科と小児歯科の経験を積んだ後、松山に戻り開業しました。
待合室から見える庭がすてきですね。おとなしくて人懐こい犬も飼っていらっしゃるとか。
ガーデニングが好きで、手入れは私がしています。金魚が泳ぐ箱庭も自分で作りました。石は石手川から取ってきたもので、岩堰の岩です。愛犬は10歳くらいのとても穏やかな犬で、会うのを楽しみにしている患者さんも多いんですよ。待合室ではほかにも、本棚の上の人形を季節ごとに変えたり、子どもたちの遊び道具を更新したり、からくり時計やフットマッサージャーを置いたり。患者さんに楽しんでもらえるような工夫をしています。
待つことが苦痛にならないようこだわっていらっしゃるんですね。

待合室でもそうですが、治療自体もお待たせしないように予約の取り方も工夫をしています。例えば、いっぱいいっぱい予約を受けるのではなく、可能な限り時間に余裕を持たせるようにしていて、お待たせすることが少ないように努力しています。どうしても無理な場合もありますが、そうすることで急患の対応もでき、「患者さんは痛みがあるのに次の日でないと診れない」という事態が起こらないようにしていますね。
診療についても、大きなこだわりがあるとお聞きしました。
診療では、口の中だけでなく全身を診ることを大切にしています。患者さんの主訴には、口の中以外に原因があることがあります。例えば奥歯が痛いと来院した学生さんは、あちこちで診てもらったが治らないという。パノラマ写真で調べても悪いところは見当たらず、結局のところ姿勢が原因でした。当院では、必要に応じて姿勢の指導、食生活の指導も行っており、時には東洋医学の考え方なども踏まえてアドバイスをしています。セミナーにはよく参加し、常に新しい知識を取り入れることを心がけています。診療においても常に進化し続けないといけないと考えています。
できるだけ歯を長く持たせる治療とケアを追求
クチコミで訪れる患者さんが多いそうですね。

他院で「歯を抜くしかない」と言われた方が駆け込んでくることも、しばしばあります。そのような時には、本当に抜くべきなのか、最悪の場合どういった処置をするのかなどを丁寧に説明した上で、納得してもらってから治療に移るようにしています。細かく丁寧に処置をして、できるだけ歯を残すように努力します。治療後も当院に通ってくださったり、ご紹介をしてくださる方も多いです。
先生が得意な治療について教えてください。
オールラウンドに対応できるようにしていますが、セラミックを使った補綴治療が挙げられます。CAD/CAM冠作製システムを導入してから、以前より長持ちしやすく見た目を重視したセラミック治療ができるようになりました。また、それまでのオールセラミックは高額で患者さんの負担も大きく、勧めるのも気が引けましたが、導入後は費用を抑えて提供できるようにもなりました。通院も短期間で済みます。また、入れ歯の作製をする患者さんも多くいらっしゃって、メンテナンスにも通ってくださっています。当院では作製と同時に3ヵ月に1回の頻度で行う入れ歯の抗菌処置もお勧めしています。ケアが大変で使わなくなってしまっては本末転倒ですからね。
歯周病治療にも力を入れているとお聞きしました。

歯周病治療では昔から歯磨き指導と歯石除去が一般的でしたが、なかなか治りにくく、結局は患者さんの歯磨きの仕方が悪いということになって患者さんも諦めてしまいがちでした。当院では口の中の状態を位相差顕微鏡を使ってチェックし、薬で治療していく歯周内科治療を行っています。抗カビ剤を使った歯磨きと抗菌剤の飲み薬を用い、1週後くらいに再びチェックして歯周病菌が落ち着いたことを確認できれば歯石除去を行っていきます。患者さんには、顕微鏡で見えている菌をモニターで見てもらいながら説明するのですが、そうすることで患者さんの意識も違ってきます。この治療法を行っているところは少ないと思うので、歯周病にお困りの方、特に口臭の気になる方や、歯磨きをして血が出る方は、ぜひご相談ください。
患者さんと接する時、大切にしていることは何ですか?
どんな方にも、小さいお子さんに話しかけるように優しくゆっくりと言葉をかけるようにしています。治療も道具に慣れてもらうところから始め、無理をせず一つ一つゆっくり対応していくようにしていますね。小児歯科での勤務経験がベースになっているように思います。また、麻酔をする時も、細く短い注射針を使い、麻酔液を体温に近い温度にして、ゆっくり注射することで痛みを抑えるようにしています。患者さんにストレスを与えないよう、言葉でのコミュニケーションと痛くない処置を心がけています。
今後も地域の人の幅広い悩みに応えていきたい
先生が、やりがいを感じるのはどんな時ですか?

歯茎に疾患があり、口腔内全体の状態が著しく悪い患者さんのお口の中を、いかにきれいに仕上げるかという難題の解決につながった時ですね。患者さんが、「ありがとう」「先生の笑顔を見ると安心する」と言ってくださるのも、ありがたいことです。畑でとれた野菜をおすそ分けしてくださることもあり、そんなアットホームな関係性もうれしいです。「一生通いたい」と言ってくださる方も多いので、これからも頑張って診療を続けていきたいです。
予防歯科についても教えてください。
歯を長く持たせること、できるだけ歯を残すことは、当院の診療方針でもあります。当院に長く通われる患者さんも多くいらっしゃり、そうやって当院の方針を支持していただけることは大きな自信になっていますね。昔に比べ歯に対する意識が高くなり、大きな虫歯の子も少ないですし、大人の口腔内状態も悪くない。多くの場合は定期的にメンテナンスもしっかりしてくだされば、口の中の状態を良好に保つことができるはずです。歯茎をマッサージする、とてもやわらかい歯ブラシでのブラッシング方法など、歯を長く保たせるためのアドバイスをきめ細かく行っています。
オフの時間はどのように過ごされていますか?

古事記を読むなど、日本の歴史の勉強をしています。義父がとても物知りで、追いつきたいなと思ったのがきっかけですね。仕事に関する本もよく読みます。読書は昔から好きで、調べものや研究好き。将来は研究者になりたいと思ったくらいです。毎日の犬の散歩も、大切なリフレッシュの時間です。
最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。
これからもさまざまなお困り事に応えられるよう、オールラウンドに対応し、地域の方々の健康を守っていきたいですね。歯を長持ちさせたいという方は、ぜひ相談にいらしてください。口の中だけでなく全身を診ることを大切に、姿勢や食生活なども含め、一人ひとりに合わせたアドバイスをいたします。
自由診療費用の目安
自由診療とはオールセラミッククラウン/1本3万6000円~、インプラント/20万円~、ノンクラスプデンチャー/8万5000円、床矯正/7万円~、入れ歯抗菌処理/1回2200円、スポーツマウスガード/5000円~、睡眠時無呼吸症候群用マウスピース/保険外6万円~(紹介状がある場合保険適用となります)