赤松 秀規 院長の独自取材記事
赤松歯科医院
(高松市/高松駅)
最終更新日:2022/12/05

高松市内でも、教育機関と住宅街が融合する閑静なエリアに位置する「赤松歯科医院」。落ち着いた洋館風の建物は、「歯科医院らしくない」ことを意識してデザインされたものだ。赤松秀規(あかまつ・ひでき)院長は現在の歯科医院がある場所で育ち、東京の歯科医院で経験を積んだ後、根管治療の勉強のためアメリカへ留学した経験も持つ。「すべては患者さんのため」を診療ポリシーとし、理想とする歯科治療を20年余り実践し続けている。また高松市歯科医師会では副会長を務め、歯科医師間の連携を強化しようと、自らが主体となった勉強会を20年以上開催。同院での診療と並行しながら、地域の歯科医療レベル向上にも貢献する赤松院長に、歯科医療、地域医療への想いを語ってもらった。
(取材日2022年10月26日)
10年、20年先を見据えた全顎的な治療を
開業までの経緯と、歯科医師をめざしたきっかけをお聞かせください。

生まれは徳島なんですが、すぐに高松市内へ引っ越しまして、この場所で高校生まで過ごしました。大学は神奈川歯科大学へ進学し、卒業後は東京の矯正を専門とする歯科医院で6年間勤務しました。高松へと帰郷して開業したのは、1999年のことです。歯科医師をめざしたきっかけは、親戚の影響でしょうか。親戚に歯科医師や医師がいましたので、子どもの頃から医療人に憧れがありました。私の父は弁護士だったので、弁護士の道に進むことも検討したんですが、医療人の方が性に合っていると考えて、高校生の時に歯科医師を志しました。当院が現在ある場所は、以前は私の実家で法律事務所だったんです。
アメリカへの留学経験もあるそうですね。
開業して5年後になりますが、歯の根管治療の勉強のためにアメリカ留学を経験しました。アメリカは医科・歯科どちらも先進の情報が世界中から集まっていますので、とても勉強になりましたね。私自身は34歳で留学したんですが、周りは10歳ほど年下の若い方も多く、また中国、韓国、インドなどいろいろな国の歯科医師が学びに来ていたので、そうした環境での勉強の日々にはとても刺激をもらいました。アメリカでの留学生活は、年代や国を超えてさまざまな考え方にふれるとともに、歯科医師としても人間としても大きな影響をもたらしてくれた、貴重な日々だったと思います。
こちらでは、どのような治療に注力されているのですか?
当院では歯や歯茎の痛みを取り除くだけでなく、患者さんの将来の健康まで見据えた全顎的な治療をめざしています。根管治療や歯周病治療、インプラント治療など専門性の高い治療を通じて一本一本を治すのではなく、口腔内全体を総合的に診てアプローチしています。また総合病院など、他院の先生との連携にも力を入れています。私が地元高松に帰って開業した理由は、他院との連携強化を図りやすい環境であること、そして他院との連携によって、地域の歯科医療レベル向上に貢献できると考えたからです。具体的には口腔外科、矯正、インプラント治療など、それぞれの専門の歯科医師が医療機関の垣根を越えて連携を取り、1人の患者さんの治療にあたっていくという形です。多くの人が関わることで、治療期間が2~3年かかるケースもありますが、そうすることで1人の歯科医師では不可能な症例にも対応できるようにしています。
他院との連携はどのように取られているのですか?

私を含め、3人の先生で「香川県臨床アカデミー」というスタディーグループを立ち上げ、20年以上前から定期的に勉強会を行っています。矯正や口腔外科など、各分野の専門の先生や歯科衛生士、歯科技工士も参加し、毎回30人ほどの人数が集まります。この勉強会では研究内容の発表だけではなく、症例報告をしたり、症例を全員でディスカッションしたりと、それぞれの専門性を生かしながらより良い歯科治療ができるようめざしています。
より良い治療をより良い環境で。すべては患者のために
医院の雰囲気や、院内の医療機器でこだわったところはありますか。

そうですね。当院の建物は、20年以上前の開業時にデザインをしてもらったのですが、極力「歯科医院らしさ」をなくすような外観にして、患者さんが入りやすい雰囲気を大切にしました。当時は「歯科医院は怖いところ」というイメージが強かったので、院内の匂いにも気を配りました。診療台は1台ずつ独立させ、プライバシーに配慮しながら落ち着いて過ごしていただける空間にしています。医療機器は「自分が患者として使われるのであれば」という視点で選定し、ほとんどがドイツ製のものを使用しています。日本製のものが悪いわけではないんですが、私自身が使い慣れているという点と、例えれば自動車と同じような感覚かと思います。国産車とドイツ車、どちらを選ぶかは人それぞれですよね。医療機器は自動車と同じように、導入や維持でコストがかかりますが、より良い治療を、より良い環境で提供していきたいと思っています。
診療のポリシーをお聞かせください。
「すべては患者さんのために」というポリシーのもと、日々の診療にあたっています。「患者さんのために、何ができるのか」「患者さんが、どうしたいのか」を大切に、今できるベストな方法をめざして治療をしていきたいと考えています。そのためには、やはり科学的な根拠も必要です。当院では、初診のカウンセリングに1時間ほど時間を取らせていただきます。まずはしっかりとデータを取り、そのデータをもとに一つ一つ患者さんにご説明します。そして、患者さんの意向をもとに最終的な診療方針を決定し、治療を進めていきます。私一人で対応できない症例については、他の専門分野の先生方と連携をし、治療を進めていくという形を取っています。
印象に残っている患者さんはいらっしゃいますか。

高松に帰ってきて20年以上になりますが、当院に通ってくださっている皆さん、全員が印象深い患者さんです。当院は問題のあるところをきちんと治すことに努め、何か大きな問題が起きない限りは、その状態をキープできるようにすることをめざしています。そのためには、メンテナンスを目的に来院していただくことも大切ですが、当院の患者さんはその重要性を理解していただいている方がとても多いと思います。開業するときから、私はこのような歯科医院をめざしていました。20年たった今、ようやくそれがかなってきているという実感を覚えているところです。
地域の歯科医療にも貢献したい
歯科医師会など、院外でも活躍されていますね。

歯科医師会の活動については、私が開業してからですので、もう23年続けていることになります。2年前からは、高松市歯科医師会の副会長も務めさせていただいています。当院は個人のための歯科医院ですが、歯科医師会は地域医療のための存在ですので、活動する際は公な考え方が必要です。地域のスタッフや歯科医師も含めて勉強会の内容を考えるなど、広報的な役割も担っています。
今後の展望などはございますか。
当院は診療台が3台しかありませんし、限られたスタッフしかおりません。ですので、その中で可能な限りの1日を過ごしていくだけです。診察時間はお一人につき、最低1時間を確保していますが、場合によっては3時間かかる方もいらっしゃいますので、1日に数人しか診られない日もあります。それでも分院を造ったり、歯科医師を増やしたりすることはせず、私の診られる範囲内で全責任を持ち、最初から最後までしっかりとお一人お一人に対応したいという想いがあります。だからこそ、患者さんのさまざまなニーズにお応えできるのだと思います。二十数年、そういう治療をずっと続けてきましたので、これからもスタッフとともに、皆さんの期待にお応えしたいと考えています。
読者へのメッセージをお願いします。

歯周病が関連すると考えられる全身疾患として、心筋梗塞、脳梗塞、さらには糖尿病などさまざまにあることが報告されていますので、患者さんの歯の健康に対する意識も高まってきていると思います。お口全体に言えることですが、やはり重要なのは日々の予防です。大きな問題が起きる前に、歯科医院で定期的にチェックを受けることをお勧めします。当院の診療ポリシーは「すべては患者さんのため」。患者さんが望む治療をできるだけ忠実に再現し、健康的な口腔環境を取り戻すことをモットーとしております。審美的にも機能的にも再建できるような治療をめざし、今後も考えられるベストを尽くして、診療を続けたいと思っています。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/1本50万円~