面接や、履歴書などの書類を作るとき、日本語を間違って使ってしまうと、恥ずかしいだけでなく相手に不信感を与えてしまう可能性があります。 入職した後をイメージし、採用担当者から「患者さんにも間違った言葉を使ってしまいそう」と思われてしまうことは十分にあり得るためです。
この記事では、間違いやすい日本語をピックアップしました。ちょっとした言い間違い・使い間違いで印象を悪くしないために、ぜひ正しい使い方を覚えておきましょう。
1 「佳境」=「忙しい」は間違い
以下の面接シーンを見てみましょう。
上記のように「忙しい」という意味で使っている人が多い「佳境」。中には「物事の終盤」という意味で使っている人もいます。しかし、これらの使い方はどちらも誤用です。
次項で本来の意味を解説します。
2 「佳境」の本来の意味
「佳境」は、「興味を感じさせる場面や景色の良いところ」という意味を持つ言葉です。
たとえば「物語が佳境に入った」という表現をよく耳にしますが、ミステリーの謎解きの場面などストーリーが最も盛り上がるシーンを想像するとわかりやすいかと思います。
そうした使い方が転じて、現在では「ピーク」「ある物事の最盛期」という意味合いでの使われ方もされるようになりました。たとえば「野菜の収穫が佳境を迎えた」といった使い方がその一例です。
そのため「プロジェクトの佳境」「仕事が佳境に入った」といった使われ方がされ始め、冒頭の「忙しい」「終盤」といった意味で誤用されるようになったと考えられています。
3 「佳境」は「良いこと」を表す言葉
「佳」という文字は、「佳作」や「佳会」「佳景」などに使われるように「優れていること」「美しい様子」を表現する時に用います。つまり「良い場面」で使われる言葉です。そのため、「佳境に入る」も「最も興味深い部分」や「とても面白い・盛り上がる部分」といった使われ方をするようになりました。
そして先述の通り、時代とともに「ピーク」「ある物事の最盛期」の意味で使われるようになったわけですが、ネガティブな意味である「忙しい」という意味合いや「終盤」という意味で使うのは明確に間違いだという説明がつきます。
4 面接対策や書類の相談にはエージェントの活用を
面接や書類での日本語間違いをしないためには、第三者目線での面接対策や書類のチェックが有用です。転職エージェント「ドクターズ・ファイル エージェント」ではキャリア・アドバイザーの面接指導を受けることができます。ぜひご活用ください。(ドクターズ・ファイル編集部)
~面接でのワンシーン~
ドクター「前職を退職しようと思ったきっかけを教えてください」
応募者「はい。ありがたいことなのですが、以前のクリニックでは毎日多くの患者さまがいらっしゃって、数時間お待たせするのは当たり前でした。しかし、状況を改善するために採用に動いたり、効率化したりということに院長は反対されていて。働く側はいつも佳境に入っているような状況ですし、患者様を何時間も待たせているのが心苦しく…退職を決めました」
ドクター「なるほど(この人、佳境の意味を間違って覚えているな…)」