鬼久保 平 院長の独自取材記事
おにくぼ矯正歯科
(上尾市/上尾駅)
最終更新日:2021/10/12
JR高崎線・上尾駅東口から中山道を経由して歩くこと3分。ビルの1階におしゃれな外観を構える「おにくぼ矯正歯科」。同院は駅前からこの地に移転して10年目。院内に入ると、ゆったりとした空間が広がる。診察室は手前の待合室側がクリーニング専用で、受診中の子どももガラス越しに待合室にいるお母さんから見える構造。カウンセリングルームや個室スペースも備え、また診察室奥にはガラスウォールに水が流れるおしゃれなデザインも採用。鬼久保平院長はとても穏やかな人柄で、質問にも丁寧に答える姿が印象的。今回は矯正歯科を受診するメリットや、同院の診療の特徴などを中心に話を聞いた。
(取材日2016年6月15日)
矯正のメリットを理解し、自ら治そうと思ってほしい
待合室や診療室など落ち着く空間で、さらにスタッフの皆さん仲が良いことが伝わります。
この場所には10年前に移転しました。こだわりとして、お子さんも多いので、ガラス越しにお母さんが確認できるようにしたり、しっかりとした個室も造るなどさまざまな患者さんに合わせられるようにしました。またスタッフですが、当院は矯正器具を装着した際の虫歯・歯周病予防のために、歯科衛生士が4人働いています。彼女たちが装着時にブラッシング指導を行い、定期的なクリーニングをしているので矯正中の歯の健康が保たれているのです。また歯科助手も4人いて、みんなよく働いてくれていますよ。ドクターは私の他に非常勤で女性の矯正科歯科医がいまして、小さなお子さんなどでは女性のほうがあたりが柔らかいので好まれているようですね。女性スタッフ全員には、ワークライフバランスを取りながら、結婚・出産した後もできるだけ長く働いてほしいので、より働きやすい職場環境をつくろうといつも努力しています。
院長先生はJBO認定歯科矯正専門医ですが、これはどのような資格でしょうか?
「特定非営利活動法人日本歯科矯正専門医認定機構」が実施している矯正専門医の認定でして、歯科の世界では知られた資格です。認定を受けるにはこちらが自信を持って審査にかけられる100の症例を出して、そのなかからランダムに5症例が審査対象になり、合格すれば認定されるという仕組みです。矯正と一般歯科の指導医のほか弁護士なども加わって口頭試問があり、一般歯科でも難しい質問や、弁護士は医療の法律や財務に関わる質問をしてきますので、それらに答えられないと合格できません。ですから、JBOの資格認定を受けている他の先生方は皆さん優秀で信頼できるドクターと言えます。私も患者さんが引越しで転院される際に、その地域の認定専門医に紹介するほど信頼性に足る資格だと思っています。
地域の学校校医も務められていらっしゃるようですね。
現在は上尾高校と上尾小学校の校医として年に一度、高校は生徒が多いので二度に分けて歯科検診に訪れています。もちろん専門分野の歯並びや咬合不全なども気になるのですが、よほど状態がひどくて治しておかなければ不安だと思えるケースを除いては、特に矯正を勧めることはありません。なぜなら思春期ですから、そのことを気にしてしまうとかえって良くないとの判断からです。できればご自分の意思で矯正をしようと思っていただきたいですね。矯正を受けるメリットはたくさんありますが、まずは食べ物が噛み切れてしっかりと咀嚼することでおいしく食べられ、なおかつ健康にも寄与すること。また出っ歯が治ると、口が閉じやすくなり、口呼吸から本来の鼻呼吸に戻る。もちろん見た目も大きく改善され、特に横顔のバランスが良くなります。そうしたメリットを理解していただければと思います。
年代層によって矯正の目的は異なる
顎変形症の場合は保険適用される認定医院でもあるそうですね。
顎口腔機能診断施設といい、顎の骨格に異常があり噛み合わせ不全を起こす顎変形症の術前術後の矯正治療に保険が適用される医院の認定を受けていますので、他の歯科医院からも患者さんが紹介されてきます。手術自体は近くの大きな病院で行い、下顎だけなら2時間程度の手術ですが、その間は私も立ち会います。夏休みを利用して手術されるケースが多く、そのため夏場と言えども忙しいです。ただ外科矯正すると根本的なずれを問題なく治すことが可能ですので、年頃の女の子ですと、見た目からガラリと変わって皆さん美しくなられますね。
現在の患者層は?
お子さんと成人でほぼ半々ですかね。以前はお子さんが多かったのですが、近年は大人も増えまして、今では60代の女性も歯並びを整えたいと来院されています。なぜなら、歯科矯正は年齢によって目的が異なるのです。お子さんはあごの成長を利用しながら正しい咬合や歯列に持っていく。次に学生さんは歯列を整え、全部の歯を咀嚼に参加させる。一方、大人では歯がない方もいらっしゃるので一本一本だと咬む力が対応できないですが、バラバラだった歯をスクラムを組むようにまとめることで一本ずつの歯にかかる負担を軽減するような治療もあります。それによって歯周病・歯槽膿漏の進行を防ぐのです。例外は多々ありますが、主目的としては、おおよそ、そのようになっていますね。当院でも年代に合わせて、カウンセリングをもとに患者さんに提案して治療しています。
矯正器具はどのようなものを使用するのでしょうか?
当院では、少し専門的な話になりますが、ストレートワイヤー法という矯正器具ではなく、スタンダードエッジワイズ法という、ワイヤーに凹凸や傾き、ひねり、ループなどの複雑な曲げを組み込み、個人の歯や歯列に合わせてアーチの大きさや形状も上下の調和を取りながら曲げていき、さまざまな形態の歯に合わせ調整する方法を採用しています。ご希望があれば、舌側矯正も対応していますが、矯正器具はたわみ具合や負荷も違うので、歯の内周より外周に付けたほうがより効果が高いのです。また微調整も外側からのほうがしやすい。歯の裏側はデコボコしていますので微調整が難しく、そうすると締める具合がどうしても甘くなる。患者さんすべての歯型を取り、診察のたびにそれを見ながら微調整しているのもそのためですし、フルオーダーメイドで最高の状態になるよう微調整しています。そうした事情をご説明すれば、納得される方がほとんどですね。
これからもフルオーダーメイドにこだわっていきたい
歯型をたくさん収納されているのもそのためですね。
その通りで、たくさんあるこだわりの一つとして、当院の模型は専門が職人に削ったきれいな歯の模型を使用しており、模型は一人の患者さんに何個もとるので膨大な数になります。ワイヤーを結びつける際に、その模型を見ながらでなければ、曲がり方の度合い締め付け具合にズレが出てしまう。だから大切に保存して、いまや1階だけに収まらず、2階まで模型の倉庫となっています(笑)しかも患者さんの目の前に出してメンテナンスをしますので、ボロボロの模型だと嫌ですよね。大切に保管することにより、患者さんだけでなく、私も気持ちよく診療に入れます。パソコン上で3D画像を見ながら施術できるドクターなら、それはそれでいいと思いますが、アナログの良さ、職人的な医師が支える技術というものもまだ先端医療の外科分野でも勝っている部分が多いですから、患者さん一人ひとりに対応できるフルオーダーメイドは今後もこだわっていきたいですね。
ところで、院長先生の健康法もお聞きしたいと思います。
毎日診察・治療で多忙な身で、自己管理は難しいものですが、これまで習得してきた技術を高いレベルのまま提供していくため、意識して体を動かすようにしています。例えば休診日には妻とテニスコートに出かけてプレーしていますし、山野を歩くトレッキングなども近年始めました。できれば一人で出かけて、空を眺めながらのんびりしたくもありますが「一人で出かけて何かあっては大変」と妻がついてきてくれるので一緒に楽しんでいます(笑)。あとは歯科医師会の集まりでゴルフに2ヵ月に1度出かけています。あまりうまくないんですが、最近はだんだん好きになってきました(笑)。
読者に向けたメッセージをお願いします。
患者さんも増えて、とてもありがたいことなのですが、今後も一人ひとりに向き合って、しっかりとフルオーダーメイドで素敵な歯並びを作るお手伝いをしていきたいと考えています。また矯正治療はメンテナンスでお会いする期間も長くなりますので、お子さんが成長される姿を見るのも楽しみです。末永くお付き合いいただけましたら、それが私とスタッフのなによりの喜びです。
自由診療費用の目安
自由診療とは歯列矯正
・検査料金/5万5000円
・矯正料金(本格矯正、メタルの場合)/88万円
・来院ごとの治療/5500円