東寺駅前 宮地歯科クリニック (京都市南区/東寺駅)
宮地 浩徳 院長の独自取材記事
2025年3月に東寺エリアに開院した「宮地歯科クリニック」。院長の宮地浩徳先生は、マイクロスコープを活用した虫歯や根管治療、歯の温存に努める歯周病、難易度の高い親知らずの抜歯、先進機器を用いたインプラント治療など、多種多様な治療のスキルを持つ歯科医師だ。祖父の代から長きにわたり守ってきた薬局を、歯科クリニックとしてリニューアル。「祖父や母が築いてきた地域の方との関係性も大切にしたいです。私は子どもが大好きなので、お子さんと一緒にご家族でいらしてください」と、笑顔で呼びかける。また初期症状が乏しく、自分では気づきにくい歯周病は、発症する前に受診してほしいと力を込める宮地院長に、開院までの経緯や診療内容を詳しく聞いた。
根管治療、歯周病、外科処置に至るまで広く研鑽を積む
先生は小さい頃、歯科医院が苦手だったそうですね。
ええ、叔父が歯科医師をしていまして、身内というのもあり、泣いてもやめてくれないという(笑)。今思えば、診療の合間にやってもらっていたので、仕方なかったと思うのですが、子どもだったのでただただ恐怖しかなかったです。今のように予防のために受診するという概念があまりない時代でしたからね。「痛い」「怖い」というイメージしかありませんでした。ただ、その経験は、診療で生かせていますので、結果的に良かったと思っています。叔父もそうですが、実家が祖父の代から70年ほど続く薬局をしており、母も薬剤師をしていましたので、医療を身近に感じられる環境の中で育ったことが進路にも影響したと思います。
大学は大阪歯科大学に進学されたとのこと。大学生活はいかがでしたか?
部活一色でした。ラグビー部に入ったのですが、ハードなスポーツでしたし、チームプレーということもあり、精神面もずいぶんと鍛えてもらえたと思います。ラグビー部の人しか知らないくらい、いつも一緒にいたので、歯科医師国家試験に臨む時も仲間に相談して、とても助けてもらった記憶があります。そんな日々でしたので、卒業後はあえて厳しい環境に身を置こうと思い、同大学の総合診療部門で初期研修を終えた後、勤務医として神戸の歯科クリニックに入職。その時に勉強会にも参加させてもらう機会があり、包括的な歯科診療について学ばせていただきました。口腔内だけでなく、全身を診て行う歯科治療というものに初めてふれ、歯科医療というのはこんなにも奥深いものなのかと思ったんです。体の姿勢、仮歯が取れたときの体の平衡感覚など、実際に全身を診て行う歯科治療を目の当たりにし、こんなにも全身が関係しているんだと衝撃を受けました。
歯と全身との関わりはどのようなものがあるのでしょうか。
歯の本数が少ないと、転倒しやすかったり、アルツハイマーの発症にもつながるといわれています。歯だけでなく、全身を考慮して診ていく必要性を実感しました。歯の治療は患者さんの健康面の改善、もっといえば健康寿命の延伸にも貢献できると、歯科医師の可能性の広さに大きな希望を感じたんですよね。そこでの経験を積む中で、どんな治療も得意だと言える歯科医師になりたいという思いが大きくなっていました。
点と点がつながっていった15年を経て開院へ
では、その後もさまざまな研鑽を重ねられたのでしょうか。
ええ、次に勤務した歯科医院はビジネス街にあるクリニックでしたので、それまでのファミリー層とは違い、翌週に長期出張を控えている方や休憩時間を利用して来られている患者さんが多く、そういった生活スタイルを踏まえた上で治療計画を立て、適した治療を最短で行うスキルも磨かせてもらいました。そして、歯周病の治療やインプラント治療を学ばせてもらうために、歯周病を専門としている牧草歯科医院で勤める機会をいただきました。高いレベルでの歯周病治療やインプラント治療を勉強させていただきました。他にも、包括的な診療を行っておられる、宮田歯科医院にも勤務させていただき、そこでは咬合再構成や義歯、矯正など高いスキルのもと、多くのことを学ばせていただきました。これまでお世話になった先生方は本当にスキルの高い先生ばかりで、とても学ぶことが多く、感謝しています。
治療ではどのようなことを意識していますか?
基本となる治療を丁寧に行うことです。建物を建てる時も、いくら建てる家が立派でも、その土台がぐらついてしまうと、簡単に崩れてしまいます。歯もそれと同じでして、歯やかぶせ物を支える土台となる部分がしっかりしていないと、歯を失ってしまうことにつながります。ですので虫歯や歯周病の治療・予防は、口腔内を守るために非常に重要であり、僕自身今の診療において大切にしている考え方です。点と点がつながっていくような良いご縁をいただき、さまざまなことを教えていただいた先生方のご厚意には感謝しかありません。大学卒業したのが2010年ですから、約15年研鑽を積むことができ、その時期に、実家の薬局をどうするかという話が持ち上がりまして。薬局としては無理だけど、自分が歯科クリニックとして引き継ごうと決意し、2025年3月に開院の運びとなりました。
お母さまが守ってこられた場所でスタートを切られる今のお気持ちをお聞かせいただけますか?
薬剤師として長い間頑張ってきた姿を見ていますからね。自分にとってもなじみ深い土地ですし、母が築き上げてきた地域の方々との関係性も大切にしていきたいと思っています。今度は自分が歯科医療という分野で地域の方へ貢献できたらと考えています。治療に関しては精密かつ正確性の向上に役立つ歯科用顕微鏡のマイクロスコープを活用し、口腔内スキャナーも導入予定です。このように、先進機器も取り入れながら、さまざまな治療に対応できる環境を構築し、患者さんが相談しやすい関係性も築いていけたらと考えています。
小児から高齢者まで患者の一生を切れ目なく見守りたい
さまざまな治療はもちろん、予防にも注力していきたいそうですね。
お子さんには不正咬合や虫歯の予防を、学生や成人の方には定期的なメンテナンスや歯周病予防を含め、口腔全体の問題が起こる原因を見つけ、取り除いていきたいです。特に歯周病は初期症状に乏しく、何かしら異常を感じた時は手遅れであることも少なくありません。そうならないために定期的な受診をし、正しいホームケアを身につけていただきたいです。もちろん歯を失った際に行う入れ歯やインプラント治療も対応しますが、できる限り天然歯の温存に力を尽くすというのが私の診療スタンスです。良い口腔環境を維持できれば、痛い思いをせずに済みますし、いつまでも自分の歯で噛んで食べることができれば、健康寿命延伸にもつながりますので、予防にもしっかり取り組んでいきたいです。
診療において大切にされていることは何でしょう。
まず、自分の家族だったらどの治療を選択するかを考えます。その上で、保険・自由診療問わず、その方に適した治療を提供していきたいです。また、全身を診て判断することも大切に診療を実施したいと思います。そして、お世話になった先生方にたたき込んでいただいた技術と知識を、地域の皆さんに還元していくのが自分の役目だと思っていますので、どんな些細なことでも構いません。気軽にご相談いただけるとうれしいです。
最後に、今後思い描くクリニック像と、読者へのメッセージをお願いします。
お子さんからお年寄りまで、患者さんの一生を切れ目なく見守っていける地域のかかりつけをめざしています。どんな症状でも「あの歯科クリニックに行けば大丈夫」、そう思ってもらえるような、皆さんにとって心強い存在になりたいですね。小さなお子さんも大歓迎。もしも泣いたり騒いだりして迷惑をかけるんじゃないか、じっとできないんじゃないかなど気になって受診を躊躇されている親御さんがいたら、一人ひとりのお子さんに合った対応をさせていただきますので、気にせずにご家族皆さんでご来院ください。