ソラリス整形外科 大阪福島リハビリテーションクリニック (大阪市福島区/野田阪神駅)
村山 一宏 院長の独自取材記事
野田阪神駅から徒歩1分、海老江駅からも徒歩4分と好立地にある「ソラリス整形外科 大阪福島リハビリテーションクリニック」は、その名のとおり整形外科疾患に悩む人をリハビリテーションで元気にすることをめざすクリニック。院長の村山一宏(むらやま・かずひろ)先生は、日本整形外科学会整形外科専門医であり、スポーツ整形分野でも広く研鑽を重ねてきた運動器疾患のスペシャリスト。勤務医時代、多くの患者がブロック注射や理学療法などの保存的加療を受ける姿を見てリハビリを専門とするクリニックの開業を決意したという。「患者さんがリラックスできる温かい雰囲気になるよう心がけた」という、白と山吹色で心地よくまとめられた明るいクリニックで、村山院長の思いや今後の展望などを聞かせてもらった。
「手術の前にできることがある」と開院を決意
先生が整形外科の道を志したきっかけを教えてください。
祖父が医師で、小さい頃から医療が身近にありました。産婦人科の医師で仕事場に遊びに行くと目にする心から感謝されている祖父の姿に、素直にすごいと尊敬していました。「お医者さんのように社会貢献できる職業っていいな」と思ったのがきっかけです。医学部進学後、手術に興味があって外科系を考えてはいたのですが、なかでも整形外科を選んだのは、がん診療などと比べて治療介入で元気になることが望める診療科だったからです。私自身、学生時代は趣味でスキーをやっていてけがも多く、なじみの深い診療科だったというのも大きいかもしれませんね。
開業に至った経緯を教えてください。
手術に興味があって整形外科医になりましたが、実際に勤務医として診療していると、整形外科を受診する皆さんに必ずしも手術が必要なわけではないと実感しました。むしろ、ブロック注射やリハビリテーションなどの保存的加療で機能回復をめざせる方が多かったんです。「手術以外の治療」をしっかり提供できるクリニックがあれば、地域の皆さんが手術をしなくても痛みの軽減につながり、活動性の向上も見込めるのではないかと考え、当院を開きました。
どんな患者さん、どんな疾患が多いのですか?
開業直後は30〜50代の患者さんが多かったのですが、今は小児から高齢者まで幅広い年齢層の方に来ていただいています。お子さんは外傷やスポーツ傷害、中高年層は変性疾患のご相談が比較的多いでしょうか。開業当初の患者さんが、ご自身のお子さんや親御さんなどを連れてきてくれることも多いですし、近隣の医療機関から「そろそろ退院する患者さんの外来リハビリをお願いできませんか?」と紹介していただくことも増えました。開業の大きな目的は「手術以外の治療の提供」ですが、近隣の医療機関で手術を受けた方の術後リハビリでも役に立ちたいという目標もありましたので、非常にうれしく思っています。
さまざまな方法で患者のニーズに応える
どんな治療を行うことが多いのでしょうか。
痛みに対し即効性が期待できる治療として、「ブロック注射」を行うことが多いですね。神経の近くに局所麻酔薬やステロイドなどを注入して痛みの緩和をめざす治療法です。治療後の様子から、具体的にどの神経が原因となっているかの特定を図ることもできます。飲み薬でもそうですが「痛み止めに頼りすぎると有用性が薄らぐ」とか「どんどん薬剤の量が増えるのでは?」とおっしゃる方も多いのですが、むしろ早期に適切に薬を使うことで、痛みの悪循環を断ち切ることが見込め、次第に薬を減らしていくこともめざせるのです。超音波検査装置を用いた診断も積極的に行っています。超音波は、エックス線と違って被ばくしないので何度も行えるのが大きなメリットで、患者さんとも「こんな様子ですよ」と視覚的に共有しながら診断・治療に役立てられるので、非常に重宝しています。
いろいろな医療機器を使われているのですね。
そうですね。リハビリは基本的には理学療法士がマンツーマンで行いますが、人にしかできないこと、機械にしかできないことがそれぞれありますので、医療機器を使った治療も積極的に取り入れています。最近ニーズが高まっているのは「集束型体外衝撃波」による治療です。「集束型」という名前のとおり、ピンポイントにエネルギーを与えるので有用とされているんです。主に足底筋膜炎の患者さんに用いられます。理学療法士によるリハビリと組み合わせて行いますので、私も、クリニックの理学療法士も、これからさらに知識を深め技術を増やしていきたいですね。
術後のリハビリでは、どのようなことを行いますか?
どんな手術をしたかによって異なりますが、どのような手術であっても、まずは「通院して、運動する」ということ自体がとても大事だと感じています。病院で手術後に自宅でできるリハビリプログラムの指導を受けて退院される患者さんも多いのですが、やはり手術した部分をお一人で動かすのは不安がつきものでしょうし、継続するのはやはり難しいと思います。当院に来てくだされば、理学療法士がしっかりお話を伺って指導しますし、同じような手術をした患者さん同士も仲良くなれるのでモチベーションも上がります。退院直後はふさぎ込みがちになる方も多いでしょうから、社会との接点を提供するという点でも大きな意味があると思っています。術後のリハビリはリスク管理なども含め求められるレベルも高く、クリニックとしてもやりがいを感じています。
福島区の地域医療に幅広く貢献したい
患者さんを診療する上で心がけていることをお聞かせください。
医師として、痛みや機能障害に対してしっかりと治療をするのは当然ですが、きちんと原因を追求した上で処置を行いたいと思っています。先ほどのブロック注射も、痛みの改善を目的とするだけでなく、痛みの原因部位を特定することにも注力しながら行っています。医療機関は、基本的に行かなくて済むなら行きたくない場所ですよね。原因がわかって、そこにアプローチできれば、長期間の通院が必要ではなくなることも見込めますので、できるだけ早く「医療機関に行かなくても良い体」になってもらえるようめざしています。また、症状だけでなく原因を考えながら診療していると、整形外科疾患ではない他の診療科の病気が見つかることもあるんです。まれに「腰の痛みは、ヘルニアではなく悪性腫瘍によるものだった」といったケースも報告されていますので、できるだけ早期にそうした疾患に気づけるよう努めています。
今後の展望を教えてください。
地域医療にもっと貢献したいです。大阪府全体の人口が減っている中で、ここ福島区は人口が増えてるエリアで、古くから住んでいる高齢者から引っ越してきたばかりのファミリー層まで、さまざまな人たちの活気があふれているんです。手術以外の選択肢をさらに増やしながら、手術後の患者さんももっと受け入れていきたいですね。さらなる新しい展望としては、予防医療にも取り組んでいきたいです。例えば骨粗しょう症などは、発症してからでは治療方法が少ないので予防がとても大事なのですが、まだまだ知られていないように感じます。予防といっても特別なことをするわけではありません。若い頃から運動習慣をつけるとか、無理なダイエットをしないといった心がけ一つで将来の骨密度が大きく変わるとされていますので、10〜20代の若い方にもっと啓発していきたいですね。
最後に、読者に向けたメッセージをお願いします。
手術をしたくなくて痛みを我慢している中高年の方が本当に多いのではないかと感じています。関節などの痛みを我慢していると活動性が落ちてしまい、さらなる悪循環を招いてしまうこともあります。痛みを我慢している方はもちろん、ちょっとした不調や心配事のある方も気兼ねなく相談にいらしてください。もちろん、手術が必要であればそのようにお伝えしますし、適切な医療機関へ紹介もします。大きな病院とは異なり、アットホームなクリニックですので、気軽に立ち寄っていただけたらと思います。