谷本 良司 院長、谷本 雄輝 副院長の独自取材記事
谷本歯科医院
(吉野川市/阿波山川駅)
最終更新日:2024/04/23
よしの川ブルーライン・阿波山川駅から徒歩3分の「谷本歯科医院」は、1927年の開業から今日まで、100年近くにわたって地域医療に貢献してきた歯科医院。「祖母から父、そして私へと代々引き継いできました。開業当時は、女性の歯科医師がまだ非常に珍しい時代でしたね」と話す3代目の谷本良司院長。2023年からは東京で歯科医師として研鑽を積んできた息子の谷本雄輝先生が副院長に就任し、二診制で診療を行っている。2人の専門である口腔外科の他、一般歯科にも幅広く対応。中でも力を入れているのが、インプラント治療と予防歯科だ。親しみやすい人柄の良司院長、歯科医療に誠実に向き合う雄輝副院長に、同院の歴史や診療方針、今後の展望などについて話を聞いた。
(取材日2023年12月8日)
代々守り続けてきた「きちんと治療する」診療方針
歴史のある歯科医院と伺っています。先生方のご経歴も合わせて教えてください。
【良司院長】明治生まれの私の祖母が昭和になってすぐの1927年に開業し、代々引き継いできました。私が3代目で、4代目の息子へ代替わりし、もうすぐ100年になろうかという歴史があります。私自身は北海道医療大学を卒業し、その後3年間千葉大学歯科口腔外科に在籍。地域の中核病院に勤めた後、1989年に当院に着任しました。
【雄輝副院長】東京歯科大学歯学部を卒業後、東京歯科大学水道橋病院に4年間勤務しました。大学病院では、口腔外科の専門性や特殊性だけでなく、日常の歯科診療にも対応する口腔病態外科で診療に携わり、一般歯科の歯科医院でも研鑽を積んで、2023年の7月から当院で診療を始めています。
長く通っていらっしゃる患者さんも多いのでは?
【良司院長】家族代々通ってくださっている患者さんが多いですね。基本メンテナンスをしながら長く診ていきますから、診療の中心は予防といえるかもしれないですね。
【雄輝副院長】僕は患者さんから「先生は4代目ですよね。うちは初代の頃から通っているんですよ」と言われたことがあります。中には4代続けて通ってくださっている患者さんもいらっしゃいますね。
こちらの診療方針を教えてください。
【良司院長】患者さんに対しては誠意ある対応をすることです。きちんと説明をして、お互いの信頼関係を深めた上で治療を進めることを大切にしています。説明の部分では、タブレット端末を使ってエックス線検査の画像情報を見える化するなどの工夫をしていますね。そして、先代から引き継いできた「きちんと治療する」という方針を守っています。保険診療にしっかり取り組むことで自由診療へもつながっていくと思いますし、保険診療、自由診療どちらにおいても当たり前のことを当たり前にしているということですね。
【雄輝副院長】患者さんの満足いく結果につなげることを意識しています。丁寧な説明、丁寧な治療をすることで患者さんに安心感を与えられる治療を提供できればと考えています。
質の高いインプラント治療を親子で追究
得意とされている治療を教えてください。
【雄輝副院長】外科治療は専門性が高い領域なので、大学病院に残って数多くの症例に携わり経験を積んだことは当院の強みになっているのかなと思います。またインプラントに関してのセミナーにも参加しており、そこで得た知識を取り入れつつ、質の高いインプラント治療を提供していきたいと思っています。インプラント治療だけでなく、他の治療に関しても最先端の技術、治療を提供できるよう日々勉強が必要と考えています。
【良司院長】当院は、近隣の歯科医院の中でもインプラント治療の患者さんが多いですね。特に広告は出してはいませんが、遠方からも患者さんが来られます。中には、患者さんの知人や近所の方の紹介で来られることもあるようで、どんどん増えている状況です。セラミック治療や審美歯科にも対応していますが、今はインプラントが診療の柱になっています。
当院では、CTやレーザーなど先進的な機器も導入されていますね。
【良司院長】先進機器の充実は心がけていますね。当院では以前からインプラント治療に取り組んでいたこともあって、徳島市内の西の地域でも早くから歯科用CTを導入しています。また、当院では半導体レーザーを導入して、歯周病や口内炎などの消炎治療、傷口の消毒や外科手術などでも積極的に活用しています。近年は、歯肉や歯茎が少し黒くなっているというご相談も増えています。さまざまなお悩みに対応していけるよう、これからも先進機器を導入していきたいと思います。
訪問診療もされているのですか?
【雄輝副院長】今はマンパワー不足もあって、往診のようなかたちで、何かあったときに患者さんのご自宅に行って応急処置的なチェックに対応していますが、今後は定期的な訪問診療にも力を入れていきたいと考えています。超高齢化が進む地域のためにも訪問診療は重要ですね。
患者さんと接する際に心がけていること、大事にされていることは何でしょう?
【雄輝副院長】患者さんに優しく接することを心がけています。治療のためには、言葉を濁さずはっきり言わなくてはいけないこともあると思いますが、基本的に優しい対応に努めています。
【良司院長】私も父から当院を引き継いだ頃は、患者さんから「対応が優しい」と言われましたが、慣れてくるとだんだん対応が変わってきましたね(笑)。でもそれは、患者さんとの間に信頼関係ができてきたからだと思います。世間話もしますし、いろんなお悩みを聞いたり相談をされたり、時には涙するようなお話を聞くこともあります。30年も続けていると、小さい頃から通ってくれている子が社会人になっていますから、そういう成長を見ることもうれしいですね。
歯と口腔機能を軸にさまざまな悩みにトータルで対応
歯科医師を志したのは、やはり代々続く歯科医院の家系にお生まれになったからですか?
【良司院長】しょうがないよな、という気持ちでした(笑)。ただ、手先が器用だったので、大学では周囲の学生を助けることもありました。学ぶことが面白かったので、歯科医師に向いていたのかもしれませんね。「歯科医師にならなければ」というプレッシャーは、私にも息子にもあったと思います。彼が産まれた時には「後継ぎができたね」と周囲の人から言われたくらいです。敷かれたレールだったかもしれませんが、適性がなかったら苦しい話になります。自分的には適性があったのだと思います。
【雄輝副院長】僕も父のようになるのだろうなと思いながら育ちました。大学進学の時も歯学部以外はまったく考えていませんでしたし、どこの歯学部にするかという視点で進学先を探していましたね。実際、歯科医師になってみると、難しい治療が終わった時の達成感など、喜びもありました。僕も小さい頃から手先は器用だったので適性があって良かったと思っています。
お二人のご趣味についてもお聞かせください。
【良司院長】アクアリウムが好きで、8年前に歯科医院を改装した時に、90センチの水槽を設置しました。僕は水草が好きなのですが、患者さんはお魚がいるほうが喜ばれるので、少しだけ魚もいます。それから車が好きで、歯科医師になっていなかったら、バスの運転手になっていたと思います。大型二種免許も取り、中古のバスを購入して昨日もそれに乗っていました(笑)。
【雄輝副院長】僕は大学時代に自動車部に所属していました。スポーツカーでサーキットを走るのが好きで、鈴鹿サーキットや筑波サーキットに自分の車を持っていき、タイムアタックやレースを楽しんでいます。
最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。
【良司院長】口腔機能は、歯だけでなく口の周りの筋肉や関節なども関係しますし、歯周病を放置しておくと糖尿病や血管障害にもつながります。歯だけでなく、いろいろな悩みにトータルで対応しますので、まずは気軽に相談してください。
【雄輝副院長】インプラントは父のやり方を継承しつつ、新しい技術や材料はアップデートしていきたいと思います。また、歯が悪くなる前に来院していただければ治療回数やトータル的な費用も抑えることも期待できますから、地域の皆さんのデンタルIQを高め、予防に対する意識を変えていけたらいいですね。予防歯科の患者さんが増えてきたら、現在2人いる歯科衛生士の数を増やして、訪問診療にも力を入れていきたいと思います。歯がなくなってから噛めなくなった、気づいたら歯周病が進んで抜歯になってしまったという事態にならないよう、歯を大事にしていただきたいと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療(上部構造込) /34万6500円~、ノンクラスプデンチャー/12万1000円、ジルコニアインレー /4万6200円、ホワイトニング/1万3200円