面接や、履歴書などの書類を作るとき、日本語を間違って使ってしまうと、恥ずかしいだけでなく相手に不信感を与えてしまう可能性があります。
入職した後をイメージし、採用担当者から「患者さんにも間違った言葉を使ってしまいそう」と思われてしまうことは十分にあり得るためです。 この記事では、間違いやすい日本語をピックアップしました。ちょっとした言い間違い・使い間違いで印象を悪くしないために、ぜひ正しい使い方を覚えておきましょう。
1 「憮然とした表情」ってどんな顔?
以下の面接シーンを見てみましょう。
「憮然(ぶぜん)」は、上記のシーンのように、むっとしたような、「不機嫌な様子」「腹を立てているさま」という意味で使われるケースが多いですが、実は誤用であるのをご存知ですか?
本来は、「がっかりしているさま」「失望や落胆により、どうしようもなくぼんやりしている様子」または「意外なことに驚き、呆れているさま」という意味。上記の面接シーンでの使い方は、間違いだといえます。
2 7割以上が誤用している「憮然」
2007年度(平成19年度)に文化庁が行った「国語に関する世論調査」では、7割以上の方が「憮然」を「腹を立てている様子」という意味で捉えていることがわかりました。
誤用の原因は、「ぶ」という音の印象から、「仏頂面」「ぶつぶつ文句を言う」といった言葉を想起させるからではないかといわれているそうです。
ここまで多くの人が誤用していることから、「憮然=腹を立てている様子」という意味も間違いではないという時代の流れもあります。例えば、「大辞泉」などの一部の辞書では、「不満なさま」「不機嫌なさま」といった説明が加わっているそうです。
3 「憮然」の代わりになる言葉
誤用している人が多い言葉であるため、正しい使い方をしても、「腹を立てている様子」という意味で使っても、「間違った使い方をしているな……」と思われてしまうリスクのある「憮然」という言葉。
では、代わりになる言葉を見ていきましょう。
本来の意味である「がっかりしているさま」「失望や落胆してがっかりしているさま」を表すなら、「呆然」がベスト。「意外なことに驚き、あきれているさま」は「唖然」が良いでしょう。
次に、誤用の多い「腹を立てている様子」は「仏頂面」「不機嫌」で代用できそうです。
最初の事例に戻っても、「特に考え事をしている時は、仏頂面になっているようで、“機嫌悪いの?怒ってる?”と聞かれることが多い」と言い換えられます。
間違いやすく、誤用が広がっている「憮然」は、面接や履歴書などであえて使わないほうが、無難といえるでしょう。
4 面接対策や書類の相談にはエージェントの活用を
面接や書類での日本語間違いをしないためには、第三者目線での面接対策や書類のチェックが有用です。転職エージェント「ドクターズ・ファイル エージェント」ではキャリア・アドバイザーの面接指導を受けることができます。
ぜひご活用ください。(ドクターズ・ファイル編集部)
~面接でのワンシーン~
ドクター「あなたの欠点はどんなところですか?」
応募者「よく表情が硬いと言われます。特に考え事をしている時は、憮然とした表情をしているようで、“機嫌悪いの?怒ってる?”と聞かれることが多いので、患者さまの前では特に意識して笑顔でいるようにしています」
ドクター「わかりました。ありがとうございます。(…この人、日本語知らないかも…)」