にのみや歯科医院 (横浜市栄区/大船駅)
二宮 卓大 院長の独自取材記事
二宮卓大院長が2022年12月に開業した「にのみや歯科医院」は、白い洋館スタイルの外観が特徴。同院の前身は1982年に開業した飯島商店街の「二宮歯科医院」で、二宮院長が父から引き継いだ。バリアフリー仕様の院内も良い意味で歯科医院らしさがなく、待合スペースは落ち着いた温かみのある色調で、診察スペースは清潔感ある白でまとめられている。自身も小さな子どもがいる二宮院長は、優し気な笑顔と穏やかな口調で小さな子どもから高齢の患者まで老若男女から慕われている人物。「みんなに愛される町の歯医者さんでありたい」と話す二宮院長に話を聞いた。
みんなが何でも相談できる町の歯科医院に
新しく美しい歯科医院ですね。
約40年前に私の父が飯島商店街に開業した「二宮歯科医院」を引き継いで、新しくこちらで開業しました。建設している時から、お城みたいな建物が造られているけど何だろう、と言われていたみたいです。お子さんたちにも抵抗なく来てもらえたらうれしいです。開業当初は「二宮歯科医院」時代から引き続き来てくださる患者さんが多かったのですが、徐々にお子さんを中心に新しい患者さんが増えてきていて、私自身も小さな子どもがいることもあり、たいへんうれしく思っています。歯科医院って、どちらかというと足が向かない存在。ですから良い意味で歯科医院らしさはなくしたいと思って、外観は白をベースにベージュを足して院内も天井を高くすることで、落ち着いた雰囲気にしました。おかげさまで建設中から興味を持って、楽しみに来院してくださった患者さんもいらっしゃいます。
衛生対策も徹底されているそうですね。
ちょうど新型コロナウイルス感染症流行の最中に計画して開業したので、気を使っています。また私が大学病院で長く働いており、同等レベルでないと納得できなかったというのもありますね。天井には空気清浄機を取りつけて、待合スペースにはファンも設置して空気の循環を良くしています。またお金の受け渡しも自動精算機を導入しています。患者さんに使う器具類は専用の器具洗浄機や滅菌器を使って徹底管理しています。やはり患者さんには、安心して来ていただきたいですから。
日々の診療で意識していることはありますか?
私自身が何も知らされないでいろいろ進められてしまうのが好きではないんです。ですからできる限りわかりやすくかみ砕いて、患者さんのお口の中の状況や治療方法についてお話しするようにしています。また同じ症状に対する治療方法が複数あるケースもあります。ですから私だけで治療方法を決めるのではなく、いくつか選べる場合は丁寧にご説明して、患者さんご自身の状況も踏まえながら、一緒に考えて決めることを意識しています。患者さんによってご事情も価値観も違いますからね。その時に一番気をつけているのは、患者さんが言いたいことを言えないような空気にしないこと。私の提案に同意しないといけない、みたいな雰囲気にならないよう注意しています。どんな選択をしても、間違いではないですし、治療方法に絶対的な正解はほとんどありません。患者さんに納得して治療を受けていただくのが一番大切なことですからね。
持病があっても身近で歯科診療を
長年大学病院で診療を続けておられるそうですね。
今も非常勤で週に1日勤務しています。大学病院では10年近く、基本的に何らかの身体疾患のある患者さんだけを対象に歯科診療をしてきました。外来診療のほか、入院中の患者さんの病室への往診なども行っていました。さまざまな疾患の患者さんがいらっしゃいますが、一番多いのは服用されているお薬の関係で配慮が必要な方。血液をさらさらにするためのお薬とか、がん治療のお薬とか。大学病院に通われている患者さんなので、比較的重い疾患の方も多く、一般の歯科医院では歯科治療が難しい方々ばかり。そんな患者さんがわざわざ大学病院に出向かなくても、身近な歯科医院で診療が受けられれば、というのも開業に際して思っていました。今でも大学病院で担当させていただいた患者さんがこちらに通院してくださっています。距離がありご病気のこともあるので少々心配ですが、頼っていただけるのは素直にうれしいです。
持病のある患者さんを診療する際は、どのような点に注意されるのですか?
配慮が必要なご病気は本当に多種多様です。先ほどもお話ししたとおり、お体の病気の治療と並行して歯科の治療を受ける場合は、一般の歯科医院では治療が受けられないことも多く、そんな状況を心配していたので、私たちがお役に立てればうれしく思います。患者さんには初診の問診表記入時など、ご自分のご病気について伺いますのでご記入をお願いします。特別な管理が必要な場合は、大学病院や大規模病院をご紹介しなくてはなりませんが、できる限り当院で診させていただこうと思っています。患者さんが通っておられる医科の先生との連携も不可欠で、必要に応じてお体の状況を伺うお手紙を出すようにしています。徐々に地域の先生方との関係も深めていきたいですね。先日は整形外科の先生から患者さんをご紹介いただきました。
歯周病がご専門と伺いました。
糖尿病との関係はよく知られていますが、歯周病と全身疾患の関係は深いと実感しています。治療の成果がリンクしているように思います。歯周病治療にはいろいろな方法があります。歯肉を切って外科的に処置する方法もあるのですが、患者さんは大げさで怖いと感じる方が多いようで、そのお気持ちはよくわかります。歯周病治療は根気強く地道にやっていく必要がありますので、今の状況をご説明して、長期的な視野からお話しすることを意識しています。知識があるのとないのとでは、日々の過ごし方が少しずつ違ってきて、それが長じて大きな差になると思うからです。また定期的に繰り返しお話しして、もう一度思い出して意識してもらえるようにもしています。誰でもモチベーションを維持し続けるのは難しいでしょうから。そうして一緒に取り組んでいきたいと思っています。
子どもが歯科医院に慣れるための場にも
スタッフさんについても教えてください。
歯科衛生士さんには磨き残しの部分や、歯肉の腫れている場所、ケア方法などの細かいお話を患者さんへ丁寧にお伝えすることをお願いしています。あまり難しい話ばかりすると、患者さんも身構えてしまって内容が入っていかないと思いますので、私と歯科衛生士さんとで役割分担をして、患者さんが説教されていると感じないように、歯科医院が嫌なところにならないように気をつけてお話ししています。
矯正を希望される患者さんも増えてきているとか。
矯正は、市ヶ谷で矯正専門の歯科医院を開業している私の双子の弟が来てくれています。顔はそっくりだと言われていますが、性格は弟のほうが理論派でしっかりしています。お子さんのご相談も多いんですよ。今のお子さん方は歯並びが崩れている場合が多く、顎と歯のバランスが良くないことも考えられます。矯正は高額というイメージで身構えてしまう方も多いのですが、まずは無料相談ができますので受けてみてはどうでしょうか。やるやらないは別にして、まず専門家の意見を聞いてみたらいいと思います。気軽に考えてもらって大丈夫です。
お子さんの診療で意識していることはありますか?
ここは治療の場というよりも、子どもが慣れるための歯科医院だと思ってもらえればいいと思います。ですからデビューはできるだけ早めに。歯らしきものが見えてきたらもうデビューOK。まずは定期的に来てフッ素を塗るだけでいいんです。親御さんにはお子さんが物心つく前に、お口の中を触られることに慣らしておくことをお勧めします。子どもの口の中はとても敏感で、成長して突然仕上げ磨きをしようと思っても抵抗されてしまいます。ですから赤ちゃんの時から仕上げ磨きのような動作や歯をガーゼで拭くことを習慣化すると違いますよ。
読者へのメッセージをお願いします。
予防も歯周病も、持病があったり治療中だったりする方も、まずは何でもご相談ください。こんなことで、と思うことは絶対にありませんので気軽にお越しください。当院は「町の歯医者さん」です。地域にお住まいの皆さまのお口の中の健康を支えていきたいと思います。何でもお困りのことや不安なこと、ご希望などをお話しいただければうれしいです。