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宮崎 卓爾 院長の独自取材記事

宮崎歯科

(今治市/今治駅)

最終更新日:2021/10/12

宮崎卓爾院長 宮崎歯科 main

今治駅のすぐ近く、中学校や高等学校がある文教地区で診療を行う「宮崎歯科」。院長の宮崎卓爾(みやざき・たくじ)先生は、大阪大学歯学部を卒業後、大阪駅前にあるHYデンタルクリニックに勤務。その後地元の今治市に戻り、1981年に同院を開業し、以来40年近く小児から高齢者まで、幅広い年代の人たちの歯の健康を守り続けてきた。現在は今治市歯科医師会の会長も務める宮崎院長に、クリニックの診療内容や、今治エリアの歯科医療の現状についてもたっぷりと話を聞いた。

(取材日2020年5月1日)

足元を見て、一歩ずつ着実に。地道に歩み続けて40年

医療の道をめざされたきっかけと、開業されるまでの経緯を教えてください。

宮崎卓爾院長 宮崎歯科1

幼い頃から好奇心旺盛で、いろんな職業に憧れましたね。小学生の時は考古学者、中学生の時は建築家になりたいと思ってました。医学の道に進もうと決意したのは高校時代に理数系が好きだったんですね。それで大阪大学の歯学部に進みました。卒業後は先輩にあたる元大学講師の先生が経営されていた大阪駅前HYデンタルクリニックに勤めて、歯科医師としての基礎を学びました。そのまま4〜5年は勤務医として研修するつもりでしたが、家庭の事情で急遽今治に戻り、開業しました。

クリニックのモットーや、診療で大切にされていることは?

阪大での研習医、勤務医時代からずっと大切にしていることは、患者さんに真摯に向き合い、丁寧に診るということです。HYの2人の恩師は性格が真逆でしたが、ハイレベルな治療方針や診断、技術的なノウハウを2倍吸収することができて、幸運な環境に恵まれたと思います。歯科は外科的な領域が多く、教科書を見るよりも百聞は一見に如かず。見学することで一瞬で理解できる、まさに職人気性の勉強法でした。そこで教えられた患者さん一人ひとりを丁寧に診るスタイルの基礎が歯科医師としての私のベースになっています。卒後最初にしっかりしたクリニックで研修することが大切で、その後の糧になると実感しています。

先生が得意な治療について教えてください。

宮崎卓爾院長 宮崎歯科2

特にこれが得意、というのではなく、一般歯科すべてでしょうか。私自身は、歯科はオールマイティーに対応できなければいけないという考えなんですよ。医科は専門医のスペシャリストとして細分化されてきている。歯科でも最近は、矯正専門、小児歯科専門、口腔外科専門で診療をされている先生方もいらっしゃいますが、当院は40年近く、この場所でクリニックをしています。2歳ぐらいから90歳代の方まで幅広い年齢層の患者さんを診ているので、あらゆる治療に対応できるようにしています。インプラント治療も行っていますが、インプラントありきの治療ではなく、インプラントをされたほうがいい患者さんにだけご提案しています。ただ最近は自分の年齢的なことも考え、長いお付き合いになる歯列矯正に関しては、矯正専門のクリニックを紹介しています。

歯科医師の仕事は、根気強さが何より大切

開業当時と今で、変化したことはありますか?

宮崎卓爾院長 宮崎歯科3

患者さんがほとんど待たなくていいように、予約の時間の入れ方を工夫しています。開業当時はまだ地域のクリニックの数も少なくて、とにかくたくさんの患者さんをこなすことが優先で、15分ごとに予約を入れているような状況でした。そうすると、想定外に治療に時間がかかる方がいたり、何かのご事情で遅れて来られる患者さんがいたりすると、後の時間が全部ずれていってしまうことも。治療時間が短いからといって、もちろん手を抜いていたわけではありませんが、どうしても一人ひとりにかける時間が短くなってしまっていました。今は、とにかく丁寧に。先読みの治療をすることを心がけているんです。

「先読みの治療」とはどのような治療でしょうか?

例えば、1本虫歯になって来院された患者さんがいるとします。私が大学を卒業した当時は、歯を治療したらその歯を5年もたさないといけないと言われていました。そして今は10年と言われています。1本だけを10年持たせることはそれほど難しいことではないのですが、私は28本ある歯がすべて機能するように、ずっと良い状態を維持できるようにしないといけないと思っているんです。その1本をきちんと治すことは当たり前だけど、その歯には上下左右にも歯があるので、噛み合わせを考えた治療をしないといけない。歯周病にかかる人も多いですし、誰しも年齢とともに1本ずつ悪くなっていく可能性があるので、将来を予測して治療していかないといけないと思っていて。その患者さんを一生涯ずっと診るんだ、という想いで治療を組み立てるようにしています。

かかりつけ医として、しっかり患者さんと関わっていくということですね。

宮崎卓爾院長 宮崎歯科4

そうです。中には痛いところが治ってしまったら、それでいいという患者さんもいらっしゃいます。だから、患者さんの要望に合わせて、その時のベストを尽くすことが肝心だと思っています。患者さんの満足度を上げて、噛み合わせも整えていくには、先を読む力が必要で、その後の責任を持つ覚悟も必要なんですよ。何でもそうだと思いますが、途中段階の手を抜いたら駄目で、ワンステップずつクリアしていく。一つ一つの作業が次につながるため、各ステップで手を抜かないように根気強く。手を抜けば、自分にしっぺ返しがきますからね(笑)。

やりがいを感じるのはどのような時ですか?

長く通院してきてくれている患者さんがいる、ということです。開業して約40年になりますが、カルテを見ていて、通し番号が2桁台や3桁台の患者さんがまだたくさんいらっしゃってくれていることが何よりの財産かなと思います。開業当時は30代、40代だった方が、80歳前後になられている。子どもだった方が、結婚して、自分のお子さんを連れて来てくれている。それが何よりうれしいですね。

地域医療全体を見据えた取り組みに力を注ぐ

小学校の学校歯科医もされていますね。

宮崎卓爾院長 宮崎歯科5

はい、25年担当させてもらっています。以前に比べて圧倒的に虫歯のある子が減りましたよ。12歳で虫歯が1本あるかないかぐらいでしょうか。でも、虫歯のある子は本当にひどい状態で、二極化が進んでいると言えます。健診で虫歯があることをお知らせしていても、歯科医院に連れて行かないとか、親も歯磨きの習慣がないのか、翌年もまた虫歯が進んでしまっている子もいるんですよ。歯並びの矯正は保険適用でないので経済的な問題もあると思いますが、子どもに対して無関心なのか、場合によっては育児放棄や虐待なども考えられますので、養護教諭の先生と相談しながら、気をつけていくようにしています。愛媛県全域で小中の子どもの保険診療の歯科医療費が補助されて、無償になっています。家族の方は費用を気にせず治療を受けることができるようになっていますのでぜひ、歯科の受診をしていただきたいと思います。

今治歯科医師会の会長も務めておられますが、どのような活動を行っていますか?

人間の幸せは、「話すことができる、自分の歯で食べることができる、口元を気にせず笑うことができる」ことだと思っています。今治市民の口腔内の健康維持のため、歯科医師会は行政と連携しながら、1歳半、3歳児、成人病、妊婦、高齢者の健診事業や健康相談のイベントなども開催しています。将来の問題点は、今治地区で開業歯科医院が減少傾向にあり、15年先には市民の皆さまに高度で先進的な歯科医療を提供することが困難な状況になる可能性が高いのではと心配しています。志を持った方が歯科医師をめざし、今治に帰ってもらいたいと思っています。

高齢化が進む中、地域に根差した歯科医院として今後どのようなことに取り組んでいきたいとお考えですか?

宮崎卓爾院長 宮崎歯科6

今治市は65歳以上の人が3分の1を占めていて高齢化率は高いんです。寝たきりになった場合、国の方針として在宅療養を推進していますが、歯科の訪問診療はとても難しいものです。ハイリスクなお薬を飲んでいたり、誤嚥性肺炎のリスクがあったりすれば治療内容が制限され、十分な治療ができないというジレンマがあります。慎重に診療にあたっていますが、治療費も高くなり患者さん負担も大きくなります。しかし一方で、8020運動の推進によって80歳で歯が20本残っている人が50%を超えているという現状もあります。口腔機能のフレイル予防が、健康寿命を延ばすことにもつながる。だからこそ、若いうちから口腔内の健康を保つ、予防歯科の分野が重要だと思っています。一生自分の歯で食べられることの大切さを今後も伝えていこうと思っています。

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