大谷 淳二 院長の独自取材記事
大谷歯科矯正歯科
(松山市/市坪駅)
最終更新日:2021/10/12

商業施設や教育機関が充実する松山市古川地区は、ファミリーに人気のエリアだ。地域の椿小学校のすぐそばにある「大谷歯科・矯正歯科」はカフェと見まがうような外観が際立つクリニック。院内のメインとなる吹き抜けのコンサルティングルームは明るく開放的で、そこかしこに置かれたグリーンは目に優しく、アロマの香りにも心が癒やされる。「訪れた患者さんがリラックスし、互いに本音で語れる場所をつくりたかった」という大谷淳二院長は患者との対話を重視する歯科医師。矯正治療と歯周病治療を中心に、トータルで口腔内環境を整えていく「包括的歯科診療」をコンセプトに掲げる。大谷院長に、クリニックの診療方針や診療にかける思いなどを聞いた。
(取材日2020年7月14日)
「歯を大切にしてくれるクリニック」と言われ続けたい
院内中央のエリアは、コンサルティングルームだそうですね。

ここは私が常時仕事をしている場所で、コンサルティングルームとしても活用しています。吹き抜けになっていて、天窓から明るい光が差し込む、開放的な空間として設けました。建物の真ん中にありますから、クリニック全体が見渡せますし、緑も目に入る落ち着いた空間です。クリニックでは診療用のチェアに座ってお話しする機会が多くなってしまいます。ただ治療中は患者さんも緊張していますから、本音を話しづらいものですよね。患者さんが肩の力を抜いて、話をする場所をつくりたかったのです。私も患者さんとざっくばらんにお話ができますから、広々としたこのコンサルティングルームは気に入っています。
患者さんとの対話を重視していらっしゃるそうですね。
私たちは歯に携わる者として、歯の大切さや治療についてお伝えできることはたくさんあります。口腔内を健康に保つ重要性や予防歯科についてなど挙げるときりがないほどです。ただ、歯の大切さを患者さんご自身に感じてもらわなければ、「自分ごと」にはなりません。患者さん自らが納得し、なるほどと感じてこそ治療やメンテナンスが継続できると考えています。そこで、正しく歯の大切さを知ってもらうために、「歯のはなし」プロジェクトを立ち上げました。お口の健康を保つための方法をお伝えしたり、不定期ではありますが親子でできる歯磨き体験などのイベントを企画したり、丁寧にお話しする機会を設けています。正しい知識を共有した上で、患者さんと対話を重ね、個々の気持ちや事情もくんで治療を進めていくことをモットーとしています。
患者さんにまず伝える点とはどんなことですか?

今治療をすることで、二度と治療する必要がないような方針を常に提案していきたいと思っています。ケースバイケースではありますが、基本的に最初は患者さんの「痛い」を治療することからです。ただ、現在の痛みを治療するだけで終わりたくはないのです。5年、10年それ以上たって同じトラブルが起こるようでは、根本的に治療したとはいえないと思います。集中して治療したら、次は健康な状態を維持していく努力が必要です。治療が終わり、通院する必要がなくなっても自宅でケアを続けていってもらい、健康な歯を維持するお手伝いをするのが私たちの役割でもあります。歯の健康をトータルに診断し、より良い口腔内環境へ整えていく「包括的歯科診療」を提示するスタンスを最優先しています。そのためにも「歯のはなし」は大切ですし、患者さんに現状や未来の歯の健康を理解してもらうために尽力していきます。
包括的な歯科診療の礎になる矯正治療と歯周病治療
矯正治療と歯周病治療について教えてください。

先ほどお話しした「包括的歯科診療」の視点において、基礎となるのが矯正治療と歯周病治療だと考えています。例えばどれほど素晴らしいかぶせ物があっても、土台となる歯並びが整っていないままであれば、噛み合わせの治療もうまくいきません。かえって歯に負担をかけてしまうケースもあります。一時的に見た目を整えたとしても、再度治療が必要になってしまうんですね。また、矯正治療は骨格を調整し、上にある歯の位置を変えるものです。歯を守る歯茎も重要な役割を担いますから、矯正治療と歯周病治療は切り離せないのです。歯並びが良くないと歯磨きなどメンテナンスも難しくなりますから、虫歯や歯周病にもなりやすくなるでしょう。ですから、矯正治療と歯周病治療はお口の健康を保つ土台であり、当院の治療の根幹に据えています。
矯正治療に適した年齢はあるのですか?
幼少時の矯正治療は、顔の上顎や下顎など骨格の成長をコントロールし、正常な状態に近づけていくものです。上下のバランスなども診ながら、良い噛み合わせをめざしていきます。とはいえ、矯正治療は年齢に上限はありません。もちろん、骨と歯茎が元気であるという条件はありますが、基本的には何歳になってもスタート可能です。年齢を重ねると、歯を支えている部分が痩せてきますから、歯並びが目立ちやすくなりますので、気にされる方もいます。ちなみに、当院で矯正治療をされた方の最高齢は73歳です。
スタッフとの連携も大切にされているとか。

当院では「Shine on you」、あなたを輝かせるという言葉をスローガンとしています。歯科医師や歯科衛生士、スタッフ皆一丸となって患者さんを輝かせることを第一に考えるよう心を配っています。私も含め自分たちの都合やクリニック視点を押しつけるのではなく、患者さんのために何ができるか、何をしてあげられるかを中心に動こうと。例えば当院の歯科衛生士がお口のケアやアドバイスをすることで、患者さんが明るくなり、日々を輝いて過ごすお手伝いができれば、こんなにすてきなことはないと思っています。女性の患者さんの中には、初診の頃とがらりと雰囲気が変わる方もいます。表情が晴れやかになり、メイクや服装も明るくチェンジされる方も。少し大げさですが、患者さんの人生に関わっているという認識をスタッフ皆で共有し、診療に生かしています。
フィリピンでのボランティア経験が道を拓く
歯科医師を志した理由を聞かせてください。

2013年に開業する以前、この地で父が歯科クリニックを営んでいました。父は多忙で不在がちだったこともあり、「歯科医師だった」とあらためて認識したのは進路を決める高校3年生になってからです。そもそもは、大好きなサッカーの経験も生かせる、スポーツに関わるドクターの道を志していました。たまたま歯学部の5年生の時、友人に誘われて歯科医療ボランティアに参加しました。フィリピンのスラム街で治療にあたるもので、学生は歯磨き指導や口の中の写真を撮るなどのサポートが仕事でした。治療前の朝早くから1000人以上の行列ができ、歯の診察を待っているわけです。朝から夕方までご飯も取らず、ひたすらボランティアを続けとても感謝されました。「歯科医師は必要とされている」と実感し、あらためて身の引き締まる思いをした経験が大きく影響しています。
やりがいを感じるのはどんな時ですか?
お口の掃除やメンテナンスが終わって「気持ちが良かった」「もっと早く掃除してもらえばよかった」「また来たい」など、歯科衛生士が褒められているとうれしいですね。クリニックとしての理念を共有し、いろいろと教えてきたスタッフが評価されるのが一番のやりがいです。それから「よく話を聞いてくれる歯科クリニックだ」というクチコミを頼りに、話を聞きにくる患者さんがいらっしゃることも光栄に感じています。通っている患者さんが「まず話だけでもしてみたら」と勧めてくださるようで、丁寧に対話を重ねてきてよかったなと感じる瞬間でもあります。
最後に読者へメッセージをお願いします。

元気に過ごされてきた方でも、30代あたりから体の変化を感じるケースが多くなります。お口の中も同様です。ただ30代は子育てや仕事などで忙しくなる時期でもあり、自分の体だけに向き合うのは難しいことも事実。そんな中、のんびりとクリニックに通うのは難しいかもしれません。ただ、早めに受診すればするほど、治療にかける時間は少なくて済むでしょうし、お口の健康をキープしやすくなります。自分に合ったかかりつけのクリニックを見つけ、少しの変化であっても見逃さないよう、自らを労るのも大切です。当院が見据える最終的な目標は、地域に住む方のお口をすべて健康に保っていくことです。治療のゴールはどこで、その目的、内容はどんなものなのか。かかりつけ医として、患者さんとともに話し合い、個々人に合った治療を提案できるクリニックとして進化していきたいですね。
自由診療費用の目安
自由診療とは第1期矯正(小児矯正)/46万6000円~、第2期矯正(成人矯正)/表側 78万7800円~、裏側 89万200円~、マウスピース型装置を用いた矯正 26万800円~、限局矯正/装着する歯1本あたり1万200円/歯~、矯正用アンカースクリュー/1万8900/本~、調整料金(1回の来院ごと)/3700円~(すべて税別)
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。