三島 健史 院長の独自取材記事
三島歯科医院
(廿日市市/広電廿日市駅)
最終更新日:2026/03/03
広電廿日市駅から徒歩すぐ、JR山陽本線・廿日市駅からも徒歩5分の便利な場所にある「三島歯科医院」。住宅地や保育園、神社などが点在する落ち着いたエリアで、地域に根差した診療を続けている。院長の三島健史先生は、前院長である母が約40年にわたり築いてきた同院を受け継ぎ、2025年9月に前院から徒歩すぐの場所にリニューアルオープン。広島大学歯学部卒業後、口腔外科で研鑽を積んだ三島院長は、特に入れ歯治療に情熱を注ぐ。「噛める喜び」を取り戻す治療を追求し、地域の歯科医療を支える三島院長に、クリニックの取り組みについて話を聞いた。
(取材日2025年12月2日)
世代を超えて通える歯科医院づくり
移転リニューアルをされたと伺いました。どのような経緯や目的があったのか教えてください。

開業から40年以上、地域に根づいて診療を続けてまいりましたが、建物が古くなったことを機に、2025年9月に移転リニューアルいたしました。長年通ってくださっている患者さんの多くが高齢になられ、足が不自由な方も増えてきたため、より通いやすい環境を整えたいと考えました。完全バリアフリーにして、必要に応じてスタッフがサポートしながら診療できる体制を整えております。
外観や院内がとてもすてきですね。デザインや設備で特にこだわられた点はありますか?
患者さんのプライバシーに配慮した半個室風の診療スペースを設けました。完全個室がいい方、オープンな空間でも平気な方など、患者さんによって好みが異なりますので、ご要望に応じてお選びいただけるようにしています。また、高齢の患者さんが安心して通えるよう、段差を浅くしたり、スロープを設置したり、キャスターつきの椅子を用意するなど、細かな配慮を心がけました。
現在、どのような患者さんが来院されていますか?

未就学児からご高齢の方まで幅広い年齢層の患者さんにお越しいただいています。特に40年前の開業当初から通ってくださっているご家族が多く、小さい頃から年を重ねるまで、一生涯を通じて診させていただいているのが当院の特徴です。ただ、患者さんの過半数は高齢の方で、入れ歯を使っていらっしゃる方が多いですね。世代を超えて長くお付き合いできることが、私たちの誇りです。
「噛める入れ歯」にこだわることで健康な生活を支える
幅広い治療を提供されていますが、特に入れ歯治療に力を入れていると伺いました。

はい、入れ歯治療には特に力を入れています。入れ歯治療のスペシャリストである河原英雄先生に母とともに師事し、「噛める入れ歯」の重要性を実感し、入れ歯治療の奥深さに魅了されました。当院では必ずフードテストを行い、実際の食事で噛めるかを確認しています。ご家族にも立ち会っていただいて、おじいちゃんやおばあちゃんが食事をしている姿を見ていただくんです。使えない入れ歯を何個も持っている方が本当に多いんですよ。もちろん、新しい入れ歯も作りますが、入れ歯は義手・義足と同じで義歯といい、使いこなせるまで時間がかかります。そのため、現在お使いの入れ歯をリマウント調整することで、すぐに噛めるようにすれば、患者さんも安心して食事ができます。何度も作り直すよりも負担は少ないですし、より早く生活の質の向上につなげられます。
そのほかに注力している診療分野はありますか?
口腔外科出身ということもあり、外科的な処置にも力を入れています。特に心がけているのは、腫れや痛みを最小限に抑えることです。大学病院時代は、親知らずを抜いて終わりという感じで、その後のフォローアップができなかったんですね。だからこそ、開業医になった今は、術後の経過までしっかり見守りたいと思っています。当院での親知らずの抜歯は、横を向いた歯でも15分以内で終わるよう心がけ、患者さんの負担軽減に努めています。大学病院やJA尾道総合病院では1時間半で3人の患者さんの親知らずを抜歯していたため、早くかつ丁寧な処置には自信があります。また最近は、個人的に再生医療に関する研究に注目しています。保険外治療になりますが、外科処置に伴う負担を大きく抑えられるのではないかと、その普及に期待しています。
痛みなどの自覚症状がなくても、定期的に検診を受けることを推奨していらっしゃいますね。

当院では以前より厚生労働省や日本歯科医師会が推進している 「8020運動」 に積極的に参加し、近年では広島県歯科医師会が開催している 「8028達成者表彰」に患者さんを毎年4、5人推薦させていただいています。母が院長だった時代から説明してきた歯を大切にすることの重要性が患者さんに伝わった証でしょう。私もその理念を継承し、定期検診を推奨しています。しかし、それ以上に大切なのは自宅でのセルフケアです。歯科医院でのスケーリングやブラッシングよりも、毎日自分で正しく歯磨きできることのほうが重要ですから。定期検診では必ず染め出しを行い、どこに磨き残しがあるかをご自身で確認していただき、正しいブラッシング方法の指導に力を入れています。忙しくてなかなか来院できない方も、まずはセルフケアをしっかりやっていただく。その上で定期的に検診を受けていただければ、80歳で28本の歯を保つことも夢ではないと思います。
生涯を通じて患者と向き合う、温かな診療姿勢
先生が治療の際に心がけていることは何ですか?

患者さんの通院負担を減らすため、治療回数を少なくすることです。一回の麻酔でできる処置はまとめて行い、1時間から1時間半かけてしっかり治療します。30分刻みで何度も通っていただくよりも、1回で集中して治療したほうが患者さんにとっては楽だと考えているんです。30分の枠だと、どうしても治療を細切れにして何度も来ていただくことになってしまいますよね。当院では1回の診療時間を長めに取ることで、例えば、悪いところが複数あった場合もその日のうちにまとめて治療することが可能です。また、初診の日からすぐに治療を始めることも多いです。カウンセリングだけで終わることはありません。もちろん説明はしっかり行いますが、悪いところがあればその場で治療を開始します。できるだけ早く症状を改善できるよう、患者さんのためにも、効率的かつ丁寧な治療を心がけています。
幅広い年齢層の患者さんを診る上で、工夫されている取り組みはありますか。
完全個室を好まれる方もいれば、オープンな空間のほうが落ち着くという方もいらっしゃいますので、何人かの患者さんが同時に来られた時も、それぞれに合った診療室をご案内できるよう配慮しています。また、高齢の患者さんには段差のない動線を確保し、必要に応じてサポートしながら診療室まで移動していただいています。足が不自由な方でも安心して通えるよう、スタッフ全員で見守る体制を整えているんです。お子さんの治療では、早く確実に治療を終えることを心がけ、保護者にも安心していただけるよう配慮しています。世代ごとに異なるニーズに対応できるよう、柔軟な体制を整えています。
今後の展望や目標を教えてください。

入れ歯で困っている高齢者の方々を一人でも多く救いたい。これが私の大きな目標です。高齢化が進む中で、しっかり噛めることの大切さを地域に広めていきたいと思っています。噛むことで1日に2000回も顎が動き、それが脳への刺激になって認知症の予防にもつながると考えています。観血手術や高価な薬も必要なく、不安もなく、「噛める入れ歯」にすることで高い効果が期待できます。母が築いてきた「生涯を通じて患者さんを診る」という姿勢を継承しながら、入れ歯治療の技術向上にも努めていきたいです。継承したばかりで、まだまだこれからという段階ですが、遠方からでも通いたいと思っていただけるような歯科医院をめざしています。噛めなくて困っている方を噛めるようにすることで、地域の皆さんの健康寿命を延ばすお手伝いができればと、訪問歯科診療も視野に入れていますが、まずは近くで困っている方を一人でも多く助けていきたいですね。

