看護師として転職を有利に進めるために、資格取得を考えている人も多いのではないでしょうか。転職の際に資格が役立つ主な理由は、①職場選択の幅が広がる、②キャリアアップにつながる、③給料アップにつながるという3つです。この記事では、看護師の転職やスキルアップに役立つ資格をご紹介していきます。
今回のテーマは「骨粗鬆症マネージャー」です。
<目次>
1 骨粗鬆症マネージャーとは?
「骨粗鬆症マネージャー」とは、骨粗しょう症領域に関する基本知識や技能を持った専門メディカルスタッフとして、より一層充実した骨粗しょう症の予防、診断と治療を提供する役割を担う資格です。
超高齢社会における健康格差の縮小と健康寿命の延伸に貢献することをめざし、日本骨粗鬆症学会により認定されます。
日本骨粗鬆症学会では、骨粗鬆症マネージャーの役割として、「骨粗鬆症リエゾンサービス」(Osteoporosis Liaison Service、OLS)を掲げています。リエゾンとはフランス語で「結びつき」、「連絡」などを意味します。
骨粗鬆症マネージャーの資格取得者においては、部門や職種、医療機関ごとの垣根を越えたコミュニケーションを円滑にし、情報の伝達・共有、調整、問題解決など、あらゆる場面での“橋渡し役”となることが期待されます。
骨粗鬆症マネージャーの具体的な仕事は、骨粗しょう症の評価や手術の有無といった患者の状態把握、患者や家族とのコミュニケーションなどがベースになります。新たな骨折の防止のためにさまざまな分野の医療スタッフと連携を図ったり、骨折抑制を推進したりします。
2 骨粗鬆症マネージャーの資格を取得する転職のメリット
骨粗鬆症マネージャーの資格取得をめざす上で、高度な知識やスキルが身につくことはもちろん、資格を取得することで周囲からも客観的に能力を認められて活躍の場が広がります。
任される仕事領域の拡大、ひいては給与などの待遇面の向上が期待できることに加え、今後さらなる飛躍をめざす上で、転職のシーンでも役立ちます。
●職場の選択の幅が広がる
骨粗鬆症マネージャーは、病院やクリニックといった医療機関のみならず、薬局や介護サービス施設などさまざまな場所で活躍できます。
年齢が上がるごとにリスクが高くなるといわれる骨粗しょう症。ますます高齢化が進む日本において、骨粗しょう症に関する専門知識やスキルを客観的に証明できる骨粗鬆症マネージャーの資格保有者に対するニーズは今後、さまざまな施設・機関で高まっていくことでしょう。
●キャリアアップにつながる
特に整形外科や骨粗しょう症の外来などでの勤務を希望する看護師にとっては、職場の中で重要なポジションを任される可能性が高くなり、転職の際でも自分をアピールする強みとなるはずです。
●給料アップにつながる
国を挙げて取り組む健康寿命の延伸にとって、要ともいえるのが骨粗しょう症の予防や骨折への対応です。特に整形外科のように骨粗しょう症に直結する診療科であれば、骨粗鬆症マネージャーの採用に積極的であり、資格を持っていることで、待遇面で有利な交渉が期待できます。
職場にもよりますが、有資格者に手当がつく制度を導入している医療機関もあります。資格は、スキルや知識の証明になるので、それを生かして、転職する際の給料交渉をしやすくなるケースもあるでしょう。
3 骨粗鬆症マネージャーの資格を取得するためには?
骨粗鬆症マネージャーの資格を取得するためには、看護師や介護福祉士、理学療法士、作業療法士などの国家資格を有する医療従事者が、日本骨粗鬆症学会が実施するレクチャーコースの受講や学術集会への参加などの要件を満たした上で、認定試験に合格する必要があります。 受験方法やスケジュールを見ていきましょう。
●骨粗鬆症マネージャーの受験資格
以下すべての要件を満たしていることが前提となりますので、よく確認しておきましょう。
※参考:一般社団法人日本骨粗鬆症学会「骨粗鬆症マネージャー制度」
必要要件を満たしていることを証明する申請書類や推薦文などを提出して認められると、資格認定試験が受けられます。以下に受験費用や試験方法など詳細をまとめました。
●骨粗鬆症マネージャーの受験スケジュール
試験は年に1度なので早めの情報収集、受験勉強が重要です。
受験したい年の夏までにはスケジュールをチェックしておくとよいでしょう。
※スケジュールは目安です
日本骨粗鬆症学会未非会員の人は認定申請前に、入会申し込みが必要ですので注意してください。学会年会費の納付が済んでいるか確認後、申請後に届くメールに従って審査料納付を行います。資格取得後の認定期間は、試験実施翌年度の4月1日より5年後の3月31日まで。5年ごとに更新手続きが必要です。
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今回は、骨粗鬆症マネージャーについて紹介しました。
資格取得には、日本骨粗鬆症学会の一員として、常日頃から知識やスキルの習得など、研鑽を積む必要があります。
骨粗鬆症マネージャーになることで、自分自身のスキルアップはもちろん、周囲からの評価を高めることによって、医療従事者としてのやりがいを感じることにもつながります。
専門性の高い看護を提供したい人、さらには医療・福祉の領域を横断しながら地域医療の進展に寄与したいと考えている場合には、転職も視野に入れてぜひ骨粗鬆症マネージャーをめざし、キャリアを築いていってください。
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