天野整形外科 (大阪市東住吉区／駒川中野駅)
天野 大 院長の独自取材記事
駒川中野駅から徒歩3分、南港通に面した場所にある「天野整形外科」は、3代にわたって地域密着の医療を提供してきました。2023年には、3階建てのモダンなビルに生まれ変わり、リハビリテーション室やトレーニングルームを備えた包括的かつ専門的な診療で、エリアのニーズに応えています。このアクティブな医療の中心にいるのが、2018年から院長を務める天野大先生です。スポーツ整形を専門とし、スポーツ障害やけがの治療、パフォーマンス向上に力を注ぐ一方で、その知識を一般の方や高齢者にも還元し、体の痛みや悩みの改善、健康維持をチーム全体でサポートしています。今回、天野院長にクリニックの近況、新たな取り組み、患者への思いについてお話を伺いました。
整形外科クリニックとして地域密着の医療をさらに拡充
まずは、現在のクリニックの近況を教えてください。
当院はもともと祖父が創設し、父から私へと引き継がれながら、長年にわたり地域密着型の医療を提供してまいりました。私が院長に就任してからは、リハビリテーションを拡充し、地域のニーズに応えつつ、専門であるスポーツ整形もさらに充実させたいと考え、クリニックの建て替えを決断しました。2023年には新たに3階建てのビルを建築し、現在の形になりました。3階のリハビリスペースは大幅に拡大し、その隣には特別感のあるトレーニングルームを新設。また、屋上には走り込みや投球動作ができるスペースも用意しています。こうしたアクティブな環境が整い、学童からトップアスリートまで、幅広い患者さんをより力強くサポートできるようになりました。
こちらには、どのような患者さんが来られますか？
東住吉区は高齢者が多いエリアで、私が来るまでは父が専門とする腰痛などの脊椎疾患やリウマチの患者さんがほとんどでした。しかし、最近は新しいマンションが建ち、若い世帯が増えています。私がスポーツ整形を専門としていることを知って運動部の学生さんも多く来院され、特に午後から夕方にかけてはにぎやかになります。若い方のスポーツによるケガも、ご年配の方の膝や腰の痛みも、同じ気持ちで診療することが当院のコンセプトです。この地域の皆さんはとてもフレンドリーに接してくださいますし、私も地元出身なので地域への思いはひとしおです。年齢に関係なく、整形のお悩みがあれば気軽に相談していただければと思います。
診療の対象となる疾患や症状を教えてください。
当院の目標は、地域の皆さまが健康で快適な生活を送れるよう支援することです。首や肩、腰の慢性的な痛みから、スポーツによる外傷や障害、リウマチ、側弯症、骨粗しょう症、痛風など、整形外科全般の症状に幅広く対応しています。設備面では各種リハビリ機器を充実させ、骨密度検査では骨の量だけでなく骨質も測定できる先進の装置を導入し、精密な診断に役立てています。また、私は膝関節疾患を専門としており、膝前十字靱帯（ACL）損傷や膝半月板損傷などに対し、豊富な知識と技術で治療にあたっています。膝の動作に不安や違和感のある方は、ぜひ一度ご相談ください。
リハビリからネクストステージまで一貫してサポート
こちらの強みの一つであるリハビリについて教えてください。
整形外科では検査や診断、治療に注目が集まりがちですが、当院ではその先の「リハビリ以降」のプロセスにも注力し、スペースや機器、スタッフ体制を強化してきました。リハビリ機器はもちろん、超音波検査装置を活用して患部の状態を確認し、患者さんへのわかりやすい説明に役立てています。また、痛みの緩和のため、干渉電流型低周波治療器やマイクロ波治療器、体外衝撃波治療器も導入しています。リハビリスタッフは8人の理学療法士を中心に、複数のアスレチックトレーナーも在籍しています。当院の特徴は診療とリハビリの緊密な連携で、互いに専門的な視点から意見を出し合い、医師と理学療法士がしっかり情報を共有することで、一人ひとりの患者さんに最適な医療の提供をめざしています。
トレーニングルームはどのような人が対象ですか？
リハビリだけでは運動機能の回復や改善が十分に果たせない。保険適用の日数期限が迫っているけれどもう少し続けたい。こうした方に対し、さらなる積極的な場を提供しようということが当院のトレーニングルームの目的です。普段は介護保険を利用していて、活動性をもう少し広げたいという方の自由診療でのトレーニングも含まれます。もう一つの目的は本格的なパフォーマンスをめざすアマチュアアスリートに対するトレーニングで、姿勢や柔軟性の向上をめざすピラティスを取り入れたメニューも提供可能です。保険診療でできるベーシックなリハビリと並行し、オプションとなるプラスアルファの部分まで一貫して対応したいという思いからスタートしました。特別感の味わえる空間に性能にこだわったトレーニング機器をご用意していますので、興味がある方はぜひ見学にお越しください。
スポーツをしている人に対する思いをお聞かせください。
故障や不調には必ず何らかの原因があり、それを見つけるのが私たち専門家です。学生さんの場合は特に時間との勝負もありますから、長期間のブランクを減らし、なるべく良いコンディションでスポーツに取り組んでほしいと考えています。患者さんとしっかりとコミュニケーションを取り、改善方法を一緒に考えていくのが当院のスタイル。それは運動器の不調で悩んでいらっしゃる一般の方にも同じことがいえます。腰が痛い、膝が痛いとずっと悩んでいても痛みが消えるわけではありませんから、早めに専門家に相談することがポイントですね。大きな故障が生じた人も、その後元気に運動を続けているという例はいくつもあります。整形外科を通じ、皆さんのスポーツ人生に関わっていけることは私たちの大きな喜びです。
希望や喜びを与えることにやりがいを感じて
先生が医師という職業をめざしたきっかけは？
やはり、祖父と父が開業医として働く姿を幼い頃から間近で見ていたからでしょう。祖父は戦後間もなくこの近辺で開業し、場所をいくつか転々としながら現在の地に落ち着いたと聞いています。その医院を父が引き継いで整形外科のスキルと地域密着性をさらに高め、今のような診療の礎を築いてくれました。私は大阪医科大学卒業後に大阪大学の整形外科教室に入局し、大阪労災病院（現・大阪ろうさい病院）の整形外科にて医師としてデビュー。以来、いくつかの病院に勤務しながらスポーツ整形を専門として身につけることができました。その専門的なノウハウを、ご高齢の方や地域の方々の治療に生かしていきたいというのが現時点での一番の思いです。祖父から3代続く医院ですから、地域の皆さんとのつながりは今後も末永く大切にしていきたいですね。
今後に向けた、さらなる展望などがあればお聞かせください。
当院には経験豊富なリハビリスタッフやトレーナーが在籍し、メディカルスタッフとしてさまざまなスポーツフィールドに帯同することがあります。現場でけがをした選手がいればすぐにここへ連れてきて治療を行い、また競技に復帰してもらうまでの一連のサポートにもスピーディーに対応しています。今後はその活動を広げ、派遣トレーナーとして学生や地域のチームからトップレベルのチームの力になれればというのが現在の目標ですね。私自身も学生時代にサッカーを経験し、整形外科に何度もお世話になった記憶があります。その時のことを思い出しながら、医療のプロとして皆さんをとことん応援しています。
最後に、読者へ向けたメッセージをお願いします。
長い歴史のある医院ですが、「地域の皆さんのために」というもともとの理念は今も変わりません。その中でリニューアルを果たし、設備やマンパワーも増やしながら診療の幅を広げた結果、より通いやすいクリニックになったと自負しています。整形外科というのは、ある意味で患者さんがポジティブな目標に向かっていける診療科だと思います。長く悩まされていた痛みの解消が見込める。できなかったことができるようになるようめざせる。希望や喜びとともに、時には人生が大きく変わることもあるでしょう。そのお手伝いができることを何よりやりがいと感じています。けがや体の不調、痛みでお悩みであれば、いつでも気軽にご相談いただければ幸いです。
