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記事公開日:2024/08/05

最終更新日:

歯科衛生士が行う「予防歯科」の業務内容をわかりやすく解説

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近年、予防医療の必要性が広く知られるようになり、歯科における患者の意識も、歯科医院は「歯が悪くなったら行く場所」から「歯が悪くならないように行く場所」へと変わりつつあります。そんな背景もあってか、最近ではメンテナンス専用のユニットを設けるなど、「予防歯科」に力を入れて取り組む歯科医院が増えています。
本記事では、そうした予防に重点を置く歯科医院で働きたいと考える歯科衛生士に向けて、具体的な業務内容やその適性について解説します。ぜひ自分に合った職場を見つけるためのヒントにしてみてください。

 

1 予防のプロとして期待される歯科衛生士

予防歯科とは歯周病や虫歯を予防するための総合的な取り組みのこと。歯科医院で行うプロフェッショナルケアと患者自身が行う日々のセルフケアを組み合わせながら、健康な口腔の維持をめざします。 そんな予防歯科において大きな役割を担うのが、歯科衛生士です。
歯科衛生士法に「歯科疾患の予防及び口腔衛生の向上を図ることを目的とする」と記載されているように、人々の口腔の健康づくりをサポートするのがその役目。近年では、口腔の健康と全身疾患との関連性も指摘されており、口腔を通じた全身の健康づくりにも関わることのできる仕事といえるでしょう。
かつて歯科衛生士といえば、歯科医師の診療補助を行うスタッフというイメージが強いものでしたが、予防歯科の浸透に伴い、「予防のプロ」である歯科衛生士に寄せられる期待はますます高まっているのです。

 

2 歯科衛生士が行う予防歯科での業務内容

最初に、予防歯科ではどんなことをするのかを解説します。
歯科衛生士には、(1)歯科予防処置、(2)歯科保健指導、(3)歯科診療補助という三大業務がありますが、予防歯科で特に重要なのは、(1)と(2)。

●歯科衛生士の歯科予防処置の業務内容

まずは、「(1)歯科予防処置」について具体的な業務内容を見ていきましょう。
歯石やプラーク(歯垢)の掃除などのプロケア、患者自身が行う歯磨きなどのセルフケアの指導の両方を行うのがポイントです。

・スケーリング(歯石除去)

歯の表面に付着した歯石は硬く、ブラッシングでは取り除くことができません。放っておくと歯周病の原因になってしまうので、スケーリングをして歯石を取り除いていきます。
取り残しを防ぐには、口腔内の状況に合わせ適切なスケーラーやチップを選択するほか、角度・動かし方なども工夫する必要があるため、歯科衛生士としての技量が試される手技といえるでしょう。

・PMTC(機械的歯面清掃)

Professional Mechanical Tooth Cleaningの略で、歯石除去後、ブラッシングでは落とせないプラークやバイオフィルム、着色汚れなどを、専用の機器と研磨剤を用いて取り除いていきます。
歯の表面をツルツルにすることで、新たな汚れを付着しにくくする効果も。処置後は「口の中がすっきりした」という爽快感を得やすいことから、患者のモチベーションアップにもつながる大切な仕事です。

・フッ化物歯面塗布

フッ化物には歯の再石灰化を促進し、歯面を強化する働きがあるほか、虫歯菌の活動の抑制にも有用とされています。歯石除去やPMTCを行った後に、綿球などにフッ化物ジェルを含ませ歯面に塗布していきます。
効果を高めるためには、処置後すぐの飲食は控えることが望ましいとされ、小さな子どもに行う場合はその点にも注意してもらえるよう、保護者に伝えます。

・シーラント処置

虫歯予防の一環で、汚れのたまりやすい歯の溝部分をシーラントという材料で埋めます。生えたての乳歯や永久歯は虫歯になりやすいため、子どもに行うことが多い処置です。
歯を削らないので痛みの心配がない一方、取れやすいという側面も。そこで、取れてもすぐに処置できるよう定期的に通ってもらう必要があります。そのためのモチベーションづけも、歯科衛生士の役割といえるでしょう。

●歯科衛生士の歯科保健指導の業務内容

続いて、「(2)歯科保健指導」の具体的な業務内容についてですが、これは口の健康を保つための意識向上を目的に行うもの。メンテナンスを通じ、患者のやる気をいかに引き出せるかがポイントになります。

・歯磨き指導

TBI(Tooth Brushing Instruction)とも呼ばれ、歯の磨き方はもちろん、歯ブラシの選び方、持ち方も含め、その人に合ったセルフケアをサポートします。患者は自分が磨けていない箇所に気づきにくいので、染め出し液や模型を使いながら視覚的に伝えることも大切。どうしたら汚れが落とせるのかをわかりやすく説明するスキルが求められます。

・食生活指導

健康な口腔を保つには、食生活にも目を向ける必要があります。その際求められるのは、生活習慣や家族構成、仕事環境、性格といった患者の背景を理解した上で、一人ひとりに合ったアドバイスをすること。
例えば、仕事中の間食がストレス緩和になっている人がいたら、単に間食を「NG」とするのではなく、食べる回数や時間、お勧めのおやつを提案するなど、無理なくできることから指導することが大切です。

 

 3 予防歯科に力を入れる歯科医院での歯科衛生士のやりがいと魅力

ここまで、予防歯科における歯科衛生士の役割と仕事内容を紹介してきました。改めてその役割の大きさを実感できたのではないでしょうか。
最近、メンテナンス専用のユニットやフロアを設け、歯科衛生士が予防業務に専念できる体制を敷く歯科医院が増えているのは、予防歯科における歯科衛生士の必要性を象徴しているといえるかもしれません。
次に、こうした予防歯科に力を入れる歯科医院で働くやりがいや仕事の魅力を紹介します。

●主体性を持って働くことができる

診療補助は大事な歯科衛生士業務ですが、あくまでもアシスタントとして歯科医師をサポートする立場。歯科助手の仕事と重なる部分もあります。
一方、歯科予防処置や歯科保健指導は、歯科医師以外には歯科衛生士だからこそできること。それだけに、口腔ケアのプロとして処置を自分で考え、主体性を持って働くことができます。裁量が大きい分責任を伴いますが、やりがいも大きいでしょう。

●予防に専念することで、質の高いケアや指導が可能になる

メンテナンス専用のユニットやフロアがある歯科医院では、他の業務をしながら合間に予防処置を行うのではなく、予防だけに専念できる環境が整っているため、効率良く集中して仕事ができます。
また、アポイントも「歯科衛生士枠」として余裕を持った時間で設定していることが多いので、じっくりとケアや指導を行えるはず。その結果、おのずと質の高いケアや指導につなげられるでしょう。

●歯科衛生士としてのスキルアップを図りやすい

歯石除去やPMTC、歯磨き指導といった予防に関する多くの症例を経験できるので、スキルアップを図りやすい環境にあります。
また、予防歯科を実践する上で必要な知識・技術の習得のために勉強会などへの参加を奨励するクリニックが多く、成長につながりやすいのも特徴です。

●患者とのコミュニケーションが取りやすい

メンテナンス専用のユニットやフロアがあると、周囲を気にせずに会話することができます。また患者担当制が敷かれていることも多いので、患者とのコミュニケーションが取りやすいでしょう。
特に歯科保健指導にあたっては、患者の背景を踏まえたアドバイスが求められるので、話しやすい環境は必須。丁寧なコミュニケーションは、患者との信頼関係の構築にもつながるはずです。

 

4 予防歯科に向いている歯科衛生士のタイプ

●細かな作業が得意な人

歯科衛生士の業務全般にいえますが、歯石除去やPMTCは狭い口の中でスケーラーやチップを動かして行うため、ミリ単位での操作が求められます。それを1日に何人分も行うわけですから、細かな作業が苦手な人は向かないでしょう。
歯石やプラークの取り残し、見落としがないよう、的確かつスピーディーに作業できる能力が必要です。

●知識・スキルを高めるための学習意欲がある人

予防においては、スケーリングなどの技術はもちろん、一人ひとりに合ったアドバイスをするためのコミュニケーション能力も求められます。また、歯科保健指導に関しては健康づくりの一環として、全身の健康に関することや栄養面の知識などが必要になることもあり、学ぶことに貪欲な人に合うといえます。

●患者の気持ちに寄り添える人

予防歯科で結果を出すために大事なのが、患者のモチベーションづけです。例えば、磨けていないことを指摘するだけでは、やる気は引き出せません。
行動変容を促すには、患者の気持ちに寄り添い、時には根気良く待つこと、また「なぜできなかったのか」「どうやったら行動してもらえるか」などを考えることも必要です。それだけに、相手の立場に立って考えられる人に向いているでしょう。

●長期的に患者と関わり、支えていきたい人

定期的なメンテナンスを通じて、口腔内のチェックをする予防歯科。ちょっとした変化が口のトラブルにつながることもあるため、口の中はもちろん生活環境の移り変わりにも目を向けながら、長期にわたって患者の健康を支えたいという人に向いています。

 

5 予防歯科の歯科衛生士の求人を探すには

予防歯科に積極的に取り組むクリニックの求人は、求人サイトや転職エージェント、ハローワークなどで扱われているのが一般的です。クリニックのホームページで予防歯科に関する詳細な説明がなされている場合も、力を入れている証拠なので要チェック。
当サイト「ドクターズ・ファイル ジョブズ」では、予防歯科の歯科衛生士の求人を多数掲載しています。エリアや駅、雇用形態はもちろん、「ブランクOK」「子育てママ在籍中」「退職金あり」などのこだわり条件でも絞り込めるので、ご活用ください。
また、いざ入職してから「想像していたのと違った」というミスマッチを起こさないためには、自分がそこで働いているイメージが湧くかどうかが大切です。「ドクターズ・ファイル ジョブズ」の「働く先輩インタビュー」では、クリニックで働くスタッフの生の声が読めるので、ぜひ参考にしてみてください。

予防歯科の歯科衛生士の求人を見る

◇    ◇    ◇

ここまで、歯科衛生士が行う予防歯科の仕事について解説してきました。歯科衛生士の根本ともいえる「予防」に主体的に関わることのできるやりがいを感じられる仕事です。
この記事をきっかけに、ぜひ予防歯科に力を入れる歯科医院を転職先の選択肢に加えてみてはいかがでしょうか。(ドクターズ・ファイル編集部)

 

 

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