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二宮 威重 院長の独自取材記事

中川駅前歯科クリニック

(横浜市都筑区/中川駅)

最終更新日:2021/10/12

二宮威重院長 中川駅前歯科クリニック main

横浜市営地下鉄ブルーライン中川駅の1番出口を上がると、目前のビルの2階にある「中川駅前歯科クリニック」。2000年の開業以来、移転・改装を重ねて、クリニックの総面積は開業当時から3倍近くにまで拡大したという。二宮威重(たけし)先生は、いびきや睡眠時無呼吸症候群、舌痛症、ドライマウスなど、一般の虫歯治療以外の診療にも対応している。二宮院長は難しい症例に対しても、ニーズのある限り文献を探し論文を読み、勉強会に出席して知識と技術を磨くという。そうまでして患者を受け入れる理由とは? 力を入れている睡眠時無呼吸症候群の治療や整形外科枕、医科・歯科連携の話題を交えて話を聞いた。

(取材日2016年6月17日)

患者を救い、患者から学ぶ

どのような患者さんが来られますか?

二宮威重院長 中川駅前歯科クリニック1

ご近所にお住まいの方はもちろんですが、県外からお越しになる患者さんも多いんですよ。病院や他科のクリニックからの紹介でいらっしゃる方も多いです。年齢層は30代の方と10歳以下のお子さんが中心ですね。一般的な虫歯や歯周病治療、矯正治療の他にも、睡眠時無呼吸症候群、舌痛症という舌がピリピリと痛む病気、あとは歯ぎしり、ドライマウスなど、歯科医院での治療が珍しいと思う特殊な治療にも積極的に取り組んでいます。

歯科医院でできる睡眠時無呼吸症候群の治療とはどんなものなのですか?

歯科ではマウスピースを使った治療を行います。下顎が前に出るようにマウスピースを作り、それを就寝時につけていただくのですが、顎を前に出した分だけ気道が広がって、呼吸が妨げられるのを防げるのです。歯科治療の最中に、溺れるように苦しいという方がまれにいますが、それも治療台を倒したことで気道が圧迫され、無呼吸状態になっているんですよ。マウスピースは軽度から中等度の場合に使用し、重度になると病院で鼻マスク治療を受けることになります。鼻マスクから気道に空気を送り込む方法です。最近は皆さん、睡眠に対する関心が高いですね。

そもそもどうして特殊な症例に対応するようになったのですか?

二宮威重院長 中川駅前歯科クリニック2

困っている患者さんが目の前にいたからです。このクリニックはもともと一般的な歯科治療のみを行う普通の歯科医院でした。しかし日々の診療の中で、皆さんが「いびきが大きい」「食べ物の味がしない」などいろいろな悩みをお持ちであることに気づき、何か力になれないかと思ったのがきっかけです。いびきの治療は医科との連携が必要で医師の紹介なしにはできません。その点、当院は早くからいびきの治療を始めたので症例数も多く、今では千葉県や石川県の病院からの紹介を受けることもあります。その後、患者さんのニーズに沿って診療科目が増えていきました。マイナーな治療は情報が少ないので、研究論文や文献を集められるだけ集めて知識を蓄え、それをもとに治療を進めています。毎回患者さんに学ばせていただいていますね。

「ありがとう」の言葉が活力の源になる

最近、興味深く思われた症例があれば教えてください。

二宮威重院長 中川駅前歯科クリニック3

歯を原因としない歯の痛みです。ある日、知人の歯科医院に上の奥歯が痛いという方が訪れました。口の中を診ても特に問題はなく、歯科医師はそこでピンときたそうです。心臓が悪いのかもしれないと。病院で調べたらまさにそのとおり、すぐに心臓バイパス手術を受けることになり、大事に至らずに済みました。これは関連痛と呼ばれ、歯が痛いと思ったら片頭痛が原因だったということも少なくありません。奥歯が痛くて何をやっても駄目で、血液検査をしたら副鼻腔に腫瘍が見つかったという事例もあります。歯以外の箇所の異常によって、歯痛が引き起こされることがあるのです。いかに歯と全身の健康が密接な関係にあるかがわかりますよね。

小児歯科の分野ではどんな傾向を感じますか?

意識の高い親御さんが圧倒的に増えていて、それが虫歯の減少に貢献していると感じます。どうすれば虫歯を防げるかもよくご存じですし、インターネットを使って熱心に調べて来られますね。自分が歯のトラブルで苦労したから、自分の子どもには同じようにはさせたくないという声もよく聞きます。定期的にフッ素ケアを受けるお子さん、小児の歯列矯正を始めるお子さんも、成人の矯正治療と同じように増えているんですよ。

舌痛症について詳しく教えてください。

舌痛症は50代、60代の更年期以降の女性によく見られる病気です。原因は歯科治療後のストレスや亜鉛・鉄分不足など諸説があるのですが、実は特定されていません。歯科大学の講義では、舌の痛みは気にしすぎやうつ病の症状だと教わるくらいで、ほとんど研究が進んでいないんですよ。治療を行っている歯科医師もほとんどおらず、「様子を見ましょう」とたらい回しにされがちなんです。ある時、舌痛症の激しい痛みで夜も眠れないという患者さんを診たことがあるのですが、治療後その方が「本当にありがとうございます。」と喜んでくださって。どんな時でも感謝をされるととてもうれしく、患者さんの言葉は励みになります。僕のできることが増えると、患者さんからの「ありがとう」という言葉も増え、また頑張ろうという気持ちになりますね。

治療に漢方を取り入れていると伺いました。

二宮威重院長 中川駅前歯科クリニック4

主にドライマウスや舌痛症の治療に用いています。漢方はもともと植物由来なので、妊娠中や授乳中の方、アレルギーのある方にも抵抗なく使用していただけます。他にも、なかなか治らない口内炎の方に服用いただいたこともありますね。

他が断ることにあえて立ち向かう

歯科医師の道を選んだきっかけは何ですか?

二宮威重院長 中川駅前歯科クリニック5

子どもの頃に矯正治療を受けていたのですが、担当の先生が優しくて歯科医院に通うのが楽しみで。それがきっかけです。矯正治療の良い思い出のおかげで歯科医師の道に進むことになったのですが、実は学生時代は歯の勉強はつまらないと思っていました。図書館に行くのも嫌いでしたね。歯についておもしろいと思い出したのは実際に治療を始めてからで、今は歯科大学の図書館でさまざまな論文や文献を読んで知識を増やすのが楽しく、歯科治療に夢中なってのめり込んでいます。

今後の展望をお聞かせください。

ニーズがあれば、他の歯科医院ではやらないような治療もどんどんやっていきたいですね。そのためにも医科歯科連携のネットワークをさらに拡大していて、国立がんセンターの連携歯科医院にもなりました。例えば抗がん剤治療を始めると、口腔粘膜炎という重度の口内炎が起こることがあります。その痛みがあまりにひどいと治療に支障を来すため、当院で口腔内を清潔にして細菌を減らすなどし、症状を抑えるのです。また、ぐらぐらの歯があると人工呼吸器を口に挿入する時に抜けてしまうので、がんの手術前に処置をしておきます。逆に歯科治療中に病気の予兆を口の中に見つけたら、当院から耳鼻科や皮膚科に患者さんを紹介しているんですよ。今後も医科と歯科の協力によって、困っているのに近くに診てくれる医師がいないという方を助けていきたいと思います。

最後に読者へメッセージをお願いします。

二宮威重院長 中川駅前歯科クリニック6

治療や症状について気になることや言いたいことがあれば、歯科医師にぜひ伝えてください。「痛くしないでほしい」「ここから治療を始めてほしい」など、患者さんの要望に沿ったかたちで進めていくのが歯科医師の仕事だと思うんです。昔は患者さんの希望よりも歯科医師がやりたいようにやっていたかもしれませんが、今はそういう時代ではありませんからね。緊張して何も話せないという方もいるかもしれませんが、リラックスして思っていることを話してみてください。患者さんに希望を言ってもらったほうが歯科医師は治療を進めやすいですし、うれしいと感じるはずです。

自由診療費用の目安

自由診療とは

■インプラント治療/31万円~
■マウスピース型装置を用いた矯正/20万円~110万円

※内容によって金額が異なります。詳細はクリニックにお問い合わせください。

※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

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