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今上 茂樹 院長の独自取材記事

イマウエ歯科クリニック

(小豆郡土庄町)

最終更新日:2025/11/13

今上茂樹院長 イマウエ歯科クリニック main

風光明媚な瀬戸内海に浮かぶ小豆島。この島には、大正時代から100年以上続く歯科診療所がある。「イマウエ歯科クリニック」だ。場所は土庄港から車で約10分。長年、多くの島民を支えてきた旧診療所は2025年に新築移転し、現在は今上茂樹院長とその息子の今上修一副院長が、次の100年へと歴史をつないでいる。大阪歯科大学卒業後、同大学院で口腔外科学を専攻した茂樹院長は、この道50年以上のベテラン歯科医師。先進の歯科治療機器を積極的に導入しながら、昭和・平成・令和の時代に沿った的確な診療をめざしてきた。青い海を思わせる診療ウエアを颯爽と着こなし、「これからも、皆さんのかかりつけ医でありたい」と晴れやかに語る茂樹院長に、診療所の歴史や診療のモットーなどを尋ねた。

(取材日2024年1月5日/情報更新日2025年11月4日)

小豆島で100年以上続く歯科診療所

診療所の歴史から教えていただけますか?

今上茂樹院長 イマウエ歯科クリニック1

始まりは1917年。私の祖父が、ここからもう少し西の土地で母体となる診療所を開設しました。祖父の時代には歯科の大学などありませんでしたから、島を出て東京の歯科医師の家に寄宿して、夜となく昼となく治療や技工の腕を磨き、検定試験に合格して開業に至ったそうです。そのまま30年以上診療を続けていましたが、場所が町の中心部から離れていたことから、父の継承と同時に、かつて「島銀座」と呼ばれたアーケード街の中に移転。それが1952年のことです。その後は時代の流れで、自家用車で来られる患者さんが増えていきましたので、3代目の私は妻と3歳の息子とともに、駐車場を十分に確保できる場所で開業。そして、1980年の開業からちょうど45周年を迎える2025年に、はす向かいのこの場所で移転開業をしたという流れです。小さかった息子も、副院長として一緒に診療室に立てるようになりました。

以前の診療所は、設計が独特だったと記憶しています。

開業前に3件ほど設計事務所を回り、一番ユニークだった案を採用しました(笑)。キーワードは「六角形」です。以前の建物は合計4つの六角形で構成されていて、待合室も診療室も、すべて六角形になっていました。スペースの無駄を極力なくしながら、常に患者さん全員の様子を見られるというこの設計は、現在の診療室にも引き継がれています。ユニークな点は、それだけではありません。かつての診療室の隣には、子どもたちが4人並べる歯磨きコーナーがあり、除去した歯垢はその場で顕微鏡に取って、頭上のモニターで見せられるようにしていました。亡くなった妻が小児歯科を専門にしていましたので、昔は大人の患者さんだけでなく、子どもの患者さんも多かったのです。開業当初は小児専用の診療エリアを別途設けながら、夫婦二人三脚で診療を続けていました。そんな診療所は、県内でも珍しかったと思います。

子どもたちのために、フッ化物洗口に取り組まれたこともあるそうですね。

今上茂樹院長 イマウエ歯科クリニック2

この地区の小学校で、校医を担当していた妻が中心となって始めたことです。私は、その協力者でした。一定濃度のフッ化ナトリウム溶液でブクブクうがいをすると、虫歯の予防につながるといわれています。公衆衛生的手法として、今では全国にフッ化物洗口を実施している小学校がありますが、妻は島内でも早くから、フッ化物洗口に取り組んでいました。残念ながら、妻が校医をしていた渕崎小学校は2015年に閉校。土庄小学校に統合されてしまいましたが、「子どもたちの虫歯を減らしたい」という妻の想いは、立派に成長した息子と一緒に、何らかの形で継承していきたいと思っています。

先進の治療機器を備え、予防歯科に注力

先生の歯科医師としての歩みをお聞かせください。

今上茂樹院長 イマウエ歯科クリニック3

私の父が、今の大阪歯科大学の前身となる大阪歯科医学専門学校の出身でしたので、私も大阪歯科大学に進学しました。1971年の卒業後は口腔外科学を専攻し、同大学院を修了。口腔外科学を選んだのは、島の開業医になった後も、口腔がんや難しい抜歯の症例に対応したいという思いがあったからです。大学院で習得した知識や技術を生かして、開業後は虫歯・歯周病・顎関節症という三大歯科疾患の治療から、入れ歯などの技工、さらには外傷を受けた顎骨の固定術まで対応してきました。息子と二診体制を敷くようになった現在でも、技工は引き続き私の分野です。この新しい診療所の中央部にも、患者さんから見える窓つきの技工スペースを設置してもらいました。今後も歯科技工所と連携を取りながら、お一人お一人に合わせた技工物の作製を心がけていきます。

矯正治療も、先生のご担当だそうですね。

一定のニーズが存在する歯列矯正は、基本的には私の担当です。島の開業医として、できるだけ治療の引き出しを増やしておきたかったので、マルチブラケットシステムでワイヤーを用いる矯正治療についてもしっかりと勉強を行ってきました。近年はお子さんの小児矯正を希望される方が多く、将来、永久歯がきれいに生えそろうスペースを作るための一次矯正である床矯正などを、息子とともに取り組んでいます。

息子さんが帰って来られる前から、先進の治療機器をそろえていたとか。

今上茂樹院長 イマウエ歯科クリニック4

目には見えないような細部の確認や、精密な形成が求められる症例に役立てようと、歯科用マイクロスコープは早くから導入していました。根管治療、いわゆる歯の神経の治療が良い使用例です。最初に購入した1台目は固定式で、患者さんとの情報共有が困難でしたので、後から可動式のものをもう1台購入しました。その他にも、歯をスキャニングするだけで型採りができる口腔内スキャナーや、痛みに配慮しながら虫歯や歯周病の治療を進められるレーザー機器などを随時、導入。幅広く活用してきました。私の診療のモットーは、時代の流れに乗った、丁寧で的確な歯科治療を提供すること。そのためには、先進の機器を取り入れた環境の整備も必要と考えました。

これからも、島のかかりつけ医であり続けたい

開業から40年以上たちました。今の患者さんたちをどのようにご覧になっていますか?

今上茂樹院長 イマウエ歯科クリニック5

「80歳になっても、歯を20本以上残そう」という運動、通称8020運動の広まりもあってか、昔よりも「歯を治して残したい」と考える方がぐっと増えました。私が開業した当時は、70歳ぐらいになれば歯のない状態が当たり前でしたが、長年歯のない生活を送っていた方でも、入れ歯を希望して来院されるのが令和という時代です。当診療所では矯正治療やインプラント治療など多数の治療プランをご用意しており、現在は歯の治療に来られる患者さんが目立ちますが、今後は定期メンテナンスを目的とした、働き世代の方々にもさらにお越しいただければと思っています。

お忙しい日々だと思いますが、休日のご趣味は?

一番の趣味は、スキーです。スキーと出合ったきっかけは、大学生の頃に所属していたワンダーフォーゲル部でした。「春、夏、秋の山には登るけれども、滑落や遭難の危険がある冬はスキーをする」というその部の方針に則り、登山とスキーの両方を楽しんでいました。18歳の頃からもう60年以上、趣味としてスキーを続けています。75歳になるまでは、日帰りや泊まりがけで全国に滑りに行っていました。ちなみに、香川県スキー連盟の大会で大回転部門に出場したところ、60歳以上の部で3位に入賞したこともあります(笑)。

先生の今後の目標はありますか?

今上茂樹院長 イマウエ歯科クリニック6

島の皆さんが将来歯を失って入れ歯にならないように、1本1本の歯の寿命を延ばせるように、そのサポートをさせていただきたいです。一度失ってしまえば、歯は二度と元には戻りません。虫歯や歯周病を予防しながら、患者さんの健康な口腔環境の維持・獲得に貢献できるよう、これからも最大限の力を尽くしたいと思います。時代が移り変わっても、私の根底にある想いは変わりません。皆さんが生まれてからお亡くなりになるまでの、人生のかかりつけ医でありたい。予防を重視した診療を通じて、一人でも多くの方の健康増進に寄与したい。私は歯科医師としての誇りを持って、生涯、診療室に立ち続けたいと思います。

自由診療費用の目安

自由診療とは

小児矯正(一次矯正、機能訓練など)/8万~25万円、成人ブラケット矯正(二次矯正)/60万円程度、インプラント治療/40万円程度

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