山口矯正歯科 (四街道市／四街道駅)
山口 聡 院長の独自取材記事
JR総武本線四街道駅からすぐの場所に位置する「山口矯正歯科」は、院長の山口聡先生が2000年に開業。山口院長を含め4人で運営するアットホームな歯科クリニックだ。子どもの初期矯正治療に注力しているため、院内を訪れる多くは小中学生の患者とその保護者だ。一人ひとりの口腔内状況に合った丁寧な治療を心がける。矯正治療にはさまざまな方法があるが、山口院長が取り入れているのは「取り外し可能で、自宅でのみ使用する装置」。見た目を気にしてなかなか治療を決断できない患者も、納得して始められる治療法を、との考えからだ。また、温厚で優しい笑顔が印象的な山口院長の人柄も、子どもたちが多く通う理由だろう。2023年で開業から24年、これまでの振り返りや今後の展望、医療にかける想いなどを山口院長に聞いた。
大好きな街で子どもの矯正治療に専念したい
開業して24年目ですが、これまでを振り返るとどんなお気持ちですか。
当院は矯正治療専門の歯科クリニックですので、基本的に患者さんと接するのは数年間の治療期間に及びます。そうした中、患者さんが通われた後にそのご兄弟やいとこ、治療したお母さんのお子さんさんが相談におみえになるなとなど、ご縁がつながっているなと感じています。また、矯正歯科医は他のクリニックに赴いて仕事をすることがよくあるんですが、私も他の歯科クリニックに出張して、それがきっかけで当院で治療を希望されることもありました。当院の存在が、地域で次第に浸透してきているなと実感しています。
山口院長にとって、四街道市はどのような街ですか？
この街は中学生時代から家族で暮らしてきた場所で、今でも市内に実家があります。大学在学中は四街道から通学していましたし、卒業後も数年間は実家から通っていました。開業しようと決意したときは、やはりゆかりのある場所で医療貢献がしたいという気持ちがありましたね。そんな中、たまたま四街道駅前に空き物件があることを知って、とんとん拍子で開業に至りました。四街道市は電車に乗れば東京の中心部へ1時間弱で行ける距離にある街です。一方で、のどかな里山風景が広がるエリアもあります。私の実家では春はウグイスの鳴き声が聞こえてきますし、夏は近くで蛍の飛ぶ姿も見られます。利便性が高く、自然が豊かで、とても良い街ですよ。
どのような患者さんが来院されますか？
当院は子どもの矯正治療を軸にしているため、小学生の患者さんが多いです。初期治療を終える頃には中学生になっている子が多いと思いますね。四街道市内や千葉市近隣の患者さんがたくさんいらっしゃいます。でこぼこの歯並びが気になるという方や、反対咬合、前歯が出ているなど、多くの患者さんが見た目を気にして来院されます。親御さんがお子さんの歯列について悩まれて来院するケースも少なくありません。その場合、お子さん自身が治療に対して前向きな気持ちを持っていることが重要です。矯正治療というとずっとワイヤー装置を着けないといけないというイメージをお持ちで、その見た目に抵抗感のある子もいます。当院の初期治療では基本的に、取り外しのできる装置を用いて治療を進めていきます。また、装着するのは自宅にいるときのみです。そのことをお伝えすると、治療に臨んでくれる親子が多いように思います。
恩師との出会いで始めたこだわりの治療法
矯正治療の方法や院内の設備など、クリニックのこだわりについて教えてください。
当院の初期治療で用いる装置は主に2つあって、まずは歯列を広げるための装置を使用することから始めます。この装置は真ん中にねじがついていて、歯列を広げる調整を行うことで、歯列を少しずつ広げながら調整をすることができます。不正咬合の方の多くは、歯列の幅がせまいことがほとんどです。口呼吸をして口がぽかんと開いている口呼吸が歯列がせまくなりがちで、並び方がでこぼこしてしまうんです。装置を用いることで歯列をしっかり広げてあげられれば、より良い結果がめざせます。その後、2つ目の装置を自宅で使ってもらいます。寝ている間や学校から帰って2～3時間装着すれば大丈夫です。この2つの装置は使い方は一緒で、2つ目を使うことで、１つ目で整えた歯並びを安定させることができるのです。
この治療法を取り入れるようになった経緯について教えてください。
静岡の小菅尚規先生と出会ったことがきっかけです。当院では開業当初から口腔内を消毒するためのシステムを取り入れていますが、これを導入する際にお世話になった会社の社長が、「素晴らしい先生がいる」と紹介してくれたんです。実際に見学に行ったところ、とても情熱を持ってこの治療に取り組まれており、さらに惜しげもなく懇切丁寧に伝授していただき、ぜひ当院でも取り入れようと決めました。普段から口をぽかんと開けている患者さんに対しては、口をしっかり閉じるトレーニングを行ったりもします。また、歯列の幅を広げた後に安定させるような装置も使用します。そうしたことを地道に進めていくと、前歯が出て悩んでいた子も、理想の口元がめざせると思います。個人的には小学生のころに初期治療を行うと後戻りしづらいと考えています。
子どもの矯正治療に注力するようになったきっかけは何ですか？
大学時代や医局で勤務していた頃は、いろいろな知識を吸収しようと、幅広い分野を学んでいました。その中で、子どもの頃の矯正治療に取り組むことがとてもやりがいのある分野だと思ったんです。成人矯正では、歯茎や骨など周囲の組織がしっかりしているので、見込める結果に限界があることも。一方、成長期のお子さんはその分治療の結果が期待しやすいんです。また、上の前歯と下の前歯の真ん中のラインがずれ、正しくない噛み癖がついているお子さんは、そのままにしておくと顎自体がゆがみ、顔の見た目にも影響を及ぼすことがあります。だからこそ、小学校低学年の早いうちに矯正治療を始めることが重要だと考えています。
丁寧な治療と親身な寄り添いで満足度の高い医療提供を
スタッフについて教えてください。
当院では私の他に3人が勤務しています。2人は歯科衛生士で、もう1人は私の母です。母は開業当初から受付や歯科助手など全般的にサポートしてくれています。82歳になりますが、診察日はずっと勤務してくれていて、ありがたい存在ですね。3人とも患者さんへの寄り添い方が丁寧で、安心して任せることができています。アットホームな歯科クリニックですので、もし新たに一緒に働いてくれる方がいるのであれば、その雰囲気に溶け込んでくれるような温かい人柄の方だとうれしいですね。
今後の展望についてお聞かせください。
私がこだわりを持って取り入れている治療法を伝授してくれた静岡の小菅尚規先生が、去年お亡くなりになりました。お伝えいただいたことを、いつか次の世代に残していきたいなと思っています。そういった面では緻密で丁寧な治療は続けて、これからも患者さんに満足してもらいたいなと思っています。
最後に、矯正治療を始めようか迷われている読者の皆さんへ一言お願いします。
歯列矯正は数年単位の治療期間を必要とするものですので、歯科医師との相性が大事になってくると思います。治療方法や考え方は歯科クリニックによって全然違うものですので、患者さんにとって一番しっくりくる場所で治療を始めることができると良いなと思います。だからこそ、治療を始める前に複数の歯科クリニックに足を運んでみることをお勧めします。当院では初診のカウンセリングを行っていますので、院内の雰囲気を確かめてみたい方は、どうぞお気軽にご来院ください。
