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大河 貴久 院長の独自取材記事

大河歯科医院

(京都市北区/北野白梅町駅)

最終更新日:2022/07/29

大河貴久院長 大河歯科医院 main

京都市バス・千本鞍馬口停留所からすぐの「大河歯科医院」は、地域に根差しながら周辺住人に長く親しまれている歯科クリニックだ。「地域のクリニックは町の資源の一つ。身近な医療スポットとして活用してほしいですね」と語るのは、5年前に同院を継承し、院長となった大河貴久先生。虫歯や入れ歯治療などの一般歯科治療のほか、障害者歯科や訪問歯科診療、行政などと連携した情報発信やサポート事業まで、広範囲かつアグレッシブな活動で地域貢献を果たしている。「食べる=楽しみ」をコンセプトにホスピタリティーあふれる歯科診療を実践する大河院長に、治療へのこだわりや地域医療への思いなど、熱い胸中をたっぷり語ってもらった。

(取材日2022年7月11日)

全身の健康は口の健康から。歯科の立場で地域に貢献

お母さまのクリニックを引き継がれたそうですね。

大河貴久院長 大河歯科医院1

はい。うちは曽祖父の頃から歯科医師の家系で、母の代からこの場所で開業しています。そもそもクリニックというのは、誰もが気軽に悩みを相談できて、有益な医療情報を受け取れる場所であるべきです。そうした地域の医療スポットとしての役割や、母が積み上げてきた地域とのつながり。それらを絶やしてはならないという思いで私も診療に励んでいます。ここを継承する以前、私は大阪歯科大学で教壇に立ちながら、その傍らで社会貢献や啓発活動にも取り組んでいました。いっそ一人の歯科医師として、もっと皆さんに近い場所で活動したほうがいいのではないか。そう考えたことも、地域のクリニックに身を置くことになった動機の一つです。ちなみに当院の歯科医師は私と妻、母の3人で、家族経営で支え合いながら診療にあたっています。

明るい雰囲気の院内ですが、こだわりのポイントは?

コンセプトはカフェのような歯科。虫歯を治したいからというだけでなく、ちょっとした歯科の知識や健康情報を求めてふらっと立ち寄れる、そんな気軽な場所でありたいですね。患者さんに少しでもリラックスしてもらえればと院内のあちこちに絵やオブジェを飾っていますし、受付にあるハーバリウムという花の標本は、私と娘の自信作なんですよ。また、診察衣も白衣ではなくピンクやネイビーにして、時にはラフなポロシャツ姿のこともあります。患者さんの中には診療所に来たというだけで緊張される方もおられますから、特に訪問診療ではそのお宅の空気感を壊さないよう意識しています。

クリニックでは、どのような課題に取り組んでいますか?

大河貴久院長 大河歯科医院2

実は私、祖父を誤嚥性肺炎で失っているんです。病床に伏していた祖父が最後の七夕で短冊に書いた「ごちそうが食べたい」という一行を見て、もっと口のケアや食べることのサポートをしてあげればよかったという心残りを感じました。皆さんには、ぜひ健康なうちから知識を養って予防に取り組んでもらいたい、それが私の強い願いです。単なる入れ歯やかぶせ物などの知識にとどまらず、例えば糖尿病や誤嚥性肺炎と歯周病との関連性、栄養不足からくる床ずれの発生リスクなど、口のトラブルが全身疾患を引き起こすといったことを幅広く患者さんに知っていただく活動をしています。口腔機能が低下した時にやってもらえる簡単な体操などもありますから、ぜひ日常に取り入れて健康を保っていただきたいですね。

すべての人に食べることの楽しさを感じてもらいたい

診療で大切にされていることを教えてください。

大河貴久院長 大河歯科医院3

「食べる」ことは生きる活力そのもの。その中から「楽しさ」を感じていただけるような治療をめざします。治療後も、患者さんがおいしく食べているかどうかが真っ先に気になりますし、どのような方にも食べる楽しみというものを存分に味わっていただきたいですね。もう一つ、実際の診療時に心がけているのは「こんにちは」「さようなら」というあいさつです。患者さんが扉を開けて入って来られたら、スタッフ全員でお声がけします。まるで居酒屋さんみたいですが(笑)、あいさつは人と人の大切なコミュニケーソンツールだと思うんです。まずは患者さんとのコミュニケーションを大切にし、診療後にも快適だったと思っていただけることを常に目標としています。

こちらでは難症例の方への訪問診療のサポートも積極的に行っているそうですね。

はい、障害のある方などに訪問診療による歯科診療のサポートさせていただき、小児から成人まで、さまざまな障害でお悩みの方のご相談に対応しています。最初に地域包括支援センターなどの施設を回って周知活動を行うことから始め、その後、専門的知識をさらに高めるべく地域のスタディーグループも立ち上げました。現在では、喉の機能が落ちて誤嚥性肺炎リスクの高い方の口腔ケア、脳出血を起こした方の摂食機能の検査、神経の難病で徐々に体の機能が低下していく患者さんのフォローなど、一人ひとりに寄り添いながら長期的なケアを行っています。

発達に悩みのあるお子さんの外来診療にも対応しているとか。

大河貴久院長 大河歯科医院4

お子さんに関しては発達障害や知的障害から精神障害まで、同じ悩みのママ友つながりでやって来られる親御さんもおられます。聴覚過敏の子はずっとヘッドホンやイヤーマフをしていて、光が苦手な子はずっとアイマスク。片時もじっとしていられない子や人を怖がる子もいます。外来診療ではチェアの確保やほかの患者さんとの兼ね合いが難しいのですが、この地域は優しい方が多く、気配りや順番を変わってくださる方もいて、人のぬくもりにふれるシーンが多々あるんです。地域一体、みんなで見守っていく、これぞまさに地域資源ではないかとひしひしと感じます。

アグレッシブな活動の原動力は何でしょうか?

やっぱり「人」ですね。人と関わるって面白いんですよ。地域でお口の健康について講演したり、健康体操の話をしたりすると、皆さん興味津々で聞いてくれます。そして、そこで覚えたことをまた別の場所で誰かに話してくれます。こうした人と人のネットワークが私の原動力になっています。待合室では健康体操の動画を流していますが、そのうちに自然と患者さんが体を動かしているのを見ると、うれしくてつい顔がほころんできますね。そんなすてきなコミュニティーの中で仕事をさせてもらっていますから、かかりつけ歯科として地域の皆さんと、ぜひ長いスパンで関わっていければと願っています。

誰もが自ら輝ける地域社会をめざして

休日など、プライベートはどのようにお過ごしですか?

大河貴久院長 大河歯科医院5

私にとって一番大切なのは家族と過ごす時間です。夫婦共働きで子どもたちの面倒は母に協力を得たりしていますから、余計にそう感じますね。子どもは小学生の姉と幼稚園児の弟。今は近くの公園で遊ぶ程度ですが、以前はよく家族旅行に出かけたものです。私は海が見たい、子どもたちはプールで泳ぎたいということで、だいたいの目的地は海の見えるプールで決まりです。私は写真も好きなので、旅行がてらにパシャパシャ撮って楽しんでいます。こうした家族との時間が楽しめるのも、やはり健康であってこそ。皆さんも楽しく食べたり人と会ったりして元気に健康を保ち、ご高齢になってもご家族やお友達との時間を大切に過ごしてほしいですね。

今後、力を入れていきたいことはありますか?

やはり障害者歯科は今後もさらに力を入れていきたい領域ですが、いかにしてその時間を確保するかが悩ましいところです。地域の中には障害があって歯科受診の不便を抱えている方がまだまだ大勢おられます。私1人だけではとてもフォローできるものではありませんから、地域の病院やほかの医療・介護施設との連携をさらに深め、有志の方と協力しながら地域への貢献を果たしていきたいですね。ちなみに現在、上京区の西陣病院とは連携がとれており、私自身も栄養サポートチームの一員として回診に参加し、歯科医師としての助言を差し上げるといった活動も積極的に行っています。

最後に、地域の人たちや読者に向けたメッセージをお願いします。

大河貴久院長 大河歯科医院6

「この子らに世の光を」ではなく「この子らを世の光に」。滋賀県琵琶湖学園の糸賀一雄先生のお言葉ですが、外から光を当てるのではなく、子どもたち自身の輝きから私たちが築く。その言葉に私は強く感銘を受け、以来、私の診療や医療活動の支えとなっています。それは決して子どもだけに限ったことではありません。高齢になろうが体にトラブルを抱えていようが、楽しくおいしく、誰もに光り輝く人生を送ってほしい。それが私の思いです。生活に彩りが生まれれば人生も変わります。そのためにもまずは口の健康を意識し、ご自身の明るい将来をめざしていただければと思います。

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