豊島 泰介 院長の独自取材記事
春日歯科クリニック
(高松市/春日川駅)
最終更新日:2021/10/12

国道11号線と、高松市内を南北に貫く幹線道路との交差点付近に位置する「春日歯科クリニック」。かまぼこのような、円いかわいらしい屋根が目印だ。院長の豊島泰介(としま・たいすけ)先生は、一般大学を卒業後、会社勤務を経て歯学部に進学し直し、歯科医師の道へ入った。歯科治療と並行して、長らくトライアスロンの大会に選手として参加するなど、歯科診療以外にもさまざまな経験を持つ歯科医師だ。18年にも及ぶ長い期間、離島診療にも関わってきた豊島院長に、地域医療への思いやクリニックの診療について話を聞いた。
(取材日2021年7月8日)
一つ一つの治療を丁寧に、予防治療で確実なケアを
歯科医師をめざされた経緯を教えてください。

父親が歯科医師だったので、その影響が大きいのかもしれません。もっとも、自分は、小さい頃から歯科医師をめざしていたというわけではなく、初めは歯学部や歯科大学ではなく、一般大学に進学して社会学を学び、その後は一般企業に就職して会社員をしていました。就職して4年半ほどたった頃に、あらためてこれから先もこの仕事を続けていくのかと自問し、長くできる仕事は何かと考えた時に、自然と歯科医師という選択が自分の中にあったのです。そこで会社を退職して歯科大学に再度進学をし直し、そこから歯科医師としての道を歩き始めました。
この場所に開業を決めたのはなぜですか?
大きな理由はなく、たまたまここのテナントが空いていたからなんです(笑)。これもご縁というのでしょうか。私が歯科医師になった時には、父は歯科医院をもう閉めて引退してしまっていたので、大学卒業後は町の歯科医院で4年ほど勤務医をし経験を積みました。その後、開業を考えていたタイミングで、この場所とのご縁があり、以来こちらで診療を続けています。この辺りは開業当時田んぼばかりで、民家も少なかったのですが、今では当時からしたら考えられないほど産業地域として発展しましたね。以前は周りに歯科医院も少なかったので、毎日大勢患者さんが来られていた時期もありましたが、今は周囲にほかの歯科医院もでき、少し落ち着いて診療しています。
診療時に心がけていることはありますか?

一つ一つの工程を丁寧に行うことを常に心がけてきました。丁寧に説明をして、丁寧に治療や口の中の掃除をして、また次に来てもらえるようにしています。当院は予防歯科に力を入れており、予防では定期的なケアがとても大切になってきますから、治療が終わっても患者さんの足が遠のかないように、ということには気を使っています。熱心にケアできている患者さんはこちらの話にもきちんと耳を傾けてくださいますが、ケアにあまり関心のない患者さんの場合はそうでもないこともあります。でも、どんな方にも話をきちんと聞いてもらえるように、できるだけマイナスなことを言わずに、良いところを褒めるようにして、患者さんの中に自然にこちらの話が入っていくように、ということを心がけています。あとは、オーバートリートメントにならないように、抜く・削るということは軽々に判断せず、慎重に行っています。
顕微鏡を活用し、患者の予防意識を高めていきたい
院内の設備や機器類について教えてください。

そろえているのはごく一般的な機材ですが、少し変わったところだと、顕微鏡でしょうか。プラークや歯周病菌を見ることができるので、実際に患者さんに見てもらうことで予防ケアの意識を上げられると思いますので、今後はもっと診療にうまく取り入れていきたいと考えています。あとは、数年前からデジタルのパノラマエックス線撮影装置を導入しています。フィルムを使うものと違い、デジタルの場合は確実にきれいな画像が入手できるので、治療の精度の向上に役立っていると思います。
感染症対策はどのようにされていますか?
ごく一般的な対応かとは思いますが、除菌のためのミストや空気清浄機を設置しています。また、機材の清拭などは患者さんの治療ごとに行っています。あとは、体温測定をし、治療前には患者さんに口腔洗浄液でのうがいをお願いしています。治療中の飛沫を防ぐために口腔外バキュームなども備えています。
スタッフさんについても教えてください。

メインで勤務してくれている2人のスタッフのほかにも2人のスタッフがいて、全部で4人の歯科衛生士が関わってくれています。木曜は私のみですが、それ以外の曜日には誰かしらスタッフが入ってくれています。私は離島診療にも関わっているのですが、その際にも歯科衛生士が2人同行してくれて、島の方が受付をしてくれています。皆、キャリアのあるスタッフですので、こちらからあれこれ言わなくてもしっかり動いてくれて、本当に助かっています。それぞれのスタッフの個性やキャリアが生かせるよう、自主性を大切にしたいと考えています。
スポーツや離島診療、好きなことと縁をつなぎ続ける
先生はスポーツに造詣が深くていらっしゃるとか。

スポーツには長く関わってきました。中学時代に2年ほど水泳をしていて、その後は20年ほどサッカーをしていたんです。ところが、あまりうまくならなくて(笑)。実は自分はチームプレーよりも個人スポーツのほうが向いているんじゃないかと思うようになって、ずっと興味を持っていたトライアスロンを始めたんです。1987年には小豆島で開催された大会に参加し、その後も15年ほど競技を続け、今はコーチや大会の審判員として関わり続けています。トライアスロンはもはや趣味というよりはライフワークですね。こうしたスポーツ経験を生かしてスポーツ歯科についても勉強もしており、スポーツ用マウスガードの作製も行っています。スポーツに取り組んでいる方で、歯にトラブルや困り事を抱えている方は、ぜひ気軽にご相談ください。
やりがいを感じられるのはどんな時ですか?
患者さんに喜んでもらえる、というのはやはりうれしいことですよね。実は歯科医師会の活動で、もうかれこれ18年ほど豊島という離島での診療に携わっています。そこに手を挙げた幾人かの歯科医師が交代制で訪問しているのですが、島の皆さんがいつも楽しみに待っていてくれるんです。やはり信頼してもらっている、喜んでもらえているということがダイレクトに伝わってくるのはうれしいもので、大きなやりがいになっています。島の診療所は閉院した歯科医院からの機器の寄付などもあって、この18年で設備もだいぶ整ってきました。参加する歯科医師の顔ぶれも入れ替わりがあり、18年も関わっている歯科医師は少ないんですが、自分としては、これからも豊島での診療にはずっと関わり続けていきたいと思っています。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

当院は難しい治療に特化をするというよりも、普通の治療を確実にやっていくということに重きを置いている歯科医院です。そして予防歯科に力を入れて取り組んでいます。痛みが出た状態というのは、実はかなり進行している状態です。そうならないように予防をすることで、悪化を防ぐことができるし、そうすることで患者さん自身の心身の負担もかなり少なくなると思います。歯は長く使っていくものです。自分の歯を守れるように、定期的なケアをしっかり行っていただきたいと思います。当院では患者さん自身にそういう自覚を持ってもらえるよう、予防歯科の大切さをお伝えしていますので、歯の健康を維持したいという方はぜひお気軽にご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とはスポーツ用マウスガード/1万円