面接や、履歴書などの書類を作るとき、日本語を間違って使ってしまうと、恥ずかしいだけでなく相手に不信感を与えてしまう可能性があります。
入職した後をイメージし、採用担当者から「患者さんにも間違った言葉を使ってしまいそう」と思われてしまうことは十分にあり得るためです。
この記事では、間違いやすい日本語をピックアップしました。ちょっとした言い間違い・使い間違いで印象を悪くしないために、ぜひ正しい使い方を覚えておきましょう。
1 「割愛」は「省略」という意味ではない?
以下の面接シーンを見てみましょう。
上記のシーンのように、「割愛」を「省略」という意味で使うのは、実は本来の意味からすると誤用です。
令和3年度に文化庁が行った「国語に関する世論調査」では、65.3%もの人が本来の意味ではない「不必要なものを切り捨てる」を「割愛」の意味であると回答しました。
言葉は時代とともに変遷するものであるため、この意味での使用も誤用ではなくなってきているというのが文化庁の見解だそうですが、本来の意味で使用されている人から見れば誤用。次項では本来の意味を紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
2 「割愛」の本来の意味
「割愛」とは、惜しいと思うものを、思い切って手放したり切り捨てたりすることを指します。読んで字のごとく「“愛”着のあるものを、仕方なく“割”って手離す」という意味なのです。
語源は仏教用語で、出家する際の言葉だそう。愛する家族や友人と離れて寺に入るという、引き裂かれるような気持ちを表現しているのだといいます。つまり「必要のない部分を省く」どころか「惜しみながら…」「必要だけど残念ながら…」というニュアンスが重要。そのため、「この部分は不要なので、割愛します」「重要ではないので、割愛します」といった使い方は間違いということになります。
例えば「大切な資料ではあるのですが、時間の都合上、割愛させていただきます」といった使い方が正しいといえるでしょう。
3 言い換えるなら?
冒頭のシーンを言い換えるなら、「省略」がベストでしょう。
先述のとおり、「割愛」=「不必要なものを省略する」という意味も十分に浸透してきてはいますが、本来の意味で使っている人が少なからずいらっしゃるのも事実。「この人、日本語知らないかも…」と思われないようにするためにも、面接や履歴書などの特別な場面では使用しないことをお勧めします。
4 面接対策や書類の相談にはエージェントの活用を
面接や書類での日本語間違いをしないためには、第三者目線での面接対策や書類のチェックが有用です。転職エージェント「ドクターズ・ファイル エージェント」ではキャリア・アドバイザーの面接指導を受けることができます。
ぜひご活用ください。
~面接でのワンシーン~
ドクター「前職では一度休職されているとのことですが、理由を伺ってもよろしいでしょうか?」
応募者「はい。詳しい事情は割愛させていただきますが、母の介護をしていたためです。どうしても仕事との両立が難しくなり、一度休職させていただくことになりました」
ドクター「時間はありますので、割愛していただかなくて大丈夫ですよ!」
応募者「いえいえ、大した内容ではないので割愛させてください」
ドクター「え?(…割愛って言ったのに、大した内容じゃないって、日本語間違えているのかも?)」