高田 至康 院長の独自取材記事
高田歯科クリニック
(大阪市中央区/長堀橋駅)
最終更新日:2025/05/07

大阪市中央区にある「高田歯科クリニック」は長堀橋駅から徒歩4分、一般歯科、小児歯科、歯周病、予防歯科など豊富な診療を行っている。1994年7月に開院して以来、院長自身が患者の立場に立ち、一人ひとりの気持ちを第一に考える診療方針を貫きながら診療にあたってきた。痛みを軽減するため、麻酔の注射針も細い針を採用し、皮膚との接触面積を極力少なくするなど配慮をしている。コンセプトは「自身がしてほしくないことは、患者にしないこと」。自身が患者の立場として来院した場合はどうなのかを常に考え、一人ひとりに寄り添う診療を心がけている。歯科医師として今年30周年を迎えた高田至康院長に、これまでを振り返るとともに、歯の健康維持などについていろいろと話を聞いた。
(取材日2017年5月23日)
歯科医師の道30年、責任感を第一に
歯科医師をめざした理由を教えてください。

実をいうと、受験時代は建築士を希望していたんですが、学校の先生から「歯科医師が向いているのではないか」と言われ、それなら建築士と同じように口の中を建築していく歯科医師をめざそうと思い、大阪歯科大学に進学したのです。父がもともと病院勤務の歯科医師でしたので、その背中を見て育った影響もあり、自然な流れで同じ道を志したことになります。兄も歯学部に進みましたが、歯科医師ではなく医学部の大学院に進み、現在は京都大学の教授を務めています。結果的には、次男の私が父の道を継いだ形で、幼少時代から過ごした実家でもあるこの場所でクリニックを開業しました。
大学卒業後はどのような道を歩まれましたか?
卒業後は京都府立医科大学附属病院の歯科口腔外科に2年間勤めました。歯科口腔外科はずっと携わりたい分野でしたので、府立医大に勤務されていた大学時代の先輩から良いと評判を聞いて、就職しました。当時は今のような研修医制度はなく、すぐに開業しようと思えば可能でしたし、卒業後すぐに現場の歯科医師として働くことが主流でした。病院では、医学部の人たちと一緒に麻酔科研修などをするのでプレッシャーもありましたが、とても貴重な経験でした。その後は、一般開業医のもとで5年間勤務しました。院長は医師と歯科医師のダブルライセンスを持ち、あらゆることに精通されていましたので技術面はもちろん多くのことを勉強することができました。また、歯列矯正も週1回、神戸の専門クリニックに行くことによって学ばせていただき、たいへん有意義な5年間でした。
そんな中、開業しようと思ったきっかけは?

経験を積んでいく中、勤務の歯科医師ではなく、自分で腰を据えて取り組みたいという気持ちが芽生え、1994年に開業しました。患者さんの歯には同じパターンはないので、技術的なことも含めて日々勉強ですが、勤務していた頃とは違った責任感を感じています。もちろん勤務していた時代も一生懸命その場その場の対応をしてきましたが、すべて自分の責任になるので意識が違います。また、内科などの場合は治療に時間がかかりやすいですが、歯科の場合は、かなり悪化した状態でいらしても仮の歯を入れれば基本的にひとまず帰れるので、結果が早くわかり喜んでもらえる点ではやりがいを感じます。今年、歯科医師になって30周年を迎えますが、天職だったと実感しています。幼少の頃から育ったこの街で開業でき、本当に良かったと思っています。
どこまでも患者一人ひとりに寄り添う診療を
診療の中で心がけていることは?

人を待たせることが嫌いなので、予約時間に幅を持たせています。例えば予約時間より早く到着しても基本的にすぐに受診いただけますし、急患の場合でもお待ちいただくのは15分以内です。よく病院などで何時間も待たされるケースがありますが、予約はあくまでも約束です。患者さんにも予定があるでしょうし、どうしても時間がかかってしまう場合もありますが、基本的には余裕を持って予約を取るようにしています。また私自身、痛いのが苦手なので、今ある中で一番細い針を使うなど、痛みの少ない治療にこだわり、配慮しています。痛いことが苦痛で歯の治療自体をやめたいと思わせてしまうと、その患者さんにとって大きなマイナスになってしまいます。早めの処置をしている人と、口の中がボロボロになるまでクリニックに行けない人の人生は大きく変わってきますので、特に初回の治療を大事にしています。
このクリニックならではの特徴はありますか?
患者さん一人ひとりの状況に合わせて治療方法と期間を提案し、相談しながら進めていくことを第一に考えています。また、患者さんは鏡で見てもわかりにくいと思いますので、開院当初からカメラを設置し、実際に口の中をモニターに映して見せるようにしています。見えないと、「虫歯じゃないところを削ったんじゃないか」と患者さんも不安になりますし、私自身も疑われたくないので、先に見ていただいて信頼関係を築いていくように心がけています。そうすることで説明をしなくても納得いただけて、不信感も払拭されると思います。リラックスして治療を受けていただけたらうれしいですね。
ほかに、うれしいと思うことはありますか?

歯科技工士から「先生からの依頼はとても作りやすい」と褒められたらうれしいですね。技工士は作った模型を見て平等な目で判断しますから、プロから褒められるととても励みになります。技工士とも信頼関係が必要だと思っています。普通に噛めるようにする目的であれば保険内でも治療ができますので、できるだけ患者さんのことを考え、保険内での治療を丁寧に行っています。
歯の健康維持には日常的なケアが重要
歯の健康で気をつける点は?

歯磨きの際、一回一回を丁寧に磨くことです。歯には凹凸があるので、表面だけを磨かず、歯間ブラシで隙間を磨くことが大切です。表面は放っておいてもそんなに虫歯にはなりませんし、極端にいえばリンゴやキュウリを食べるだけでもある程度磨けていることもあるんです。歯磨き粉は少量でいいし、歯ブラシもどんなものでも構いません。ただ隙間を磨くためには貫通しないといけないので、やわらかいブラシよりは硬いほうが良いですね。歯ブラシはいわゆるつまようじの集合体です。汚れは隙間に付着するので、歯間ブラシやフロスといった道具を1日1回、できる範囲で使ってみること。自分の手に負えない場合は、毎月のケアとしてご来院ください。歯石を取るのは、3ヵ月~半年に1度が理想です。ためてしまうとその間に炎症が起きてしまうことがありますから、こまめにケアに来ていただけたらと思います。
今後の展望についてお聞かせください。
息子が歯学部の6年生なので、いつかは次の世代へと継承していく形になると思っています。とはいえ、私自身もまだまだ元気ですし、歯科医師に定年はありませんので、生涯現役で頑張っていきたいと思っています。ちょうど2~3年前に機械を新しく入れ替えたばかりなので、これから20年くらいは活用していきたいですね。開業の年から来てくれている患者さんもいますし、岡山県や和歌山県からもずっと通い続けてくれている方もいます。最近は外国人の患者さんも増えてきましたので、意思の疎通をはかりながら、「阿吽(あうん)の呼吸」で一人ひとりに寄り添い、治療に専念していきたいと思っています。
読者にメッセージをお願いいたします。

歯科はどうしても怖いイメージがありますが、遊びに行く感覚で気軽に通える歯科を見つけていただきたいですね。治ると何事もなかったように放置してしまいがちですが、最終的に抜かざるを得ない状態になるまで放っておく人も多い。場合によっては、1本の歯の治療で何年も通うことになってしまうケースもあるようですが、私自身は患者さんのためにも、できるだけ早く終わらせたいと思い、治療にあたっています。もちろん相性もあると思いますので、とにかく気軽にご相談に行けるクリニックを見つけていただき、健康な歯で日々快適に過ごしていただきたいと思います。