山本 晃生 院長の独自取材記事
やまもと歯科医院
(広島市安佐北区/玖村駅)
最終更新日:2021/10/12

「地域の皆さんのお口の健康を守り続ける」。そうした思いで「やまもと歯科医院」を開業した院長の山本晃生(てるお)先生は、広島で生まれ育った生粋の広島人。27年にわたって地域に根差した歯科医療を提供し続けている。歯科医師をめざしたのは「困っている人を助けることができたら」と思ったことから。その思いにリンクするように言葉の端々から患者への温かい気持ちがにじみ出ており、誠実で優しい人柄がうかがえた。趣味はスポーツ観戦で、スタッフと一緒にスタジアム観戦することもあるという。地元をこよなく愛し、スタッフ一丸となって地域に密着した診療を貫く山本院長にじっくりと話を聞いた。
(取材日2020年7月10日)
治療したら終わりではなく、良い状態を保つことが大切
歯科医師を志したきっかけと開業までの経緯をお聞かせください。

私は広島市内でようかん店の三男として生まれましたが、父からお店を継ぐように言われたことはなく、手に職をつけて独立できる仕事を選んだらと助言してくれていました。歯科医師になろうと思ったのは高校生の時。もともと医療系がいいなと思っていたのと、困っている人を助けることができるかなと思ったのが理由です。そして、広島大学歯学部に進み、大学病院などでの勤務を経て、1993年に開業しました。この場所を選んだのは、義理の兄が近くで整形外科医院を開業していて土地勘があったのと、当時、この辺りに歯科医院が少なかったからです。
患者さんの層や主訴について教えていただけますか。

お子さんからお年寄りまで年齢を問わず来られますが、開業時と比べると年配の方が増えている印象です。昔から通ってくださっている方も多いので、患者さんと一緒にずっと年を取っている感じがしますね(笑)。主訴としては虫歯や歯周病の治療、入れ歯やインプラント治療、それから、メンテナンスや予防で来られる方もいらっしゃいます。60歳、70歳になってインプラントを希望される方もおられますよ。幅広く診させていただいていますが、当院では対応が難しい特殊な手術などは専門の先生をご紹介しています。
先生がめざす治療とはどのようなものでしょうか。
痛みが少なく、よく噛めて、見た目も良く、長持ちする治療です。治療したらそれで終わりではなく、良い状態を保つためにメンテナンスを続けていくというイメージですね。そのために治療計画は予防を重視して立てていきます。歯磨きだけでは歯垢や歯石を完全に取り除くのは難しいですから、やはり歯科衛生士による専門的なケアが必要です。例えば、歯周病だときちんとお手入れしないと状態が悪くなりがちですので、定期的にクリーニングしていきます。歯科衛生士は担当制で、責任を持ってずっとケアしていく体制を取っています。
人材育成にも力を注ぐ。週に一度の全体ミーティングも
診療の際に心がけているのはどんなことですか。

まず、患者さんの主訴を解決するようにしています。何に対して一番困ってらっしゃるかということですね。同時に、先ほどお話ししたように治療だけでなく予防も重視していますので、その点について丁寧にご説明します。その際、お口全体を診るようにしていますね。例えば、患者さんは「虫歯だけ治してほしい」とおっしゃっても、歯周病があればしっかりご説明した上で歯周病の治療も行うようにします。歯科治療は歯磨きをきちんとするなど患者さんの協力が不可欠で、そうでないと長期的な予防はできません。そのため長い人生を考慮した治療方針を提案するよう心がけています。
院内の広さに驚きました。

診療ユニットは開業当初3台だったのですが、10年ほど前同じフロアのスペースが空いたのを機に、壁を取り払って個室の診療室を造り、現在は個室に4台、オープンスペースに4台の合計8台を備えています。個室を造ったのは、患者さんのプライバシーを守るため。治療中の会話や外の音が聞こえにくいので、安心して治療を受けていただくことができます。歯科衛生士が時間をかけてメンテナンスやクリーニングを行うためにも必要だと考えました。1つの診療ユニットに対しての面積も広いので、ゆったりと治療を受けていただけると思いますよ。
多くのスタッフの方がいらっしゃいますね。
開業当初は3~4人でしたが、今では15人と大所帯になりましたね。そこで、毎週金曜日に約1時間、全スタッフが集まってミーティングを行っています。診療の理念や方針などは全スタッフが同じように説明できるのが理想だと思うんですよね。ですから、同じ場で同じ話をするようにしています。そういう意味では、人材育成にも力を入れています。実は、私は開業当初怒ってばかりで、スタッフ教育がうまくいかなかったんですよ。そこで後輩に相談したら、「育てるという気持ちを持たないと駄目ですよ」とアドバイスしてくれたんです。そこからスタッフを育てていこうと思うようになり、その取り組みの一つがミーティングなんです。私のほうが駄目出しされることもありますが(笑)、みんなで力を合わせて良い歯科医院をつくっていくように頑張っています。
初めての入れ歯作製で患者の言葉が自信と励みに
大学病院での経験が今に大きく役に立っているそうですね。

大学病院では補綴科に5年間勤めて、入れ歯やインプラント治療について学びました。当時忘れられないのは、初めて入れ歯を作らせていただいた患者さんです。高齢の総入れ歯の女性だったんですが、入れ歯の調子が悪くて新しく作りたいと来られたんです。私が作った入れ歯をとても喜んでくださって、以前よりも雰囲気が明るくなられたんですよ。入れ歯って難しくて、きちんと作れていても患者さんに気に入っていただけないこともあるんです。でも、その患者さんとの出会いで、私は頑張ればできるという自信がついたと同時に、入れ歯や補綴により興味を持てるようになったんです。後半3年間は、大学からの派遣という形で一般の歯科医院3ヵ所に勤務させていただきました。地域による違いもありますし、院長の考えもさまざまで、3パターンの診療を体験できたのも大きな財産になりましたね。
毎日お忙しいと思いますが、趣味などはありますか。

スポーツ観戦と地図を見ることですね(笑)。スポーツ観戦は野球が中心で、地元の球団のファンです。2軍の若い選手からチェックしているぐらい好きですね。新型コロナウイルス感染症の影響で最近はなかなか行けませんが、スタジアムで観戦することもあります。スタッフも好きなので、毎年一緒に行っています。2年前には、地元球団のリーグ優勝に立ち会うことができました。あの時はとても感動しましたね。地図は小学生の頃から見るのが好きですね。地図を見ていると想像が広がるんですよ。この道路はなんで曲がっているの?とよく見てみると高い山や川があったり、ここに線路があったら便利だなと考えたり、地形に興味があるというのでしょうか。眺めているだけでも楽しいですね。
読者へのメッセージと今後の展望をお願いします。
歯科医院を選ぶときは、歯科医師によくご相談されることをお勧めします。診療方針や治療方法のメリット、デメリットなどについて説明を受けて、疑問点や不安点があれば遠慮せず質問しましょう。納得がいかなければセカンドオピニオンもありです。治療方法は通常、2~3種類あるものなんですよ。その中から最終的にどれを選ぶかは患者さんが決めること。そうしてご自分に合った歯科医院を決められたらいいと思います。今後もスタッフと一緒に、歯科医院全体で患者さんを長期的に診続けていけたらと思っています。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/33万円(税込)、オールセラミック/10万円(税込)