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中城 正 先生の独自取材記事

松山歯科口腔外科クリニック

(松山市/勝山町駅)

最終更新日:2022/05/06

中城正先生 松山歯科口腔外科クリニック main

1971年の開業以来、半世紀近くにわたり地域密着の歯科医療を展開してきた「中城歯科医院」は、2019年1月に「松山歯科口腔外科クリニック」と改称。愛媛大学医学部附属病院歯科口腔外科と提携し、口腔外科に特化したクリニックとして新たなスタートを切った。午前は一般歯科診療、午後は口腔外科専門の歯科医師による検査・診断・治療という体制を整えており、親知らずの抜歯や顎関節症、口の中の違和感や痛み、口腔がんまで、愛媛大学医学部附属病院との連携による診断・治療を提供。「松山市における歯科口腔外科の拠点として、患者さんのお役に立ちたいですね」と優しい表情を見せる中城先生に、歯科医師としての想い、また口腔外科治療に関する話を聞いた。

(取材日2019年7月20日)

口腔外科に特化したクリニックを松山に

先生が歯科医師になった当時のことを教えてください。

中城正先生 松山歯科口腔外科クリニック1

もう50年以上前のことになります。当時、国内に国立大学歯学部は2つあり、そのうちの1つ、大阪大学歯学部へ進みました。卒業後は徳島大学の口腔外科、松山市堀之内にあった国立松山病院(現・四国がんセンター)で一般歯科から外科的治療まで、幅広い歯科医療の経験を積み、地元松山で開業しました。今でこそ松山市内にはたくさんの歯科医院がありますが、当時は本当に少なくて、地域に歯科医師が求められていた時代でした。ですから、患者さんの数も多く、虫歯や歯周病、親知らずの抜歯など何でも診ていました。徳島大学や国立松山病院にいた頃は、地方から口腔がんの患者さんも訪れていたので、術前術後は内科の先生と共診するなど、当時から医科歯科連携の重要性は感じていました。

愛媛大学医学部附属病院との提携を決めたきっかけとは?

私の知る限りでは、松山市内に口腔外科専門の歯科医院がなかったことが一番ですね。地域の皆さんに、より専門的な口腔外科診療を受けていただきたい。それには愛媛大学医学部附属病院のご協力が不可欠であると考えました。愛大病院には、日本口腔外科学会の口腔外科専門医の先生方が何人かいらっしゃいます。その先生方に当院に来てもらって診療をしてもらっていますので、患者さんの利便性も上がるのではないでしょうか。愛媛大学としても「県内全域に医療サービスを提供する」ことに積極的に取り組まれているので、口腔疾患の早期発見につなげる拠点として、当院がその役目を果たせたらうれしく思います。

連携することで、どのようなメリットを感じますか?

中城正先生 松山歯科口腔外科クリニック2

今は昔と比べて高齢化が進んだことで、がん患者も高齢化が進んでいます。特に口腔がんを発症する人は70代以上の男性が圧倒的に多いですから、糖尿病や高血圧など何かしらの基礎疾患があるわけです。例えば口腔がんの手術を行う際、糖尿病の状態が悪いと、血が止まらないなどの支障を来すことがありますから、内科の先生にしっかりと糖尿病のコントロールをしてもらった上で治療に臨む必要があります。愛大病院では医科歯科連携により患者さんの持病も含めてトータルで治療ができることが強みであるし、患者さんにとっても安心できる点だと思います。当院では、愛大病院の先生が診察した上で、重大な疾患が認められた場合は、愛大病院での本格的な治療を行います。

口腔外科のプロフェッショナルが専門的な診療を行う

どのような症状やお悩みで来院される患者さんが多いですか?

中城正先生 松山歯科口腔外科クリニック3

口腔外科部門では、親知らずの抜歯と顎関節症の患者さんが多いですね。親知らずの抜歯については、かかりつけの歯科医院から紹介状を持ってくる方もいらっしゃいます。基幹病院の口腔外科でも抜歯できますが、大きな病院になると、「では3ヵ月後に」ということもしばしば。すると、せっかくの決心も鈍ってしまいますよね。当院では、あまりお待たせすることがないようにしていますし、愛媛大学医学部附属病院から来ている専門の先生が対応してくれるので心強いのではないでしょうか。ちょっとでも気になるなと思うことがあったら、気軽に見せてくださいね。

顎関節症など、口腔外科で診てもらえる疾患はほかにどのようなものがありますか?

歯科口腔外科の看板を掲げてから、顎関節症の患者さんも随分増えました。恐らく、それまではどこで診てもらえばいいのかわからず、我慢していた方も多かったと思うのです。顎関節症は顎を動かしたとき音が鳴る、違和感があるなどの初期症状を放置しておくと痛みが出て、口が開かなくなることも。違和感のある程度でも、早めに来ていただくことが重要です。また、歯に原因しない痛みを感じるときは、三叉神経痛の疑いがあります。これは、唇の周りを触ると、うずくまるほどの電撃痛が走るというような症状です。三叉神経は末梢神経なので、歯の痛みと勘違いしやすいのです。何かわからない痛みや違和感、口の乾きなど、口の中は想像以上にいろんな疾患がありますから、気になったらとにかく来ていただけたらと思います。

口腔がんへの関心も高まっていますが、注意すべきはどのような症状でしょうか?

中城正先生 松山歯科口腔外科クリニック4

普段の生活習慣では、お酒とタバコ。これが口腔がんの大きな要因の一つですから、特に長年嗜んでいる方は要注意です。また、気にしていただきたいのは、1ヵ月以上治らない舌や頬の裏、歯茎など口のあらゆる場所にできる口内炎。ほとんどの場合はがんではないのですが、治りが悪く、白くなっていて痛みを感じるようですと、早期がんの可能性もあります。普通の口内炎なら自然治癒しますから、なかなか治らない場合は早めに診てもらうことをお勧めします。しかしながら、一般歯科では、早期のがんですと口内炎との見分けがつかないことがあります。当院では、その診療を得意としている口腔外科の専門家が診ますので、より精密な診断が可能です。

医療の地域格差を埋める、拠点としての役割

インプラントの治療も行っているのですか?

中城正先生 松山歯科口腔外科クリニック5

当院では、インプラントを専門とする口腔外科の先生が診察をした上で、検査、手術などの外科的治療は愛大病院にて行います。愛大病院にはインプラントの設備が整っていますし、糖尿病などの持病がある患者さんにも医科歯科連携で迅速に対応することができますからね。最近のインプラントの設備はすごいですよ。専用のソフトを用いて、歯を埋め込んだ後の噛み合わせまで3Dで設計し、コンピューターがシミュレーションしたサージカルガイドに基づいて治療しますから精度が格段に上がり、出血や神経障害のリスクもかなり減ってきています。治療後にもし不具合が生じたとしても、愛大病院でしっかり診ていきますから、安心していただけるかと思います。

今後の展開としては、どのようにお考えでしょうか。

松山市内にはこれまで歯科口腔外科に特化した歯科医院がなかったと思いますから、これからは、当院をそんな場所にしていきたいと思っています。口唇口蓋裂などの形態異状を専門とする教授をはじめ、口腔がん、顎関節症、インプラントなどそれぞれのスペシャリストの先生が協力してくださることはとてもありがたいことですから、ぜひ、多くの患者さんに気軽に利用していただきたいです。また、私個人としては、長年通院してくださっている患者さんをこれからも大切にしていきたいと思っています。歯科医師になり半世紀以上、私ももうすぐ80歳を迎えます。地域の患者さんと一緒に年を重ねながら、要望にお応えしていきたいですね。

読者の方へメッセージをお願いします。

中城正先生 松山歯科口腔外科クリニック6

口の中で気になる症状や不安なことがあっても、口腔外科にたどりつくまでに時間がかかる方が多いように感じます。ですから、まずはお口の中のことなら何でも診せてくださいということを一番にお伝えしたいですね。たとえかかりつけの歯科医院の先生に「異常はないですよ」と言われたとしても、違和感や虫歯とは違う痛みが続く場合は、歯が原因ではない疾患が隠れている可能性が高いのです。そんなときこそ、口腔外科の専門家の出番です。一般歯科では診断がつかない症状もありますから、一度来ていただけたら、お力になれることがあるかもしれません。松山市の口腔外科の拠点として、皆さんのお口の健康をサポートできるよう努めていきます。

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