大坪 宏 院長の独自取材記事
おおつぼ歯科クリニック
(広島市西区/古江駅)
最終更新日:2021/10/12
広電バスの広島高等技術専門校バス停から徒歩1分ほど。黄色い壁とグリーンの三角屋根が印象的な「おおつぼ歯科クリニック」は、1996年の開業以来、地域の歯の健康を守り続けている。院長の大坪宏先生のポリシーは、「なるべく歯を抜かない・削らない・痛くない治療」。勤務医時代の経験をもとに、子どもから高齢者まで幅広い世代の診療にあたっている。かわいらしいくじらのロゴマークには、クリニックが大きく成長していくことに加え、地域の子どもたちがすくすく育つようにという願いが込められているそう。穏やかで患者思いの大坪先生に、クリニックの特徴、今後のビジョンなどを聞いた。
(取材日2020年8月13日)
痛みの少ない治療で、健康な歯を保つことをサポート
歯科医師を志し、開業されるまでの経緯をお聞かせください。
もともとは人の健康に携わる医師の仕事に興味がありました。高校3年生の時、長崎で歯科医師をしている叔父の姿を見る機会があり、「なんて楽しそうに、一生懸命に働いているんだろう」と感銘を受けたんです。それで、歯科医師をめざそうと決めました。広島大学歯学部卒業後、勤務医として経験を積み、31歳の時に開業しました。実は、ここは私が生まれ育った場所のすぐ近く。地元に貢献したいという思いが強く、この土地を選びました。住宅街の中に位置していますので、お子さんからご高齢の方まで、幅広い年代の方にご利用いただいています。
先生が診療時に心がけていることを教えてください。
まずは十分な説明です。詳しくわかりやすくお話しすることで、患者さんの不安や緊張を取り除き、安心して治療を受けてもらえるような環境づくりを意識しています。治療のモットーは、「なるべく歯を抜かない・削らない」こと。広島大学時代、歯周病や歯の根っこの治療を専門とする「保存科」に在籍して、歯を残すことの重要性を学んできました。歯をむやみに抜いたり削ったりすると、残った歯に負担がかかります。すると、今度はその負担を強いられた歯に問題が生じやすくなってしまうんです。こうした悪循環を生まないためにも、できるかぎり歯を残すという方針をとっています。あとは、「痛みの少ない治療」にもこだわっていますね。
「痛みの少ない治療」について、具体的にお聞かせください。
恐怖心が強い方や嘔吐反射が強い方でも、リラックスして治療を受けていただけるよう、笑気麻酔を用意しました。表面麻酔についても、その作用にこだわり、海外製のものを選んで使っています。お子さんに限らず、大人でも歯科が苦手という声はよく聞くので、少しでも不安があれば、遠慮なくご相談いただきたいですね。「歯医者イコール痛い・怖い」というイメージを払拭し、ストレスなく通院していただくのが目標です。お子さんの診療には特に配慮していて、無理強いは禁物。いきなり虫歯の治療をするのではなく、最初は歯磨き指導などを行いつつ、診察室の雰囲気に慣れてもらいます。もちろん、その間も虫歯が進行しないようにきちんと注意をしながらです。段階を踏んで、大丈夫そうであれば、そこでようやく治療スタート。率先して優しく温かい雰囲気をつくってくれるスタッフたちには感謝しています。
口腔内だけでなく体全体にまで目を向ける
歯周病は体にも悪影響を及ぼすと聞いたことがあります。
歯周病は、心疾患や糖尿病、誤嚥性肺炎、脳血管障害といった病気、妊婦の方ですと胎児の低体重症のリスクとの関連が指摘されています。歯周病菌は体の免疫力を下げるとも考えられるので、インフルエンザや新型コロナウイルスといった病気にもかかりやすくなると言えるでしょう。歯周病は一度なってしまうと治りません。口の中の清潔を保ち、菌やインフルエンザ、新型コロナウイルスから体を守るためには、予防が大事。クリニックでの定期メンテナンス、ご自身による正しい歯磨き、そして、もう一つ欠かせないのが生活習慣です。いくら歯をきれいに磨いていても、不規則で偏った食生活を送っていては歯周病は防げません。バランスの良い食事を心がけることは、歯の健康にとっても非常に重要です。こうした生活習慣についても指導、サポートを行っています。
歯科クリニックでありながら、内科的な要素も感じられます。
当クリニックのめざすところでもあるのですが、口腔内の様子から体の状態までトータルでチェックする内科のような役割を担っていきたいと考えています。舌がんという病気もありますので、歯の治療だけをするのではなく、口腔全体をしっかりと診ることも欠かせません。最近は、患者さんのほうから「舌がんではないか」と訴えていらっしゃるケースも増えていますね。実際に診察してみて、疑わしい場合には、提携病院がいくつもありますので、すぐに紹介が可能です。歯科医療の領域を広げるという意味で、口内の健康管理を目的に栄養補助サプリメントのアドバイスなども行っています。
新たな治療や薬を導入すべく、常にリサーチされているのでしょうか?
歯科医師仲間たちと定期的に勉強会を開き、日頃の臨床で困っていることを相談したり、情報交換を行ったりしています。ほかの先生が実際に新しい歯科材料や歯科機器を使っているところを見学することもありますよ。最近、印象に残ったのは、口腔内カメラ。さまざまな角度から口腔内を撮影して、その人に合わせた歯の型を作ることに役立つものです。型を採る時に使うピンク色の材料がありますよね? あの工程が苦手という患者さんもいらっしゃるので、近いうちに当院でも導入したいと考えています。あとは、治療計画を視覚で確認できるコンピューターを使ったシミュレーション装置や、より細部まで見ることができる歯科用顕微鏡も導入を検討中です。便利なものはどんどん取り入れて、患者さんへの負担を減らし、より精度を追求した治療を提供していくつもりです。
定期メンテナンスで美しく健やかな歯を守りたい
審美歯科にも力を入れているそうですね。
特に当院が力を入れているのは、ラミネートべニアですね。薄いセラミックベニアを歯の表面に貼りつけて美化することを目的としたものです。セラミックをすっぽりとかぶせるわけではなく、歯を削らなくていいので、価格を抑えつつスピーディーに、きれいにしていくことがめざせます。この処置を受けに遠方から来院される患者さんもいらっしゃいますよ。もっと手軽なものだと、ホワイトニングですね。歯を白くすることだけに注目されますが、歯への意識を高めるという意味で予防の面でもメリットがあると考えているんですよ。患者さんにご満足いただくため、価格にも配慮して提供しています。
先生が描くこれからのビジョンをお聞かせください。
開業から24年目を迎え、おかげさまでたくさんの患者さんにご来院いただいています。少し手狭になってきたので、増築も視野に入れつつ、院内設備と先進機器の充実を図っていくつもりです。私自身は、やはり内科的な部分にも目を向けていきたいという思いがあるので、今後はより総合的に患者さんと関わっていけたらいいなと思っています。あとは、後輩の育成に力を入れていきたいですね。広島大学で非常勤講師しているのですが、若い先生はみんな勉強熱心。「自分も頑張らなくては」と刺激を受け、とても励みになっています。いくつになっても学びはあるもの。今後も成長を続け、末永く地域に貢献できるクリニックをめざします。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
まずお伝えしたいのは、治療を継続することの大切さです。途中で中断してしまうと、余計に時間がかかったり、最悪の場合、歯を抜かなくてはならなくなることも。新型コロナウイルスの影響で通院を自粛されていた患者さんを数ヵ月ぶりに診療したところ、以前より状態が悪くなっていました。定期的にメンテナンスを行うことの重要性を改めて感じた出来事です。歯周病によって歯が抜けていくのは、50歳を過ぎたあたりからともいわれています。静かに進行していく病気なので、痛みに気がついた時には、結構進行してしまっているんですね。痛くなって初めて歯科に行くという方が多いと思いますが、痛みがなくても定期的に通う習慣をつけていただくとよいと思います。頻度としては、3~4ヵ月に一度がお勧めです。どうぞお気軽にお越しください。スタッフ一同、温かくお迎えします。
自由診療費用の目安
自由診療とはホワイトニング/8000円~(税抜き)、ラミネートべニア/2万円~(税抜き)、歯列矯正/5万円~(税抜き)、マウスピース型装置を用いた矯正/5万円~(税抜き)、インプラント治療/18万円~(税抜き)
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。