大牟禮 治人 院長の独自取材記事
大牟禮矯正歯科クリニック
(松山市/松山市駅)
最終更新日:2021/10/12

たっぷりと光が入り込む院内に、爽やかなオレンジが映える「大牟禮(おおむれ)矯正歯科クリニック」。松山市駅から徒歩5分で駐車場も完備し、毎週土曜日と月2回の日曜日も診療。前院長から同院を継承した大牟禮治人(おおむれ・はるひと)院長は、2016年から同院で勤務し2017年4月に院長就任、そして2019年5月から現院名を掲げての診療を開始した。「仕事が趣味」と話す院長は、休診日も治療計画の立案や資料整理などであっという間に1日が過ぎていくそう。「不安を抱える患者さんの気持ちに寄り添うアットホームなクリニックでありたい」と穏やかに話す院長に、矯正にかける思いを聞いた。
(取材日2019年7月11日)
何でも質問できるフラットな関係づくり
院長になられたご経緯を教えてください。

先代院長が私の先輩にあたる鹿児島大学大学院歯科矯正学分野のご出身で、地元松山で開業されていたところ、ご勇退されるということでお声がけいただきました。今まで通われていた患者さんが戸惑われることのないよう、少しずつ体制を変えていきました。具体的には3年前から勤務を始め、翌年院長に、そして今年5月に院名変更という流れです。矯正専門のクリニックですが、通常の矯正治療以外にも口唇口蓋裂などの先天異常を持つ患者さんなどの治療も行っています。一般的にこうした治療は大学病院などで行うことが多いのですが、愛媛県では当院のような開業医が治療の一部を担っています。
矯正専門の歯科医師になられたのはなぜですか?
もともと手に職をつけようと考えており、手先も器用だったので最終的に歯科医師を選びました。大学卒業のタイミングで改めて進路を決める時に感じたのが、急速な進歩を続ける医療の世界において、どのような先進技術であってもきちんとそれらを自分で判断できるよう、より専門的な勉強をしたいということでした。矯正歯科は、数ある医療が該当する「悪くなった状態を良くする」という治療とは違った、「元の状態をますます良くしていく」治療だという点に魅力を感じました。そうして卒業後は大学院に進み、その後も大学に残って矯正の専門的な勉強や研究を行っていました。
診療で大切にされていることを教えてください。

「安心・安全な治療」と「何でも聞きやすい雰囲気づくり」です。矯正歯科治療の技術は日進月歩で進化していますから、新しい治療技術の習得や情報収集は積極的に行っています。一方で、最新技術の中には安全性や治療効果がまだ十分に検証されていないものもありますから、患者さんに安心して治療を受けていただくためには技術、知識の研鑽は欠かせません。また、患者さんとの間に壁をつくらず、患者さんが聞きたいことは何でも質問していただけるよう良い意味でフラットな関係でいられたらと思い、雰囲気づくりのためにも、こちらも包み隠さず丁寧にご説明することを心がけています。
カウンセリングに時間をかけ、情報という安心を提供
成長期との関係を教えてください。

口には食べること、話すこと、表情をつくることという大きな3つの役割があります。成長期の生育環境や口や顔の周りの使い方に問題があると、歯並びや噛み合わせの問題が生じてしまいます。例えば現代人は加工食品を食べるようになったことで、大昔と比べると噛む回数が6分の1~7分の1に減ったともいわれ、口の周りの筋肉をほとんど使わなくなっています。また最近は子どもの食事は食べやすく作らなければいけない風潮もあるため、細かく切り、しっかり火を通してやわらかくしていることが多いかと思いますが、私は矯正専門の歯科医師として親御さんには「ご飯は食べにくく作ってくださいね」とお願いしています。さらに当院ではお口の機能を正常な状態に近づけるためのトレーニングにも力を入れています。お口の機能異常などによって成長期にずれが大きくなっているようであれば、早い段階で矯正治療を検討されるとよいかと思います。
治療を受けるべき時期はありますか?
歯並びや噛み合わせが心配でしたら、お子さんの場合は1つの目安として6~7歳までに相談されるといいと思います。その時点で問題点を把握しておけば手遅れになることは少なくなります。とはいえ、患者さんによって矯正を始める適切な時期がありますから、当院では年齢に関係なく、初めて受診された際に時間をかけてカウンセリングを行っています。顔つきや骨格の歪みなどを把握したり、口の中の状態を確認したりして、今後どのように進行していきそうか、治療するならどういう流れになるかをお話しします。そうして患者さん本人や親御さんにご納得いただいてから、より詳しく検査して治療を開始させています。
その他にカウンセリングではどのようなお話をされますか?

費用と治療期間の目安ですね。当院の治療費は一律となっていますので、治療期間が長くなってしまう場合や複数の装置を使って治療する場合でも、追加の費用は発生しません。矯正治療はほとんどの患者さんにとって初めてのことですので、費用面も含めて不安に感じられる方が多いと思います。最初に金額が明示されていて、「これ以上費用はいただきません。治療に必要な装置代や調節料はすべて含まれています」ということであれば安心ですよね。また治療中の患者さんの中には、さまざまな理由で治療の途中で治療方針の見直しが必要になる方もいらっしゃいますが、その際も追加の費用負担はありません。
きちんと専門的な矯正治療を受けてもらえるように
成人からの相談も多いそうですね?

はい。20~30代の方が比較的多いと思いますが、50代の患者さんもいらっしゃいます。「歯並びのでこぼこをきれいにしたい」「出っ歯を治したい」「口元が出ていて口が閉じにくい」など、多様なご相談をいただきます。治療のご説明の際にはできるだけ疑問や不安を解消し、具体的なイメージを持っていただけるよう「わからなかったことはございませんか?」とお声かけしています。特に成人の方は、「矯正したい」と思ってから実際に受診するまでに長期間悩まれている方が多いように感じます。ですからまずは相談に来られてみて、現在のお口の状態や費用などの「正しい情報を得る」ことが大切だと思います。治療へのご懸念やハードルについても伺い、それらをクリアするためのご提案をさせていただいております。
大人の矯正の方が治療期間が長いのはなぜですか?
まず歯並びの変形が大きいほど「動かす量」が大きくなるため期間は長くなり、また年齢が上がると「歯が動くスピード」は遅くなります。大人は子どもに比べて、顔面骨格の変形が大きいため、動かす量は大きくなりますが、一方で動くスピードが遅いので時間がかかります。より詳細にお話しすると「矯正で歯を動かす」というのは矯正装置で歯に力を加え、歯を支えている骨の形を変えることで、結果的に“歯が動いているように見える”ということです。この「骨の形を変える」というのは、骨の周りの細胞の動きによるものです。ですから加齢とともに細胞の新陳代謝が落ちていくと、骨の形が変わるペースが遅くなり、同じ量を動かすにも大人のほうがより時間が必要になるというわけです。
先生がやりがいに感じられるのはどんな時ですか?

2~3年かけて患者さんと一緒に進めていく治療ですから、治療が終わった時の患者さんの笑顔が何よりうれしいですね。コンプレックスを解消するために矯正を始められた女性がいらっしゃったのですが、治療の経過の中でも少しずつ成果を感じられていて、どんどん雰囲気が明るくなっていくのがみられ、私もうれしかったです。皆さんそれぞれに矯正治療を始めようと思うまでのストーリーがあると思います。私はそこには踏み込まずに、その方の背景や気持ちに思いを馳せながら、一緒にゴールに向かって寄り添うような気持ちで向き合っています。
最後に読者へのメッセージと展望をお聞かせください。
「8020運動」をご存じでしょうか? 80歳時点で20本の歯が残っており、自分の歯で食事できることを目標にした健康増進運動です。この状態をつくるためには、歯磨きや歯石除去などのお手入れだけでなく、歯並びや噛み合わせもたいへん重要です。歯は道具ですので、80年以上使い続けるなら、歯並びを良くしてきれいに噛み合わせ、歯の負担を減らすことが大切です。当院では矯正に関して常に新しい情報を取り入れて治療していますので、地元愛媛できちんと専門的な矯正治療を受けていただけると自負しています。気になることは何でもご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とは子どもの矯正歯科治療/第一期で終了すれば38万5000円、第二期までかかったとき92万4000円
大人の矯正歯科治療/86万9000円
※装置料・調節料・観察料すべて含めた金額
※表示価格はすべて税込
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。