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記事公開日:2023/06/19

最終更新日:2023/06/13

求人選びに役立つ「福利厚生」の基礎知識~法定福利厚生と法定外福利厚生の違いもわかる~

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求人情報をチェックする際、仕事内容や給与額とともに「福利厚生」の内容を気にする人は多いでしょう。
実際、転職経験のある、または転職経験はないが転職を考えたことのある医療従事者700人(医師・歯科医師を除く)に対して、ドクターズ・ファイル編集部が行った「転職に関する調査」では、「勤務先を選ぶ際、条件面で特にチェックする内容」として、下表のとおり、6割以上の人が福利厚生を特にチェックしていると回答しています。

勤務先を選ぶ際、「条件面」で特にチェックする内容は?(複数回答)

勤務先を選ぶ際、「条件面」で特にチェックする内容は?(複数回答)

※ ドクターズ・ファイルによる「転職に関する調査」。対象は、転職経験のある、または転職経験はないが転職を考えたことのある医療従事者(医師・歯科医師を除く)で、全国主要都市の25歳〜59歳の男女700人。2022年3月17日~22日にインターネット調査にて実施。

このように、勤務先を決めるときに福利厚生を重視することは転職活動において一般的となっています。しかし、重視しているつもりでも自分に必要な福利厚生がわからないという人や、そもそも福利厚生がどういう制度なのかよく知らないので求人選びにどう生かせばいいのかわからないという人もいるのではないでしょうか。

そこで、この記事では福利厚生の基本から選び方のポイントまでをわかりやすく解説します。自身にマッチする職場探しのヒントとなるので、ぜひ参考にしてください。

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1 そもそも福利厚生とは?

福利厚生とは、雇用主(勤務先)が従業員とその家族に対して提供してくれる、「給与や賞与以外の報酬・サービス」のこと。例えば、次のようなものが福利厚生に該当します。

  • 予防接種費の補助
  • 特別休暇の付与
  • 資格取得の支援
  • 研修旅行の実施

これら福利厚生は、雇用主が費用などの全額もしくは一部を負担した上で従業員全員に提供されます。また、雇用主が独自に内容を決めているものが大半です。
なお、詳しくは次項で解説しますが、法律で内容や導入について決められている福利厚生(法定福利厚生)もあります。

雇用主は、自院に必要ないろいろな福利厚生を導入することで、従業員のモチベーションアップや生活支援、院内の人間関係の円滑化といった、働きやすい環境づくりにつなげています。
また、福利厚生は、その職場に応募するかどうかの判断材料になりやすい要素なので、求職者へのアピールポイントと考えている雇用主も少なくないでしょう。

2 「法定福利厚生」と「法定外福利厚生」の違いと具体例

福利厚生には、大別すると「法定福利厚生」と「法定外福利厚生」の2種類に分けられます。本項では、その違いや具体的にどういう福利厚生があるか紹介します。

①法定福利厚生

法律で従業員の加入について定められている福利厚生のこと。主に次の5つの保険を指します。

  • 健康保険……医療費の自己負担割合を抑えることができる。
  • 厚生年金保険……老後にもらえる年金について、国民年金から上乗せして支払われる。
  • 雇用保険……失業中に生活を安定させるための給付などを受けられる。
  • 労災保険……仕事中・通勤中の事故など、病気やケガをした際に補償を受けられる。
  • 介護保険……介護認定をされた際に給付や介護サービスを受けられる(40歳以上が加入)。

これら5つの保険を総称して「社会保険」といいます。求人情報などで目にする「社会保険完備(社保完備)」は、この5つの保険を備えていることを意味します。なお、健康保険と厚生年金保険の2つを指して社会保険と呼ばれるケースもありますが、求人情報では5つの保険の総称として扱われることが一般的です。

法人は、社会保険への加入が法律で義務づけられています。また、法人化されていない医療機関についても、従業員が5人以上の場合は社会保険の適用対象となります。
従業員が5人未満の事業所は社会保険の適用対象外ですが、従業員の半数以上が同意した上で認可を受けると適用対象になれます。
個人経営のクリニックや歯科医院の場合、従業員が5人未満というケースは珍しくありません。しかし、5人未満でも社会保険の対象となる可能性があるので、「5人未満のクリニック=社会保険の適用外」と思い込まず、福利厚生の項目をしっかりチェックしましょう。

②法定外福利厚生

雇用主が自由に決められる福利厚生。社会保険以外の福利厚生は、ほぼすべて法定外福利厚生に該当します。導入するかどうかはもちろん、提供条件や支給額なども職場によって異なります。

自由度が高いため、すべての法定外福利厚生を紹介することはできませんが、医療機関で多い福利厚生として代表的なものを以下に紹介します。

・通勤交通費の支給

大半の職場で支給されているので、もらえることが当たり前だと思いがちですが、通勤にかかる交通費は法定外福利厚生に含まれます。そのため、支給の上限額など条件は職場によってさまざま。支給上限額は求人情報に書かれていることが多いので、自宅から職場までの交通費が支給上限額以内かどうか確認することをお勧めします。

・住宅手当の支給

家賃の一部を補助してもらえたり、独身寮に住まわせてもらえたりするなど、住居に関する手当。「家賃補助は、職場の指定する条件を満たした物件に限る」などの支給ルールが定められていることが多いので、利用を考えている場合は先方に詳細を確認しましょう。

・医療費の補助

勤務先や提携先の医療機関で受診する際の費用を職場が負担してくれる制度。健康的に働けることへの安心を実感しやすいでしょう。同様の福利厚生として、健康診断や予防接種の費用を補助してくれる制度を備えている職場も少なくありません。

・保育施設の利用補助・託児サービス

提携している保育園や託児所に子どもを預けることができたり、保育園の利用料を補助してくれたりする制度。育児中の従業員が働き続けやすくするために導入している職場も少なくありません。

・資格取得や研修・講習参加の支援

看護師や歯科衛生士向けの資格の取得について費用面や学習面で支援してもらえたり、外部研修や講習に職場の費用負担で参加させてもらえたりするなど、自身のスキルアップやキャリアアップにつながるサポートを受けられる制度です。

・特別休暇の付与

職場が定めた条件を満たした場合に、法定外の特別休暇が付与される制度。「勤続年数に応じて〇日のリフレッシュ休暇をもらえる」といったものが特別休暇の一例です。また、冠婚葬祭の際にもらえる慶弔休暇も特別休暇に該当します。このような休暇が有休扱いになるかどうかは職場によって異なるため、気になる場合はどのような制度になっているか、取得条件や内容などを確認するようにしましょう。

・昼食の補助

その名のとおり、昼食に関する補助制度です。職場によってはランチ代の一部を補助してくれたり、院内で賄いを出してくれたりするなど、さまざまな形での補助があります。弁当を持参しなくて良い、食費を抑えられるという点は、毎日のことだからこそありがたみを実感することも多そうです。

・保養施設やレジャー施設の利用

職場が契約している保養施設やレジャー施設などを利用できる制度。事前の申し込みが必要となることが多いですが、宿泊貴が一般の相場よりも割安だったり、全国的に利用できる施設があったりする場合もあるので、旅行の際にうれしい福利厚生です。

3 希望する福利厚生の優先順位をつけよう

求人をチェックする際、「託児サービスがあるから、仕事と育児が両立しやすそう」「昼食の補助があって弁当いらずなので、出勤前の準備が楽になりそう」というように、導入している福利厚生の内容から、その職場でどのような働き方・生活スタイルが実現できそうかイメージを膨らませてみることをお勧めします。そうすれば、どの職場が自身の希望する働き方や労働条件によりマッチしていそうか判断しやすくなるでしょう。

また、福利厚生の充実は気になるものですが、「リフレッシュ休暇があって、子どもを預かってもらえて、資格取得をサポートしてくれて、退職金制度や研修旅行があって、もちろん昼食補助も……」などと理想を高くすれば高くするほど、対象となる職場はどんどん少なくなってしまいます。そうなると、いつまでたっても応募先を決められない恐れも。
求人を探す際は、労働条件での優先順位を設けておくと応募の決め手を見いだしやすくなりますが、福利厚生についても同様で、自分の希望を満たしてくれるように福利厚生に優先順位をつけてみてはいかがでしょうか。

例えば、「何よりも自分のスキルアップやキャリアアップをめざしたい」「その上で、ワークライフバランスも重視したい」という2つの希望を持っている場合は、資格取得やセミナー参加を後押しする福利厚生を設けていて、かつ時短勤務や特別休暇の福利厚生も充実しているような職場の優先度を特に高くし、それ以外の福利厚生は優先度を下げるようにすれば、職場の選択の幅をある程度残すことができるでしょう。

とはいえ、どれだけ福利厚生が理想にかなっていても、仕事内容や職場の雰囲気でミスマッチが生じていたら本末転倒です。福利厚生はあくまで職場における付加価値と捉えることをお勧めします。

◇    ◇    ◇

以上、福利厚生の基本知識と選び方について紹介しました。
自分の仕事観や生活環境、働き方の希望によって、職場に求める優先順位は変わってくるものです。入職してから「福利厚生が自分に合っていない……」と気づいて働くモチベーションを下げてしまうことのないように、福利厚生を意識しながら職場を考えることは大切です。その一方で、福利厚生にばかり目を向けすぎると、仕事内容で職場とのミスマッチが生じたり、応募できる職場が限られてしまったりする可能性もあることも覚えておきましょう。

当サイト「ドクターズ・ファイル ジョブズ」では、エリアや駅、職種からはもちろん、「ボーナス・賞与あり」「寮・社宅・住宅手当あり」「託児所あり」「社会保険完備」など、福利厚生に関連したこだわり条件でも絞り込めたり、キーワードを入力して検索したりすることができます。

さらに、院長が自院の理念や患者・治療への思いなどを語ってくれたり、先輩スタッフが職場や自身の働き方を紹介してくれたりするインタビュー記事付きの求人も豊富です。職場への理解を深められるのでぜひ活用してみてください。

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