野村 周平 院長、野村 昌利 理事長の独自取材記事
野村歯科医院
(安芸郡府中町/矢賀駅)
最終更新日:2025/07/30
本町四丁目バス停と城ヶ丘入口バス停から徒歩約3分の住宅地にある「野村歯科医院」は、1987年開業。2025年1月より初代院長の野村昌利先生から引き継ぎ、息子の野村周平先生が院長を務める。長年地域で親しまれてきた同院には、乳幼児から高齢者までが訪れ、家族3代で通う患者も多い。院内はバリアフリーで、キッズスペースやベビーベッドも用意。診察室はプライバシーに配慮し全室が個室だ。初診で精密検査を行い、2回目の診察ではカウンセリングルームで歯の状態や治療計画を説明した上で治療を進める。さらに「治療後がスタート」との考えで、定期的なクリーニングとメンテナンスを推奨。患者が生涯自分の歯で噛めるよう、全力でサポートする同院の診療について、昌利理事長と周平院長に話を聞いた。
(取材日2025年6月19日)
「治す」よりも「悪くならない」ために予防に注力
周平院長が歯科医師をめざした動機と、ご経歴を教えてください。

【周平院長】父の影響はやはり大きいです。子どもの頃から、患者さんに感謝される父の姿を見てきました。仕事に対し真摯に向き合っている姿がとても印象的で、「自分もこんなふうに人の役に立てる仕事がしたい」と自然と思うようになりました。大学を卒業し、広島市内で勤務後、東京で歯周病を専門とする先生のもと経験を積みましたが、いつか地元に戻って地域の皆さんに恩返しがしたいという思いをずっと持っていました。2020年に府中町に戻って当院の副院長に就任、今年1月に院長となりました。父とともに地元に根差した歯科医療を提供できるのは本当にうれしいです。
診療の際に心がけていることはありますか?
【昌利理事長】例えば、あいさつは誰にでもできる些細なことですが、ないがしろにしたら信頼されませんよね。開業以来、あいさつや笑顔、丁寧な説明など誰にでもできることを、誰にもできないくらいきちっとやり抜く姿勢を貫いてきました。その上で、患者さんの立場になり第2の家族のような気持ちで接し、信頼関係を築いて診療を行うことを、何よりも大切にしています。
【周平院長】歯科医院は怖い場所と思われがちですが、当院では、できるだけ痛みを軽減した治療を行い、決して患者さんを怒ることはありません。「ここに来て良かった」「また受診したい」と思っていただけるような優しい歯科医院をめざしています。
予防を大切にしているそうですね。

【周平院長】虫歯も歯周病も、「治す」より「ならない」に越したことはありません。初診で精密検査を行い、2回目は検査結果をもとにカウンセリングルームで丁寧にカウンセリングし、お口の状態を共有した上で今後の治療や予防の方針を一緒に考えていきます。治療をしていても、何の治療をしているのかわからなかったら不安ですよね。なので、必ず患者さんに治療計画を理解してもらった上で治療に入ります。カウンセリングの前には生活習慣問診票に記入をしてもらい、歯に悪影響を与えている原因を探って改善のための指導に役立てます。また、歯科医院の治療と患者さんのセルフケアは両輪で、どちらかができていないと歯の健康は保てません。どんなに丁寧にセルフケアをしていても、3ヵ月もすると口の中の細菌は増えますから、定期的にクリーニングなどのメンテナンスのための受診を継続していただくようにしています。
受診のハードルを下げ、治療のモチベーションを高める
治療の継続に向けた取り組みを教えてください。

【周平院長】歯を失う一番のリスクは、「治療の中断」です。治療を途中でやめると、症状が進行することが多いため、受診のハードルを下げ、「また来たい」と思っていただけることが大切。スタッフ一同、患者さんに寄り添った対応を心がけ、設備面でも体が不自由な方やお子さん連れの方も安心して受診でき、プライバシーに配慮した診療環境を整え、気持ち良く来院していただけるようにしています。お子さんには、治療を頑張ったご褒美に虫歯になりにくいお菓子をプレゼントすることもあります。
【昌利理事長】当院では、初診の患者さんには、ご自身の歯垢を位相差顕微鏡で見ていただきます。実際に細菌が動く様子を目の当たりにすると、「なんとかしなくては」という気持ちが芽生えるようです。頭では歯の健康の大切さをわかっていても、受診に二の足を踏む方も多いので、自発的に治療への意欲を持っていただく動機づけをしています。
「子どもの虫歯ゼロ」を目標に掲げておられますね。
【周平院長】3歳までに正しい食習慣・生活習慣を身につければ、将来的に虫歯になりにくいといわれます。当院では妊婦さんの口腔ケアも行っているので、妊娠中から、乳幼児に歯科を受診する必要性をご説明しています。また、歯ブラシが届きにくい奥歯が生える6歳と12歳は虫歯のリスクが高まるので、節目ごとに受診を呼びかけています。子どもの頃から正しいケアを習慣にすることは、大人になっても健康な歯を保つことにつながりますから、お子さんには、無理なく少しずつ慣れてもらえるよう、優しく楽しく、保護者の方にはわかりやすく、ブラッシングの方法や生活習慣のアドバイスを行っています。
審美歯科も予防の視点を重視しているそうですね。

【周平院長】治療を繰り返さないためには、歯茎や周囲の組織への負担を減らし、しっかり噛める状態を維持することが重要です。審美歯科は見た目をきれいにするイメージかもしれませんが、予防にも役立ちます。例えば、詰め物やかぶせ物の治療に用いるセラミックは、汚れが付着しづらく、長持ちして再発しづらいというメリットがあります。同様に、歯列矯正も見た目がきれいになるだけでなく、虫歯や歯周病のリスクを軽減し、噛み合わせの改善を図るという目的があります。当院では月2回、矯正を専門とする歯科医師が診療を行っています。
一丸となって地域住民の歯の健康を守りたい
スタッフやほかの医療機関との連携はどうされていますか?

【昌利理事長】患者さんの担当となった歯科衛生士がメインとなり、1時間かけてカウンセリングを行うのも、当院の特徴です。歯科衛生士はカウンセリングを通じて患者さんと人間関係を築き、密接なコミュニケーション図っています。家族で通う患者さんも多いため、「最近、おばあちゃん見かけないけど、お元気ですか?」などと声をかけ、受診につながることもありますね。定期的なメンテナンスでは、クリーニングなど歯科衛生士に頼るところが大きく、歯科医師と歯科衛生士が役割分担をして、まさに二人三脚で診療を行っているのです。また、インプラント治療など外科的な治療が必要な場合は、専門性の高いクリニックを紹介しています。「チームで患者さんの歯を守る」という意識で、近隣のクリニックの力を借りながら最適な治療をめざして取り組んでいます。
今後の展望をお聞かせください。
【周平院長】小児歯科と審美歯科に力を入れていきたいです。乳幼児のうちから受診していただき、噛み合わせや歯並びの問題を早期発見できたら、早めに適切な指導や矯正を行い、虫歯や歯周病のリスク軽減につなげたいです。審美歯科ではホワイトニングの需要も多く、若い世代だけでなく中高年男性が希望されることも。コンプレックスがあった方が「相談して良かった」と笑顔を見せてくださるとうれしくなります。
【昌利理事長】皆さん、美容院に行くのは楽しみではないですか? 当院では「クリーニングを受けるのが気持ちいい」と、患者さんに来院を楽しみにしてもらえるような定期メンテナンスを心がけています。歯を磨くのが生活の一部になっているように、歯科医院でのクリーニングも習慣となり、美容院に行くように楽しみにしてメンテナンスにいらしていただきたいですね。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

【昌利理事長】歯科治療は歯を削ったり抜いたりするもの、というイメージが強いかもしれませんが、私の理想は、タービンという歯を削る回転切削器具を持たないことです。予防のための定期的なメンテナンスとセルフケア指導に注力し、「当院には虫歯の患者さんがいないな」と言える日が来たら何よりです。
【周平院長】歯の悩みがある場合はもちろん、何もなくても、地域の方が気軽に相談や定期検診に訪れることができるクリニックでありたいです。「歯科医院は痛くなってから行くところ」ではなく、「痛くならないために通うところ」です。お子さんも大人の方も、家族みんなで通える歯科医院として、これからも地域の皆さんの健康を支えていきたいと思っています。どうぞ気軽になんでもご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とはセラミックの詰め物/6万6000円、セラミックのかぶせ物/8万8000円~、1期矯正(小児矯正)/35万円〜 2期矯正(ワイヤー矯正)/70万円〜、ホワイトニング/2万5000円~

