中野 浩輔 院長の独自取材記事
岡山なかの歯科・矯正歯科クリニック
(岡山市北区/備前三門駅)
最終更新日:2025/01/15

1992年に開院した「岡山なかの歯科・矯正歯科クリニック」。職員総勢52人の大所帯を率いる中野浩輔院長は、自身の過酷な治療経験から、患者の想いに寄り添ったより良いクリニックをつくるべく尽力してきた。大学卒業後に岡山大学病院の補綴科で学び、厳しい指導のもと研鑽を積んだ中野院長。大学時代はサッカー部を立ち上げ、今も同窓生との交流を続けているというエピソードからは、活動的で人と人とのつながりを大切にしていることがうかがえる。生涯にわたる口腔ケアが全身の健康につながるとし、リラックスして通院ができる院内環境づくりにも注力している。さまざまな経験を有しながらも知識のアップデートを欠かさない院長。スタッフにもセミナーや勉強会に参加しやすい環境を整え、クリニック全体で知識と技術の底上げを図っている。
(取材日2023年5月25日)
口腔ケア専門の個室を設け、予防に注力
多くの歯科衛生士が在籍していますが、どのような役割を担っているのですか?

当院では、常勤、非常勤、合わせて22人の歯科衛生士が活躍しています。歯科衛生士は、いわば「お口のクリーニング」のプロなんですね。当院では、定期的な口腔ケアを診療の中核とし、患者さん一人ひとりに担当の歯科衛生士がつくシステムなんです。皆さん、虫歯ができると歯科で治療しますが、口腔内というのは普段から温度も湿度も高くて細菌が増えやすい環境なんですね。ですから、せっかく治療してもケアしないでいると再発してしまう恐れがあるんです。最近は、糖尿病や心筋梗塞といった病気とお口の中のばい菌との関連性がわかってきているので、適切なケアをしないと全身にも悪い影響を及ぼしかねません。当院は、歯科衛生士による定期的な口腔ケアを行うことで、お口の中を良い状態に保ち、患者さんがいつまでも健康に過ごせるよう尽力しています。
診療ユニットだけでなく、個室も複数あるんですね。
はい。当院には、治療を行う診療ユニットが12台、そのほかにホワイトニングルーム、そして、口腔ケアだけを目的にした「スマイルクリエイトゾーン」と呼ばれる個室が3つあります。直訳すると「笑顔創造空間」ということで、診療室とは異なった、サロンのようにリラックスできる空間をめざして設計しました。重要なのは、生涯お口のケアを続けていただき、疾患を未然に防ぐことですから、歯科の怖い、痛いというイメージを払拭し、長く通っていただけるようなお部屋にしています。実際、当院にお越しになる患者さんの約半数は定期検診の方なんですよ。また、当院には個室のカウンセリングルームも2部屋あり、こちらではお口のことについて専門のスタッフとご相談いただけるようになっています。
カウンセリングは初診時に行われるのでしょうか?

初診に限らず、さまざまな場面で実施しています。最初は30分ほどかけてお話を伺って、当院のシステムについてご説明し、2度目は、患者さんの口腔内の現状をお伝えしながら、治療計画についてお話をしていきます。また、歯のかぶせ物にはいろいろな種類がありますから、そのご相談をする場合もあります。治療用のチェアに座っていてもお話はできますが、より落ち着いてお話しいただくために、スタッフと1対1で会話ができるカウンセリングルームを設けています。ご説明にあたっては小冊子を使用したり、解説動画を視聴していただいたりして、ご本人がしっかりと理解し、納得した上で治療に臨めるように配慮しています。
誰もが通いやすいクリニックをめざす
先進の医療機器を導入しているのはなぜですか?

医療は日進月歩ですから、常に知識や技術をアップデートしなければいけませんし、先進の機器を利用することで、患者さんにより負担の少ない治療を提供できるのであれば積極的に導入するべきだと考えています。例えば、以前なら歯の型を採った後に技工所で石膏を流し入れて作っていたものが、口腔内カメラで撮影したお口の画像を使用して3Dプリンターから簡単に模型を作ることができるようになりました。石膏は医療廃棄物ですから、SDGsの観点からも望ましい選択だと思います。当院では、ほかにも歯科用CTや、拡大鏡のマイクロスコープなども導入し、より精密な治療につなげています。
そもそもなぜ歯科医師になろうと思ったのですか?
私はサラリーマンの家庭に生まれたので、周りには医師も歯科医師もいなかったんですが、小さい頃から虫歯が多い子で、銀歯だらけの口にコンプレックスがあったんですね。また身内も、歯が悪くてずいぶん苦労したのを見ていますので、それが歯科医師をめざそうと思った原点です。ただ、通っていた歯科医院は待たされるし、あいさつもなくて怖い雰囲気だったんですよ。忙しくてなかなか麻酔もしてくれないし、麻酔自体もすごく痛い。毎年、歯科検診が嫌で仕方なかったんです。高校生の頃は医師になろうと思って勉強していたんですが、地元の岡山大学に歯学部が新設されるというニュースを聞いて、「これだ!」とピンと来たんですね。卒業後は、歯のかぶせ物などを作る補綴科で研鑽を積み、実家であるこの地に開業しました。歯科医師になる以上は、みんなが通いやすいクリニックをつくろうと決めていたんです。
幼少期の体験が、クリニックづくりに生かされているのですね。

当院にはモットーが3つあって、スタッフにも「これは大事にしようね」と言っています。それは、できるだけ「痛くしない、待たせない、よく説明する」ということなんですね。例えば、当院では必ず表面麻酔をしますが、手で打つ麻酔だとブレが起こって、どうしても痛みが出てしまうんです。それで痛みに配慮した電動注射器を使うことを徹底しました。それから、私自身が行列に並んで待つのがすごく苦手でして(笑)。忙しい患者さんも多いですから、できるだけお待たせしないように日頃から心がけています。よく説明することはもちろんですが、同時に「患者さんのお話をよく伺う」ということも大切にして、患者さんの不安や疑問の解消に努めています。
動画やSNSを積極的に活用し、広く情報を発信
県外からの患者さんもいらっしゃるそうですね。

新型コロナウイルス感染症流行を機に、動画共有サービスを利用して情報を発信するようになったんですが、それをご覧になったという方がお越しになることが増えました。中には、香川県や愛媛県、遠く神奈川県や熊本県からいらっしゃる方もおられます。特に、当院が行っている4本のインプラントで義歯を支える治療は、実施しているクリニックがまだ少ないため、SNS等を見て遠方から受診される方が多いですね。また、マスクを外す機会が増えてきたことで、矯正歯科を受診される方も増えました。特に、マウスピース型装置を使った矯正を希望する患者さんが非常に多い印象です。
スタッフのスキルアップについてはどのようにお考えですか?
私は、医療人である以上は常に勉強して、知識や技術をアップデートしていかないと患者さんに失礼だと思っているんです。日本はまだ諸外国に追いついていない部分がたくさんありますから、最低限半年に1度は個々のスタッフの経歴に合ったレベルのセミナーに参加してもらうようにしています。もちろん、そう言っている私がゴルフばかりしているようでは駄目ですから、みんなでレベルアップしてより良いクリニックにしていけるよう取り組んでいます。当院には、勤続20年を超える歯科衛生士をはじめ、優秀なスタッフが在籍していますので、それはとても心強く感じています。
最後に今後の展望と、読者へのメッセージをお願いします。

AIが治療計画を作成したり、さまざまな先進技術が入ってきたりと、歯科の世界も今後大きく変わるかもしれません。そのような中で、患者さんにメリットのあるものを取り入れ、安心してお任せいただける歯科治療を今後も提供し続けたいと思っています。歯をほとんど失ってしまった方、歯は残っているけれど重度の歯周病がある方、歯全体がグラグラしている方など、歯に関してお悩みがある方はぜひ一度ご相談いただければと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とはホワイトニング/2万2000円~、オールセラミッククラウン/5万5000円~、マウスピース型装置を使った矯正/44万円~、インプラント治療/40万円~、4本のインプラントで義歯を支える治療/250万円~