看護師が働く上で重視するポイントは、やりがいや職場の雰囲気、人間関係など人によってさまざまですが、欠かせない要素の一つとなるのは「給料」ではないでしょうか。おそらく給料のこと抜きで仕事を決定するのは難しいでしょう。
ですが、同僚の看護師、ましてや先輩看護師に「給料はいくらか」「どうやって昇給したのか」といったお金周りの話を聞くのは、かなりハードルが高いですよね。
そこで本記事では、2023年(令和5年)の厚生労働省の調査を中心に、看護師の給料事情をリサーチ。看護師の平均月収・年収・手取りから看護師の給料アップ方法まで、さまざまな給料関連の情報を取り上げますので、ぜひ参考にしてみてください。
<目次>
1 看護師の平均の給料額や手取り額は?
始めに、看護師の平均月収・年収・手取り額(※)などをご紹介。男女別の看護師の平均給料額や、看護師の生涯年収、看護師の平均給料額の過去5年の推移も取り上げます。
(※)本記事内の平均給料額は厚生労働省『令和5年賃金構造基本統計調査』規模10人以上の企業(医療機関を含む)のデータに基づきます。
(※)本記事内の平均給料額は正社員、契約社員、パート、アルバイトなどを含むフルタイム労働者(1日8時間/週5日)の給料の平均額です。
●看護師の平均月収・平均年収は?
看護師の平均月収は35.21万円、平均年収は508.17万円。対して日本全体の平均月収は34.67万円、平均年収は506.94万円です。看護師の平均給与額は、日本全体の平均給与額と同等といえるでしょう。
●看護師の平均手取り額は?
看護師の平均手取り額は、おおよそ月27万円、年390万円です。日本全体の平均手取り額は約月26万円、年380万円と僅かに差があるもののおおよそ同水準といえるでしょう。
手取りとは、実際に雇用主から労働者自身が受け取ることができる金額のこと。手取り額は月収や年収から、所得税や住民税(市県民税)、社会保険料などを天引きした金額です。40歳以降は、介護保険料も天引きされます。
手取り額は月収・年収の75~85%といわれます。割合に幅があるのは、給料の額により所得税の税率も変わるため、また、社会保険料や扶養家族の有無などによっても差し引かれる金額が変動するためです。
手取り額は給料明細の「差引給与額」の欄に記載されていることが多いです。また、求人票などに書かれている総支給額は、所得税や住民税(市県民税)などが差し引かれる前の金額であり、手取りではありません。
●男女別の看護師の平均月収・年収は?
女性の看護師の平均月収は35.06万円、平均年収は506.14万円。男性看護師の平均月収は36.51万円、平均年収は525.7万円です。月給だと微差ですが、年収で見ると20万ほどの差があり、男性の看護師のほうが、女性の看護師よりも平均給料額が高いことがわかります。
女性のキャリアは出産・育児などのライフイベントに左右されやすい一方、女性と比べ男性は、影響を受けにくい傾向にあるといわれキャリア形成に違いがあります。男性と女性の看護師の平均給料額に差が生じている一因と考えられます。
●看護師の平均生涯年収は?
看護師の平均生涯年収の目安は、約2.18億円。大卒の22歳から65歳までの43年間、看護師の平均年収である508.17万円を受け取り続けたら、という想定で概算した金額です。
同様に日本全体の平均生涯年収を概算すると、2.17億円が目安となります。看護師の平均生涯年収は、日本全体の平均生涯年収と大差ないといえるでしょう。
●過去5年、看護師の平均給料額は堅調に上昇
令和元年(2019年)から、5年間の看護師の平均給料額の推移を表にしてみました。看護師の平均給料額は堅調に上昇を続けていることがわかります。
令和元年(2019年)と令和5年(2023年)を比べると、看護師の平均給料額は、月収にして1.77万円、年収では25.26万円も増えています。
超高齢社会に突入した日本では、高齢者を中心にますます医療ニーズが高まっていくことは間違いありません。その中で看護師が果たす役割はさらに重要になっていくでしょう。看護師の給料は、今後も上がっていくと期待できます。
2 看護師の基本給、手当、ボーナスを解説
看護師の月収は、基本的に「基本給」と「各種手当」を合算した金額。看護師と特に関わりの深い手当に「残業手当(時間外手当)」「夜勤手当・深夜手当(深夜割増賃金)」があります。また、年収には「ボーナス(賞与)」も含まれます。
この項目では、看護師の基本給、残業手当(時間外手当)、夜勤手当・深夜手当(深夜割増賃金)、ボーナスの順に解説していきます。
●基本給とは?
基本給とは、通勤手当や残業手当などの各種手当やインセンティブなどを含まない、給料のベースとなる賃金のこと。基本給は毎月所定の期間働くと、決まった金額が支給されます。
給料の額をチェックするときは合計額に注目しがち。しかし、ボーナスなどを算出する際は基本給がベースになるケースが多いため、看護師として働くなら、基本給にも注目しておきましょう。
●看護師の平均基本給は?
看護師の平均基本給は、31.93万円です。
日本看護協会の調査をもとに推計すると、病院に勤める看護師の場合、基本給は平均して、年に4000円ほど上がっていくと考えられます。
●残業手当とは?
就業規則や労働契約、労働基準法によって決められた労働時間を超えて働いた時間を残業時間といいます。「残業手当」とは、残業時間に対して支払われる手当の総称です。
残業には大きく、「法定内残業」と「法定外残業」の2種類があります。残業の種類に応じて看護師に支払われる残業手当は異なるため、以下では法定内残業に対する残業手当と、「時間外手当」と呼ばれる法定外残業に対する残業手当の違いから解説していきます。
法定内残業に対する残業手当……就業規則や労働契約によって決められた労働時間を超えて働いている場合、その時間は残業時間と見なされます。ただし、残業時間が労働基準法で定められた法定労働時間「1日8時間、週40時間」を超えていない場合、法定内残業という扱いになります。
法定内残業に残業手当を支払うことは、法律で義務づけられていません。そのため、看護師に法定内残業に対する手当を支給するかは職場によって異なります。
時間外手当……法定労働時間「1日8時間、週40時間」を超えて、業務に就いた時間を法定外労働時間と呼びます。法定内残業とは異なり、法的外労働時間に業務を行った時間分、時間外手当と呼ばれる割増賃金を労働者支給することが法律で義務づけられています。
ただし、変形労働時間制などフレキシブルな勤務形態の職場では、常に決まった曜日・時間で働く職場とは、どこからが法定外残業かの考えが異なるため注意が必要です。また、労働基準法が定める管理監督者と見なされる職位にいる看護師には、時間外手当は支給されません。
●看護師の時間外手当の計算方法
法定外労働時間に対しては、25%以上の割増賃金が時間外手当として支払われます。
時間外手当の計算方法
「時給(月給制の場合は時給換算)×法定外労働時間×1.25=時間外手当」
(※)時給を計算する際には、通勤手当や住宅手当など個人的事情により支給される手当は除外されます。
月給30万円、所定労働時間8時間、所定労働日数20日の看護師が、その月10時間の法定外残業に就いた場合の時間外手当の計算方法は、「時給1875円(=月給30万÷所定労働日数20日÷所定労働時間8時間)×10時間×1.25」。この看護師は、当該月に2.3万円程度の時間外手当を受け取ります。
――時間外手当の割増率が50%になる残業も
「週60時間」を超えて残業を行った場合、50%以上の割増賃金を支給することが法律で義務づけられています。そのほか、法定外労働時間かつ深夜帯(午後10時~午前5時)に業務を行った場合、50%以上の割増賃金を労働者に支払うことが法律で義務づけられています。
●夜勤手当・深夜手当(深夜割増賃金)とは?
ここからは夜勤手当、さらに、夜勤手当と混同されがちな深夜手当(深夜割増賃金)について解説します。
夜勤手当……夜間に勤務した時間に応じて、任意で看護師に支払われるのが夜勤手当です。夜勤手当の支給は法律で義務づけられていませんが、現在では「夜勤1回/●円」など、看護師に対して定額の夜勤手当を用意しているケースが多く見られます。また夜勤の回数によって、定額の夜勤手当のほかに手当を出す医療機関も存在します。
深夜手当(深夜割増賃金)……夜勤手当とは異なり、深夜手当は法律で支払いが義務づけられた手当です。午後10時~午前5時の深夜帯での労働時間に対し、25%以上の割増賃金が支払われます。なお、深夜手当は、管理監督者の看護師にも支給することが法律で義務づけられています。
●看護師の夜勤手当の目安
日本看護協会の調査結果をもとに概算すると、2交代制の病院では、1月あたり5.5万円程度の手当を、准看護師も含む看護職員に支給していると推計できます。また3交代制の病院では、1月あたり平均3.5万円程度の夜勤手当を、准看護師を含む看護職員に対して支給していると推計できます。
●看護師の深夜手当(深夜割増賃金)の計算方法
午後10時~午前5時の深夜帯に労働に対しては、25%以上の割増賃金が深夜手当(深夜割増賃金)として支払われます。
深夜手当の目安の計算方法
「時給(月給制の場合は時給換算)×夜10時~朝5時までに労働に就いた時間×1.25=深夜手当(深夜割増賃金)」
(※)時給を計算する際には、通勤手当や住宅手当など個人的事情により支給される手当は除外されます
月給30万円、所定労働時間8時間、所定労働日数20日の看護師が、その月15時間の夜勤に就いた場合の時間外手当の計算式は「時給1875円×15時間×1.25」。この看護師は、当該月におおよそ3万5000円の深夜手当を受け取ることがわかります。
――夜勤手当と深夜手当が併存する医療機関も
夜勤手当と深夜手当の両方の手当を看護師に支給する医療機関も少なくありません。ただし、夜勤手当の金額が深夜手当の金額を上回っている場合、夜勤手当の中に、深夜手当が含まれているとして、看護師に夜勤手当のみを支給するケースも存在します。
●ボーナス(賞与)とは?
ボーナス(賞与)とは毎月の給料とは別に支払われる給与のこと。ボーナスは福利厚生制度の一つなので、支給されない職場は珍しくありません。
一般的にボーナスが出るのは年に2回、夏と冬ですが、支給の回数や時期、支給額についても雇用主が自由に決められます。また、支給額は職場の経営状況に左右されるケースがほとんどで、毎年同額が支給されると約束されるものではありません。
労働者が実際に受け取ることができるボーナスの手取り額は、社会保険料と所得税が差し引かれた金額です。そのためボーナスの手取り額は、求人票に書かれた金額の8割程度とイメージしてみてください。
●看護師の平均ボーナス額は?
看護師の年間の平均ボーナス額は85.65万円です。よって、年間のボーナスの手取り額は、約68.52万円といえるでしょう。
3 年代別に見る看護師の平均給料額
20歳から69歳まで、各年代の看護師の平均給料額を表にしました。自分が看護師として、この先どのくらいの給料をもらえるのかをイメージする参考にしてみてください。
●看護師の平均給与額が高い年代
看護師の平均給料額が最も高くなる年代は55~59歳で、平均月収は39.50万円、平均年収は585.93万円です。同年代の日本全体の平均給料額は月収40.28万円、年収605.27万円ですので、看護師の給料がやや下回るものの、そこまで大きな差はなく平均的といえるでしょう。
看護師の定年を60歳と定めている施設は多く、キャリア終盤である50代中頃以降の看護師は、管理職の立場にいることも少なくないでしょう。管理職に対し、役職手当などの支給制度がある職場もあります。55~59歳の看護師の平均給料額がほかの年代の看護師よりも高くなるのは、そうした手当の存在も影響していると考えられます。
●看護師の平均給料額は勤続年数とともに上がる傾向に
看護師の平均給料額は、55~59歳まで、勤続年数とともに堅調に増えていくことも表から読み取れます。
例外的に35~39歳では、平均月収・年収が若干減っています。20代後半に出産・育児などのライフイベントを機に退職した女性看護師が、ブランクを経て復職し、キャリアをリスタートするのが35歳~39歳の周辺であることが一因でしょう。
看護師は「●年以上のブランクがあると復職はできない」という決まりはありませんので、何年ブランクがあっても復帰することが可能です。むしろ、国や自治体による復職に向けたサポートなどがあるため復職しやすいといえます。
●看護師の給料は年齢を重ねても安定している?
一般的に定年を迎える看護師が多い、60歳以降の年代の看護師の平均給料額を見てみると、看護師の給料は年齢を重ねても安定しているといえます。
60~64歳の看護師の平均給料額である平均月収33.52万円、平均年収477.86万円は、日本全体の同年代の平均月収32.44万円、平均年収461.64万円を上回っています。
また、65歳~69歳の平均給料額は月収33.03万円、年収450.16万円。こちらは日本全体の同年代の平均月収28.46万円、平均年収377.72万円を大きく上回っています。
4 施設の人員規模別に見る看護師の平均給料額
この項目では、職場の人員規模別に看護師の平均給料額をチェック。表をもとに、施設規模と看護師の給料にはどんな関連があるのかも見ていきます。
●人員数と看護師の平均給料額の関係は?
表からは職場の人員規模が多いほど、看護師の平均給料が高くなることがわかります。
クリニックなど小規模の医療機関が含まれると推測される規模5~9人の施設では、看護師の平均給料額は、平均月収29.53万円、平均年収430.71万円です。一方、大規模病院なども含むと推測される1000人以上の施設では、看護師の平均給料額は平均月収37.65万円、平均年収557.12万円です。
規模5~9人の施設と規模1000人以上の施設の看護師の平均給料額を比較すると、その差は、平均月収にして8.12万円、平均年収では126.41万円と大きな開きがあることがわかります。
以前から、病院とクリニックでは看護師の給料に差があるといわれてきました。それには夜勤の有無が関係しています。一般的には夜勤のある病院のほうが給料が高い傾向にあります。一方で、ほとんどのクリニックは夜勤がなく、残業も少ないため比較すると給料は安めですが、ワークライフバランスを整えやすいなど、クリニックに勤める看護師ならではのメリットが多く存在します。
5 都道府県別に見る看護師の平均給与額
都道府県別に看護師の平均月収・年収、ボーナス額を図表化しました。自分が働く都道府県の看護師がどのくらいの給料をもらっているかをチェックできます。
●関東、中部・東海、関西は看護師の平均給与額が高い傾向に
地方別に見ると関東、中部・東海、関西の看護師は、平均給与額が高いことがわかります。看護師全体の平均年収が508.17万円のところ、関東の看護師の平均年収は518.40万円、中部・東海は522.73万円、関西は526.15万円とおおよそ10~18万円高いです。
また、東京、神奈川、千葉の関東3都県の看護師の平均年収は520万円を超え、関西では京都、大阪、兵庫、和歌山の4府県の看護師の平均年収は530万円を超えています。さらに中部・東海では富山、福井、山梨、静岡の4県の看護師の平均年収が530万を越えている、という結果に。
これらの都府県の看護師は、特に高い給料水準にあるといって差し支えないでしょう。
6 看護師とそのほかの医療従事者の平均給与額を比較
看護職である看護師、保健師、助産師、准看護師4つの職種に、医師・歯科医師を除くそのほかの医療従事者を加えた全14職種の平均給与額を図表にまとめました。
●看護師の給与は医療従事者の中でも比較的高い部類
看護師の平均給与額は表内の14職種の中では、5番目の高さです。
また全14職種の平均給与額は、おおよそ平均月収33.53万円、平均年収477.13万円。この金額を看護師の平均給与額と比べると、月収にして2万円ほど、年収では30万円以上、看護師のほうが上回っているとわかります。 看護師の給料は医療従事者の中でも比較的高い水準であると言えるでしょう。
●看護師の給与は看護職の中でも高い部類
看護職である看護師、保健師、助産師、准看護師を比べると、看護職の平均給料額は2番目の高さ。この結果には、看護師は夜勤に就く機会が多いなど、手当につながる業務に関わる機会が多いことが影響していると考えられます。
一方、看護職の中では助産師の平均給与額が最も高く、平均月収39.58万円、平均年収566.95万円。助産師資格は看護師資格を持っていないと取れない高度な専門職であることが理由の一つでしょう。その上、助産師も看護師と同様夜勤が多く、夜勤手当など各種手当が加算された結果、給料が高い水準となっていると推測できます。
7 看護師が給料を上げる方法5選
看護師の給料周りの事情を知り、自分の給料を上げたいと思った人もいるでしょう。ここでは、看護師が給料を上げるために押さえておきたい5つの方法を紹介します。給料アップを実現するために、自分に合う方法はどれか考えながらチェックしてみてください。
●同じ職場に長く勤務する
看護師の給料は勤続年数が長くなるとともに上がっていく傾向にあります。そのため、今の職場に働き甲斐を感じている、給料面以外の待遇や環境に満足しているという看護師は、同じ職場に長く勤務して、着実に給料を上げていくのも一つの手です。
特に「経験加算制度」という、勤続年数に応じて看護師を評価し、給料を上げる制度を採用している医療機関であれば、長く勤めることが昇給につながる可能性が高まるでしょう。一方、こうした制度がなく、勤続年数が給料に反映されない職場もあるので、今いる職場の昇給制度や評価制度の確認を忘れないようにしてください。
●管理職の看護師をめざす
管理職をめざすことも、看護師が給料を上げるための方法となります。管理職の看護師は、職場に勤める看護師のまとめ役です。
病院では上位の役職から、「看護部長クラス」「看護師長クラス」「看護主任クラス」の管理職を置くケースが多いようです。小規模なクリニックでは管理職がないケースがありますが、中には、スタッフのリーダー役のポジションの看護師を置いている場合もあります。
管理職の看護師には、直属の部下の看護師だけでなく、医師や薬剤師、事務スタッフなど多職種とコミュニケーションを取りながら、スムーズで安全な組織運営が求められます。チームをとりまとめるリーダーシップを発揮し、昇進して管理職に就くことで、それに見合う形で昇給が期待できるでしょう。また、施設によっては管理職に対し、役職手当が支給される場合もあります。
管理職の看護師をめざすには臨床経験を積むことが求められます。例えば、看護主任になるには10年以上の経験が必要なことが一般的とされます。
またマネジメントに関する資格である、日本看護協会の「認定看護管理者」(※)を持っていると管理職をめざす上で有利になることも。医療機関によっては、「認定看護管理者」の有資格者であることを、管理職になる条件としている場合もあります。
(※)認定看護管理者/英名Certified Nurse administrator〈略してCNA〉は日本看護協会の登録商標です
●認定看護師・専門看護師資格を取得する
看護師が給料アップをめざすなら、「認定看護師」や「専門看護師」(※)の資格を取得するのは有効な手段といえます。認定看護師と専門看護師は、ともに日本看護協会が認定する資格です。
(※)認定看護師/英名Certified Nurse及び、専門看護師/英名Certified Nurse Specialistは日本看護協会の登録商標です
認定看護師には「小児プライマリケア認定看護師」や「糖尿病看護認定看護師」など19種類が、専門看護師には、「がん看護専門看護師」「在宅看護専門看護師」など14種類があります。
認定看護師、専門看護師になるには専門分野の実務経験を積み、確かな看護技術を身につけなければなりません。その分、取得すればキャリアアップや職場に給料を検討してもらう際のプラス材料になるでしょう。職場によっては、有資格者に手当を支給する制度を導入しているケースもあります。
●フリーランスの看護師になる
フリーランスになるのも、看護師が収入を上げるための方法の一つです。フリーランスの看護師は医療機関や企業などに所属しない「個人事業主」。業務委託契約の形態で仕事を受けるのがメインになります。
フリーランスの看護師は、病院のヘルプ、訪問看護、企業健診をはじめ、さまざまな場で活躍しています。培ってきた経験やスキルを生かせる高単価の仕事をかけ持ちすれば、給料アップが期待できるでしょう。
一方で、フリーランスには「決まった給料がなくなるため金銭的に不安定になりやすい」「自分で働く場所を開拓する必要がある」といった側面もあります。
●転職する
今の職場よりも、より良い待遇や環境を求める場合は、転職を視野に入れてみてください。給料面を重視したいなら、月収や年収、ボーナス以外の給料に関わる項目までしっかり確認しましょう。
例えば、「勤続年数が給料に反映される昇給制度があるか」は長く勤める先を探すなら大事にしたいところです。また、手当が手厚いかも気にしたいポイント。「資格手当や役職手当が充実しているか」「法定内残業に残業手当が出るか」「固定の夜勤手当は用意されているか」といった点は、看護師の給料に大きく関わります。
また、管理職候補の看護師の求人を出している求人もあります。入職時の待遇だけでなく、将来的なキャリアアップや給料アップの可能性を見据えると、「管理職候補のポジション」の求人も選択肢の一つになるのではないでしょうか。
一方で、給与面だけ見ると入職してから職場とのミスマッチが生じることも。自分自身の理想の働き方に照らし合わせて「ライフワークバランスを整えやすいか」「関心の強い分野に携われる職場か」といった視点でも、勤務形態や注力している診療内容まで、確認することをお勧めします。
◇ ◇ ◇
2024年発表の看護師の有効求人倍率は2.31倍。これは、職場を探している看護師100人に対し、230件以上の求人があることを意味しており、いわゆる「売り手市場」といえるでしょう。
看護師の売り手市場は全国的に今後も続いていくと考えられるため、「今より手当が手厚い医療機関に転職したい」、「将来的に管理職をめざせる職場で働きたい」といった希望を叶えることも十分に可能でしょう。 当サイト「ドクターズ・ファイル ジョブズ」でも、看護師の転職先を多数掲載していますので、納得できる待遇で働ける職場を見つけるためにぜひご活用ください。(ドクターズ・ファイル編集部)
<月収と年収の違い>
月収……基本給に通勤手当(交通費)、住宅手当、残業手当(時間外手当)などの各種手当が加算された合計額。
年収……12ヵ月分の月収にボーナス(賞与)などの特別収入を加算した金額。 ただし、月収・年収は、実際に労働者が受け取る手取り額とは異なります。