小山 英輔 院長の独自取材記事
小山歯科医院
(今治市/今治駅)
最終更新日:2021/10/12

1976年に開院し、地域住民の口腔内の健康を見守ってきた「小山歯科医院」。診療台に座ると中庭を眺めることができ、大きなケヤキの木の緑が癒やしをもたらしてくれる。「できるだけ歯を抜かない、神経を取らない」ことをモットーとする院長の小山英輔先生は、インフォームドコンセントを重視。患者とのコミュニケーションを大切にし、患者が納得し満足する診療を提供している。虫歯になる原因や治療の選択肢を理論的かつ具体的に説明することを心がけ、入れ歯やブリッジなどは模型を患者に触ってもらいながら対話を行う。「患者が満足できるように」と穏やかに語る小山院長に話を聞いた。
(取材日2020年6月11日)
2代続く地域に根差した歯科医院
開院されたのはいつ頃になりますか?

当院は、1976年に私の父が開院した歯科医院です。父は今も少しですが診療に携わり、患者さんを診療しています。私は2010年頃に当院へ戻り、院長に就任。それまでは日本歯科大学を卒業後、東京の歯科医院で勤務医として研鑽を積んでいました。祖父も歯科医師で、大島で歯科医師をしていました。祖父の引退後は、ここで一緒に暮らしていたので、私が小さな頃に祖父によく遊んでもらった記憶があります。祖父との生活があったおかげか、小さな頃から高齢者と過ごすことが好きだなと感じていました。人の世話をするような、役に立つ仕事がしたいと思い、介護福祉士に憧れた時期もありましたが、祖父や父と同じ歯科医師の道に進みました。
患者層についてお聞かせください。
地域密着型の歯科医院になりますので、近隣エリアから来られる方が中心ですが、紹介で遠方からも来院してくださる方がいて、ありがたいです。基本的には高齢の患者さんが多いように感じますが、長年通われている方や、新規の患者さん、赤ちゃんや小さなお子さんとさまざまです。車いすで来院される高齢の方もいらっしゃいますので、リフォームを行って院内をバリアフリー対応にし、車いすに座ったまま治療を受けられるユニットを設けました。昔は車いすから降ろして、抱えて、と付き添いの方に負担がかかって大変でしたから、それを解消して気軽に受診してもらえるようになりました。また、個室の診療スペースも設け、どなたでも利用することができます。
先生が得意とされている治療はどのようなことでしょうか。

コンポジットレジンという白い樹脂製の素材を用いた、虫歯で削った後を修復する治療を得意としています。白い詰め物なので、あまり目立つことなく治療ができます。そのほかに、入れ歯の調整も得意とします。当院で作ったものだけではなく、他院で作ったものでも、調整して使えるようであれば対応しています。入れ歯は口腔内の状態により、合わなくなることがあるんです。そのたびに作り替えていくのは患者さんにとって費用も時間も負担ですから、まずはできる限り今あるもので調整するところから対応しています。
対話を重ね、患者が納得し満足する診療を提供
診療時に心がけていることを教えてください。

患者さんとコミュニケーションを取るように心がけています。会話を通して患者さんの希望や本心を見いだしていく感じですね。話をしている中で、この患者さんは歯を抜きたくないんだなとか、削りたくないんだなとか感じながら、対話をしています。基本的に治療方法は患者さんの意思を尊重します。治療の選択肢それぞれのメリット・デメリットを説明し、患者さんが満足する良い選択をしてもらえるようにしています。例えば、噛めない歯があったとしても、現状でどうにかおいしく食べられたらいいと思っている患者さんもいるんですよ。どのような治療が最善であるかは患者さん次第。常に対話を大切に真摯に向き合っていきたいです。
先生がモットーとされていることはどのようなことでしょうか。
できる限り歯を抜かない、神経を取らないことをモットーとして診療を行っています。歯科の治療は体に傷をつけるのと同じこと、失った歯は元には戻らないことを忘れてはなりません。もちろん場合によっては抜かなければならないこともあります。その時にはどうして抜く必要があるのか、抜いたらどうなるのか、抜かなければどうなるのか、そもそもどうして虫歯になってしまったのか。理屈をきちんと説明します。いきなり削ります、抜きます、では患者さんは不安ですし、不信感を持たれるでしょう。言葉だけでは伝わらないことも多いので、入れ歯やブリッジなどの模型を実際に触ってもらうことで、理解を深めてもらう工夫もしています。
丁寧に患者さんと向き合って診療されているのですね。

患者さんとの間に信頼関係を築きながら診療をしていきたいと思っています。歯科医師としての治療提案は行いますが、無理強いは絶対にしません。こちら側が満足する治療をするのではなく、患者さんが納得して満足する治療をすることがベスト。インフォームドコンセントをしっかりと行っています。なお、当院の診療は基本的に保険診療です。保険診療でできる範囲内で最大限のことをするようにしています。もちろん、ご希望によっては自費診療も対応していますよ。インプラントや矯正については信頼できるクリニックに紹介していますので、興味がある方はご相談ください。
自分の歯を大事にする意識を大切に
先生がやりがいを感じることはどのようなことでしょうか。

患者さんの口腔内の状態が落ち着いて、少しでもおいしく食事をしてもらえたらうれしいですね。以前いらした患者さんで、口腔内状態が全体的に悪い方がいました。これまで、現状でどうにか噛めていたということは、そこからいきなり入れ歯にしてきれいな状態になったとしても噛めないものなんですね。ですから、時間をかけて治療をしていきました。現状の歯を残しながらどうしても抜かなければならない歯を抜き、少しずつ入れ歯やかぶせ物をして、徐々に整えていきました。患者さんが自分の歯でおいしく食事ができるようになること、患者さんが喜んでくれた姿を見られたときは、私もうれしいですし、やりがいを感じます。
お忙しい中、プライベートはどのようにお過ごしですか?
最近は家族でテニスを始めました。子どもたちが小さいのでボール遊びのような感覚ですが、家族で体を動かして楽しんでいます。個人的な趣味は温泉・ドライブ・ラーメン。特にラーメンは東京で勤務医として勤めていた頃においしさに感動して目覚めてしまいました。今は家族でラーメンを食べに行くので、小さい子どもたちも座れる座敷のあるお店しか行けないのですが、勉強会で一人で東京へ行くときは、事前にリサーチしておいて、昼も夜もラーメンですね。行列にも並んでしまうほどなんです(笑)。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

定期的に口腔内のメンテナンスに来ていただきたいです。お口のクリーニングや経過観察をして、状態を確認することで、虫歯の予防や拡大させないことができます。例えば、小さな虫歯があって今は削る必要がない場合でも、「このような変化があったら来てください」というように、具体的にお伝えすることができます。虫歯は、歯は削って悪い所を取り除いたとしても、修復した箇所から悪化していきます。ですから極力、削らず・抜かずに診療をしたい。ご自身の歯は、そのままの形で維持できるよう大事したほうがいいのです。患者さんの満足する診療を提供できるよう、一生懸命に診療させていただきます。お困りのことがありましたらぜひご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とはハイブリッドセラミックス冠/4万円〜、メタルボンド/6万5000円〜、オールセラミックス/7万円〜、金属床/15万円〜