面接や、履歴書などの書類を作るとき、日本語を間違って使ってしまうと、恥ずかしいだけでなく相手に不信感を与えてしまう可能性があります。 入職した後をイメージし、採用担当者から「患者さんにも間違った言葉を使ってしまいそう」と思われてしまうことは十分にあり得るためです。
この記事では、間違いやすい日本語をピックアップしました。ちょっとした言い間違い・使い間違いで印象を悪くしないために、ぜひ正しい使い方を覚えておきましょう。
1 「失笑」=「馬鹿にした笑い」は誤用です!
以下の面接シーンを見てみましょう。
こちらのケースでは、「失笑」を「嘲笑」「鼻で笑う」というような意味で使用していますね。
しかし、実はこれは間違いです。
「笑いを失う」という字面からか、「呆れる」「小馬鹿にして笑う」といった意味で誤用されるケースが多い「失笑」。実際に「失笑」と聞いて、馬鹿にしたような笑みを思い浮かべるという人も多いのではないでしょうか?
令和5年度に文化庁が行った「国語に関する世論調査」では、何と67%の人が「笑いも出ないくらい呆れる」という意味だと回答。本来の意味を知っていた人は26.4%でした。
では、次項で本来の意味について解説していきましょう。
2 「失笑」の本来の意味
「失笑」は、「こらえきれずに吹き出して笑うこと」という意味の言葉です。
「失」という漢字には「失う」のほかに「過ち」「しくじり」という意味があります。そのため、笑ってはいけない場面でありながら、我慢できずに笑ってしまうというニュアンスの言葉なのです。むしろ「呆れる」「あざ笑う」どころか「本当におかしくてつい笑ってしまう」という自然と笑いが起こる現象を指します。ネガティブな意味はありません。
たとえば、「授業中に隣の人のお腹が鳴って失笑した」「朝礼で校長先生があまりにも噛むので、みんなから失笑を買っていた」といった使い方が正しいといえます。
3 言い換えるなら?
冒頭の会話シーンなどで誤用されていたような「失笑」を言い換えるなら、どんな言葉が適切でしょうか? 「呆れる」なら「苦笑」、「あざ笑う」なら「冷笑」や「嘲笑」がピッタリといえそうです。
とはいえ、言葉は変化していくもの。しかも「失笑」は、6割以上の人が誤用している言葉です。もしかすると「失笑」の誤用の意味も、将来的には市民権を得ていくかもしれません。
しかし、3割近い人は正しい意味を認識しているのもまた事実。面接などのシーンでは、正しい使い方をできるように準備が必要だといえそうです。
4 面接対策や書類の相談にはエージェントの活用を
面接や書類での日本語間違いをしないためには、第三者目線での面接対策や書類のチェックが有用です。転職エージェント「ドクターズ・ファイル エージェント」ではキャリア・アドバイザーの面接指導を受けることができます。ぜひご活用ください。(ドクターズ・ファイル編集部)
~面接でのワンシーン~
ドクター「当院へ転職したいと思われたきっかけは何ですか?」
応募者「はい。実は患者としてこちらのクリニックに来院したことがありまして。その際に看護師の皆さんがドクターの方々と楽しそうに会話されている様子をお見かけしたことがきっかけです。現在勤務している総合病院は医師と看護師の関係が希薄なせいか、看護師が進言をしても失笑されるような雰囲気でして。よりアットホームなこちらのクリニックで働きたいと思うようになりました」
ドクター「なるほど(…ん?もしかすると失笑の意味を勘違いしてる?)」