面接や、履歴書などの書類を作るとき、日本語を間違って使ってしまうと、恥ずかしいだけでなく相手に不信感を与えてしまう可能性があります。 入職した後をイメージし、採用担当者から「患者さんにも間違った言葉を使ってしまいそう」と思われてしまうことは十分にあり得るためです。
この記事では、間違いやすい日本語をピックアップしました。ちょっとした言い間違い・使い間違いで印象を悪くしないために、ぜひ正しい使い方を覚えておきましょう。
1 「すべからく」=「すべて」は間違い
以下の面接シーンを見てみましょう。
上記の会話例のように「すべからく」は「すべて、皆」という意味で誤用されがちな言葉です。
令和2年度に文化庁が行った「国語に関する世論調査」では、32.1%が「すべて、皆」という意味だと回答しました。「すべからく」の音が「すべて」と似ていることが原因だと考えられています。
たとえば、「学生はすべからく勉強すべきだ」といった文章は本来「学生は当然勉強すべきだ」という意味ですが、「学生はみな勉強すべきだ」という意味に捉えてしまっても違和感はありません。
間違いに気づきにくいという点も誤用が広がった原因ではないでしょうか。
2 「すべからく」の本来の意味
「すべからく」は「当然、ぜひとも」というのが本来の意味。そして「すべからく~すべきだ」という文法で使われます。
たとえば、
◎「政治家は、すべからく国民の生活を第一に考えるべきだ」
◎「金メダルをとるには、チームがすべからく一丸となるべきだ」
◎「最初は右も左もわからなくて当然だから、新人にはすべからく優しくすべきだ」
といった使い方が正しいでしょう。一方、前項で挙げた例文と同じく、どれも「すべて」でも意味は通ることがわかります。正しい意味をしっかり覚えておくことが大切です。
3 「すべからく」の語源
「すべからく」は「須く」と書きます。語源は「須」を「すべからく~すべし」と読んだ漢文に由来するそうです。
多くの人が、漢文の授業で「須ク~スベシ」という表現に出会ったことがあるのではないでしょうか。漢文で出てきた場合は「~する必要がある」「~するべきだ」という意味であり、現代語においても「すべからく」の後には「べき」をつけるのが正しい語法です。
4 面接対策や書類の相談にはエージェントの活用を
面接や書類での日本語間違いをしないためには、第三者目線での面接対策や書類のチェックが有用です。転職エージェント「ドクターズ・ファイル エージェント」ではキャリア・アドバイザーの面接指導を受けることができます。ぜひご活用ください。(ドクターズ・ファイル編集部)
~面接でのワンシーン~
ドクター「それでは以前勤めていらした病院を退職された理由をお聞かせ願えますか?」
応募者「はい。仕事自体は生きがいだと思えるほど好きなのですが、時間外労働が多い上、残業手当が全額支給ではありませんでした。職員はすべからく退職を考えているような職場で…転職を考えるようになりました」
ドクター「え?(すべからくの使い方、変だな…)」