看護師・歯科衛生士・医療事務などの転職ならドクターズ・ファイル ジョブズ
求人情報 8,811件 掲載中! (2024年04月26日現在)

松下歯科クリニック (横浜市緑区/鴨居駅)

松下 秀一郎 院長、團 あかね さんの独自取材記事

JR横浜線鴨居駅から徒歩約10分。真新しいマンションと以前からの住宅地が隣接する一角にある「松下歯科クリニック」は、2014年の開院以来、予防歯科と歯周病治療を中心に小児歯科、矯正歯科、審美歯科、口腔外科、インプラント治療、ホワイトニングまで、幅広く対応するクリニックだ。「幅広いニーズに応えるかかりつけ医」をめざし、口腔のトータルケアに注力する松下秀一郎院長は、衛生的な院内環境、患者が落ち着ける空間づくりにも注力。新たな機器を導入するほか、歯科医師と患者をつなぐ役割を担うスタッフとしてトリートメントコーディネーターを導入するなど、さらに充実した歯科医療体制の構築に余念がない。患者の10年後、20年後を見据えた診療に取り組む松下院長とトリートメントコーディネーターの團あかねさんに話を聞いた。

健康な口腔環境の土台となる歯周病治療に注力

開院までの経緯と地域の特徴を教えてください。

【松下院長】大学卒業後、大学病院の口腔外科で臨床経験を積んでいましたが「幅広く診られる歯のスペシャリストになろう」と思い立ち、都筑区にあるワタナベ歯科で約10年間勤務し研鑽を積みました。症状にとらわれず、長期的な治療計画を立てることの重要性を学び、当院の「歯周病を軸とする治療方針」も、この時の経験が原点になっています。そこで勤務を続けているうちに、かかりつけ医として患者さんの一生に寄り添わせていただくには、勤務医より独立が好ましいのではないかと思えてきました。ここ横浜はジャズが盛んな点や港町であることなど、大学時代を過ごした福岡県の小倉とも共通点が多く、いつの間にか好きな街になっていて、2014年にこの地で開業するに至りました。開院当初から幅広い年齢層の患者さんに偏りなく来ていただいていますが、特に定期検診の患者さんが多く、この地域の皆さんの予防に対する意識の高さを感じています。

歯周病治療はこちらの診療の軸なのですね。

【松下院長】歯周病の進行度合いが軽ければ歯石を除去し、必要に応じてブラッシングの指導などを行います。歯周病菌がたまる歯周ポケットが深い場合は、歯石の除去だけで数ヵ月かかることもありますし、さらに進行が進んでいて、歯を残さないほうが良いと判断した際には、患者さんの同意を得た上で抜歯をし欠損を補綴していきます。歯周病が原因で詰め物やかぶせ物が合わなくなったり、インプラント治療やホワイトニングができないなど、すべての歯科処置の土台となるのが歯周病の治療です。当院では、ベーシックな歯周病治療後も歯周病の状態が悪く、さらに進行して歯や骨が溶けてしまうようなケースでは歯周組織再生療法を行っています。歯周組織再生療法とは、溶けてしまった骨を含めて歯周組織の再生を促す治療のことで、当院で採用している療法が2016年から保険適応になったこともあり、適応可能な患者さんには積極的にご説明させていただいています。

最近、新しい機器を導入されたと伺っています。

【松下院長】今年の2月から口腔内スキャナーを診療に活用しています。従来の粘土のような印象材を使った型採りの場合、一定の割合でやり直しが出てきますが、口腔内スキャナーではやり直しが少なくなります。適応具合の点でもこれまで以上にフィットするように感じますね。患者さんにとっても型採りは苦しいので、楽な状態で口腔内をスキャンできれば大きなメリットになるでしょう。現在は、自由診療の詰め物やかぶせ物を製作する際に用いていますが、将来的に口腔内スキャナーを使った型採りも保険適用されるのではないかと期待しています。

歯科医師と患者をつなぐ役割を持つスタッフを導入

先生が診療で大事にしていることは何でしょう。

【松下院長】インフォームドコンセントを重視し、患者さんに安心して治療を受けてもらうことが僕の診療方針です。説明はしっかりしているつもりですが、より充実した説明の実施を目的にトリートメントコーディネーターの導入を決め、2021年5月から稼働しています。トリートメントコーディネーターは、多岐にわたる治療方法などを説明する歯科医師と患者さんの仲介役です。僕がすべて説明できれば良いのですが、そうすると診療する時間が限られてしまうため、治療をよりスムーズに行うためには必要なことだと考えています。始めた当初は、患者さんに対してどのように話のきっかけを持っていくか難しかったようですが、今年に入ってからは資料などもそろい、説明するスキルも上がってきたことから、患者さんへの情報提供がうまくいっているようです。

具体的にどのようなことを行うのですか?

【團あかねさん】歯科に関することは、わからないことも多くあると思います。聞いてみたいけれど、先生はお忙しそうだからと遠慮してしまう患者さんもいらっしゃいます。そういう患者さんのお気持ちを先生にお伝えしたり、患者さんからの質問にお答えしています。具体的には、紙やタブレットの資料、模型を用いて、治療方法や使用する材料、保険診療、自由診療などについてご説明します。10分ぐらいの時間を予定していても1時間ぐらいお話しさせていただくこともありますね。聞いてみたら、現在治療していること以外にもいろいろな悩みがあり、それを話してくださる患者さんもいらっしゃいます。

トリートメントコーディネーターはこちらのコンセプトには欠かせない存在なのですね。

【團さん】患者さんが知らなかった情報をお伝えすることで、「教えてくれてありがとう」「そういう治療法もあるのですね」というお言葉をいただけることがとてもうれしいですね。これまでは患者さんにお伝えしたい情報はあるけれど、時間がなかったり、タイミングがつかめなかったり、説明材料がなかったりとお伝えできずにいました。そこが解消されたことは、お互いにとって良かったと思います。説明の仕方を工夫するなど、まだまだできることはあると思うので、日々勉強ですね。 【松下院長】開院当初からトリートメントコーディネーターという立場のスタッフが必要だと考えていました。患者さん自身が治療に対する価値観や情報に自信が持てないこともあると思います。そういったところをトリートメントコーディネーターに聞いてしっかり答え合わせができることは、患者さんにとっても良いのではないかと思います。

治療法や材料など正しい情報を知ることが治療の第一歩

どのようなことがきっかけでトリートメントコーディネーターをめざすようになったのですか?

【團さん】院長から教えていただき、興味を持ったことから勉強を始めました。以前、自分自身が補綴が必要になった時、特に材料のことなどの説明もなく銀歯を選択されたことがありました。「こういうものしかないのだな」と受け入れていましたが、今思えば、セラミックなど白い材料の選択肢を知ることができていたらと思った経験があります。自分自身が不便に感じた部分を補える仕事なのではないかと思い、同じように感じている方に情報提供ができたら良いなと考え、その技術を学びました。

今後の目標を教えてください。

【團さん】最初のうちは、院長に替わって私が説明することに驚かれる方もいらっしゃいましたが、患者さんにすんなりと受け入れていただけるようなお声がけの工夫を心がけています。皆さんのお話を伺っていると、治療に対する考え方は十人十色で、患者さんのニーズを直接伺うことができる点はこの仕事の醍醐味です。自分の思い込みや固定観念に縛られず、柔軟に患者さんのお考えを受け入れて、情報提供していけるよう日々精進していきたいと思います。歯ブラシや歯磨き粉のことなど、身近で簡単なことでも良いですし、ホワイトニングに関してなども気軽に話しかけてください。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

【松下院長】特に症状がなくても、1年に1回は歯医者さんに行きましょう。医科では、年1回の健康診断が事業所などに義務づけられていますが、歯科には義務づけがありません。行政や政治に対する働きかけも必要だと思いますが、それ以前に僕らのような町の開業医が声を上げ、定期検診の必要性を発信したり、患者さんのモチベーションを高めていく努力も必要だと感じています。当院では、トリートメントコーディネーターの導入によりこれまで以上に丁寧な説明を実践できるようになりました。安心して受診していただき、気になることは何でも気軽に聞いていただきたいと思います。

Access
Bg base b 00
Btn close