イノルト整形外科 藤沢院 痛みと骨粗鬆症クリニック (藤沢市/藤沢駅)
渡邉 順哉 統括院長 の独自取材記事
藤沢駅南口から徒歩3分、右手に見えてくる看板が目印の「イノルト整形外科 藤沢院 痛みと骨粗鬆症クリニック」。藤沢院、横浜院、大阪京橋の医院を統括する渡邉順哉先生をはじめとして、明るいまなざしのスタッフたちが温かく迎えてくれる。全員が心を一つに向かっているのが、痛みと骨粗鬆症に悩む人を撲滅させるというミッションだ。先進的な治療にも積極的な同院を頼って、日本各地から訪れる患者も少なくない。だからこそ「どこに住んでいても先進的な治療を受けられるようにしたい」と全国展開もめざしている。分院の立ち上げなどで多忙を極めているにもかかわらずパワフルそのもの、取材陣一人ひとりに心を配りユーモアも絶やさない渡邉統括院長に、診療にかける思いなどを詳しく聞いた。
さまざまな先進的な治療で痛みに積極的にアプローチ
まず、ユニークなクリニック名の由来を教えてください。
イノルトはinnovation(革新)とorthopedic surgery(整形外科)を組み合わせた造語です。「祈る」にも語感が似ているかもしれませんね。当院に来たら若返ってほしいという祈りを込め、ロゴマークは不老不死のベニクラゲにしました。体のどこかに痛みがあるならば「様子を見ましょう」ではなく、さまざまな治療の選択肢を用意して積極的に解消を図るのも当院の特色です。ハイドロリリース、サイレントマニピュレーション、体外衝撃波などによる治療を行っていますが、分院開業を機にますます新しい医療にも注視していきたいと考えています。
医師をめざされたきっかけから、開業までの道のりをお聞かせください。
両親ともに医師で、小さな頃から同じ道を期待され、反発もしました。でも「親に敷かれたレールは嫌だけど、その隣に自分で敷いたレールなら走ってみてもいい」と思うようになったんです。浪人時代に偏差値30台から30以上あげて東邦大学医学部に合格できたのは大きな成功体験でした。大学卒業後は国立病院機構横浜医療センターなどの神奈川県内の大規模病院で研鑽を積み、手術も数多く経験しました。でも、僕は当時から患者さんといろいろ話せる外来の診療も好きでした。2018年からここで父が営んでいた渡辺整形外科を手伝うようになり、2019年に継承して藤沢駅前リハビリ整形外科と改称。さらに2024年4月1日から「イノルト整形外科 藤沢院 痛みと骨粗鬆症クリニック」として新たなスタートを切りました。
なぜ、わずか5年で新たな挑戦をしようと考えられたのですか?
ハイドロリリースやサイレントマニピュレーションを求め全国からいらっしゃる患者さんが絶えなかったからです。良かったと思う反面、飛行機や新幹線で来なくてはいけないのは、おかしいとも考えたんです。ハイドロリリースは超音波検査装置で確認しながらトリガーポイントと呼ばれる痛みの原因部分に、薬液を5ml程度注入する治療です。一方、サイレントマニピュレーションは五十肩・四十肩で硬くなった関節包の剥離を図り、スムーズに動けるようになることをめざすための徒手的治療です。「どこに住んでいても気軽に受けられるようにして、もっとたくさんの人に痛みから解放するための治療を届けたい」とクリニック名も一新。まずは藤沢、横浜、大阪からスタートすることを決心しました。
骨粗鬆症に悩む人をゼロするための啓発にも意欲
院内づくりでこだわった点はありますか。
前院がオレンジとグリーンをシンボルカラーにしていたので、ブラックを基調にしながらもオレンジだけは少し残しました。父の代から30年以上のお付き合いの患者さんも多いので、温かみはそのままにしたかったんです。タイミング良く同じビルの上階が空いたのでリハビリテーションスペースを移動して、混雑している待合室や診療スペースを広くしたいと思っています。エックス線検査室と骨密度検査室を別々にしているのもこだわっている点です。
骨粗鬆症治療にも注力されているそうですね。
日本では推計1500万人の骨粗鬆症患者さんがいて、今や国民病ともいえます。そのうち約1200万人が女性で、70代の女性では2人に1人と誰もがかかり得る病気でもあります。骨粗鬆症が進むと骨折しやすくなりますが、65歳以上の高齢者が大腿骨近位部骨折を起こした後の5年死亡率は50%にも上り、がんよりも命に関わるといっても過言ではありません。「40代からの骨密度検査を習慣に」と看板でもうたっていますが、今後とも啓発していきたいと考えています。骨粗鬆症の治療は服薬と運動が決め手。10種類以上の薬剤から柔軟に対応していますが運動指導も欠かせません。また、転倒からの骨折予防のためにも、リハビリで体幹を鍛えるためのプランも用意しています。
こちらならではのリハビリについても教えてください。
当院の目標は、骨粗鬆症だけではなく痛みに悩む人をゼロにすること。だからこそリハビリにも力を入れています。どの部位の痛みでも、根本原因は姿勢・筋力・柔軟性だと考えます。体幹が弱く、体が硬くて、正しい姿勢を保持できる筋力がなければ、どんな先端の医療を施したとしても、痛みはいずれぶり返すでしょう。だからこそ、自由診療のリハビリも含め多彩なメニューで根本からの改善をめざすことを大切にしています。ベテランの理学療法士も在籍していて、定期的に院内で勉強会を開催。その他、外部の勉強会への参加をサポートするなど、意欲的な理学療法士を応援しています。
スタッフさんたちの明るさも印象的です。チームワークを育む秘訣は?
当院は医師以外に事務、看護師、管理栄養士、放射線技師、理学療法士など多種多様な職種のスタッフがいます。医師だけじゃなく、すべてのスタッフがフラットでボトムアップできるような風土作りを大事にしています。クラウド型ビジネスチャットツールを活用して、感謝を伝え合ったり新しいチャレンジを応援し合ったりもしていますね。クリニック本体だけではなく一人ひとりも進化していける場所でありたいと思っています。
健康寿命100歳を、「感動を与える医療」でめざす
診療にあたって何を大切にされていますか。
数ある整形外科の中から当院を選んでくださった患者さんが「ここに来て良かった」と心から思っていただけるようにすることです。そのために、患者さんのお話によく耳を傾け、悩みやライフスタイルに合ったいくつかの治療法を提案。患者さんに選択していただいた上で、ニーズに合った説明、検査、治療を行うようにしています。悩みが解決すれば何でもいいというのではなく、接遇面でも満足していただけるようスタッフ一同で頑張っていきたいです。
今後の展望についてお聞かせください。
院名にも掲げている痛みと骨粗鬆症に悩む人をゼロにすることを目標に、全国展開していきたいと考えています。そのために、医師と理学療法士の育成にも力を入れて、どこのイノルトでも同じクオリティーの診療を提供できるようにしたいです。また、ゆくゆくは骨粗鬆症だけを専門とするクリニックもつくりたいと思っています。今のところ骨粗鬆症専門の医療機関はほとんどありませんが、国民病ともいえる現状を鑑みると糖尿病専門のクリニックくらい、身近であるべきなのではないでしょうか。
お忙しい毎日でしょうが、リフレッシュ法はありますか?
13歳から続けている空手で世界チャンピオンのプライベートレッスンを月に2回ほど受けたり、トランポリンがリフレッシュになっています。空手は7段とマスターズ日本一をめざします。日本国内や海外で行ったことのないところに行くのも大好きです。毎月、スタッフとの親睦会やスポーツ部会などでさまざまな年齢のスタッフと交流させてもらい、エネルギーのある若手スタッフたちからパワーをもらっています。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
「健康寿命100歳」を目標に医療でサポートしていきたいと思っています。60代以降は運動をしないとガクンと筋力が落ちるので注意が必要です。そうとはいっても、いろいろと痛いところも出てくる年代でもあるので、体を動かすのが面倒な方もいるでしょう。でも、諦めないでください。めざしているのは、長年にわたる痛みさえも解消へと導くような「感動を与える医療」。地域の皆さんはもちろん、遠方にお住まいの方にもぜひ受診していただければと思っています。