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川上 富清 理事長の独自取材記事

川上歯科パンジョ診療所

(堺市南区/泉ヶ丘駅)

最終更新日:2023/08/03

川上富清理事長 川上歯科パンジョ診療所 main

泉北高速鉄道線泉ヶ丘駅から徒歩3分。駅前の複合ビルの中にあるメディカルモールの大きな一角を占めるのが、川上富清先生が理事長を務める「医療法人 富歯会 川上歯科パンジョ診療所」だ。広々とした待合室には熱帯魚の泳ぐ水槽があり、個室のある診療室は広く、診療台もゆったりと設置されている。階下にはデンタルラボを併設し、特殊なものを除いて、ほとんどの詰め物やかぶせ物などは時間のロスなく製作できると言う。子どもから高齢者まで幅広く対応し、目標は「神経を抜かない、歯を抜かない」と言う川上理事長に、じっくりと話を聞いた。

(取材日2017年8月3日)

デンタルラボを併設、詰め物などをすばやく製作

パンジョ診療所を開院されて何年になるのですか?

川上富清理事長 川上歯科パンジョ診療所1

もう15年以上になります。その前は隣の深井駅というところで、34年ほど開院していました。泉北泉ヶ丘パンジョショッピングセンターに医療機関も入れるようになりましたが、十分な広さがありませんでした。そこで、もう少し広い所に移転したいと思った時に今の場所が空いていまして、他の医院さんに「一緒にメディカルモールのようにしませんか」とお声がけをして、歯科を中心としたメディカルモールとなりました。

デンタルラボ併設というのは珍しいですね。

ちょっと前までは深井のほうに製作場所を置いていたのですが、最近下の階に移転して、デンタルラボという形にしました。そこで金属加工などもすべてできるようにしています。歯の詰め物・かぶせ物は、今はセラミックなどの塊から削り出すという技法が主流になってきています。技工士は、もうすぐ3Dプリンターでできる時代が来るのではないかと言っていますね。実際CAD/CAMなど新しい機械がどんどん出てきています。今は型を採るのも口腔内を写真で撮るんですよ。動画みたいに角度を変えて撮ったものをパソコンの中で技工士さんがデータ化して、機械に入れると物が作られてくるという。すごいなあと思います。

どういった患者さんが多いですか?

全年齢層といいますか、お子さんからお年寄りまでいらっしゃいます。深井の時からの患者さんもかなりいらっしゃいます。皆さん年を取られましたが、こちらも高齢化してますので、同じですね(笑)。90歳を過ぎている方もそんなに珍しくなくなってきました。「ショッピングセンターで買い物して、ついでに歯医者来たよ」と、たいへんお元気です。昔はもう、90歳過ぎたら総入れ歯が普通という状態でしたが、今は違いますね。自分の歯がしっかり残っている人も多いですし、インプラントできれいにしている人も多く、よく噛めているのですね。やはり自分の歯でしっかり食べている方は顔つきも違いますし、元気があるように思います。

インプラントを希望する患者さんは多いですか?

川上富清理事長 川上歯科パンジョ診療所2

多いですね。二十数年前に始めた頃は、患者さんには「自分には関係ない特別な治療」と受け取られていました。でも今は、歯を抜かなくてはならなくなったら、ブリッジ・入れ歯・インプラントのどれかを選ぶというように、一般的な選択肢の一つとなっています。そしてなるべくなら、ブリッジや入れ歯のような他の歯の負担になるようなものは避けたいからインプラントで、という方がたいへん多いです。ただ、そうなる前に食い止めてほしいという気持ちがあります。神経を抜いた歯はとても弱くなり、いずれ抜かなくてはなりません。歯周病が悪化しても、抜かなくてはなりません。まずそこを予防したいですね。

歯周病には定期検診とブラッシングが一番

どのような症例が多いでしょうか?

川上富清理事長 川上歯科パンジョ診療所3

昔は虫歯でしたが、今は歯周病ですね。歯周病が悪化して、グラグラになった歯を抜くということが多いです。インプラントを考えている人が来られることが多いからかもしれませんが、歯が抜けてしまったけどどうしよう、と来られる方も多いです。虫歯で歯を抜く人は、もう完全に歯が溶けてなくなってしまうぐらいひどい虫歯の人が多かったものですが、歯周病の人の場合は、健康な歯であっても歯茎がグラグラになってしまっていると、もう抜かざるを得ないのですね。しかも抜かずに放置していると、体の他の部分や内蔵への感染症にも進んでしまうことがあります。

歯周病の患者さんは増えているのでしょうか?

増えています。ただ、今は患者さんのほうから定期検診に来てくださいますし、チェックしてほしいと言われるようになりました。いい時代になったなあと思いますね。昔は歯周病で歯茎が腫れ上がっているのを指摘しても、「寝たら治るから放っておいて」とか言われました(笑)。ただ、歯周病は虫歯のない人がなることが多いのです。虫歯がない人は、歯が強いことを自覚しているので、なかなか歯科を訪れることがありません。ある時突然歯がぐらついているということに気がついて、歯医者に駆け込んだらもう手遅れ、という人が多いです。歯周病が悪化すると顎の骨が溶けてしまうので、もう手の施しようがなくてほとんどの歯を抜かなければならないという、お気の毒なこともありました。歯周病は軽いうちは痛みがありませんし、痛くなるともう末期症状ですので、気づきにくく怖いのです。

歯周病を予防する方法はあるのでしょうか?

ブラッシングは本当に効果があります。歯の磨き方については、今は患者さんもすごくよくわかってくれていますよ。もちろん虫歯の予防にもなります。ただ、歯磨きが習慣になっていない人はまずそこからになるのですね。検診などで正しくブラッシングをした時の、歯がツルツルになってキュッキュッと鳴る感じを覚えていてもらって、それを毎日繰り返すという習慣にしてもらって、やっと効果があります。

歯周病で顎の骨が溶けても、インプラントはできますか?

川上富清理事長 川上歯科パンジョ診療所4

歯周病でかなり骨が溶けてしまったとしても、今のインプラント技術はその骨から作って埋め込んでしまいますので、まず大丈夫です。ただ、非常に時間がかかりますし、その分費用がかかるのですね。また、埋め込む部分が大きくなるので、腫れもひどくなります。複雑な手技になるとそれだけ予後も悪くなることが多いので、なるべくそういうふうにならないように、といつも思っているのですが、難しいですね。

「うちではできません」と言いたくない

今後の展望をお聞かせください。

川上富清理事長 川上歯科パンジョ診療所5

いろんなことを、全部自分でできるようにしたい、という思いが昔からありました。その結果、ラボを併設するようになったのです。特殊なことはともかくとして、通常の歯科でできるようなことは全部やりたいと思いますね。「それはうちではできません」とは言いたくないんです(笑)。今はどんどんデジタル領域が増え、いろんなことが変わってきていますので、これからはそういう新しい技術や材質、知識を患者さんに提供していけるようにと考えています。

先生が歯科医師をめざしたきっかけはなんですか?

実家の家業が金属加工業で、歯科の金属の材料を作っていたのです。また、自分の将来を考え始めた頃に親戚が歯科医師になり、その話を聞いているととても面白そうで、いいなあと思ったりもしました。もちろん、家業を継ぐということも考えていました。しかしこの金属を何にどうやって使うのかを勉強したいと思った時に「いやちょっと待て、その勉強は歯学部に行かないとできないんじゃないか?」と気がつき、それで歯学部に進んだのです。ところが今度は治療のほうが面白くなってしまった。ただ、金属の材料、技工の機械などもすごく興味があり、金属を溶かす機械などを自分で試作品を作っていたこともありました。もうこれは半分趣味です(笑)。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

川上富清理事長 川上歯科パンジョ診療所6

とにかく正しいブラッシングを習慣づけてください。そして、定期的に検診を受けてください。きれいに磨けていると思っていても、必ず「磨き癖」というのがあります。それをチェックするために、検診に来てください。年に2、3回でいいんですよ。それだけでずいぶん違ってきます。子どもさんがいらっしゃる方は、子どもさんの歯を守るということを頑張ってください。ダラダラ食べないとか、食べたら磨くとか、基本的なメンテナンスを守っているだけで大丈夫ですから。一度ルーティンになってしまうと、食後ちゃんと磨かないと気持ちが悪い、という習慣になりますので、そうなると放っておいても自分で磨くようになりますよ。

自由診療費用の目安

自由診療とは

インプラント/27万5000円~

※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

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