きたつじ歯科クリニック (尼崎市/武庫之荘駅)
北逵 圭佑 院長の独自取材記事
武庫之荘駅南改札口から徒歩3分。アクセス至便なクリニックモール・ビルの2階に2022年4月に開業した「きたつじ歯科クリニック」。同院には、このエリアで暮らす働き世代のファミリーをはじめ、乳幼児、高齢者など、さまざまな年代の患者が訪れる。北逵圭佑(きたつじ・けいすけ)院長は、一般歯科から専門性を求められる審美歯科まで、高い技術で患者のニーズに柔軟に対応。勤務医時代に将来を見据えて、先進の歯科治療まで幅広く経験し、研鑽を積んだことが強みであり、その時得た知識や技術は今の支えになっているという。「部分的な治療ではなく、原因の追究」を常に実践する院長に、診療にかける思いや、開業にあたってこだわったポイントなどについて話を聞いた。
問題の原因を追究し、その人にベストな治療をめざす
このエリアで開業されたのはなぜでしょう。
医師である父が同じ市内の立花駅近くで、地域に根差した一般内科、外科、乳腺の診療を行うクリニックを2007年から開いておりました。その近くで私が歯科クリニックを持つことができれば、必要なとき速やかに医科と歯科の連携が取れるのではないか、例えば歯周病や生活習慣病の予防や治療など、医科歯科両方のケアが必要な患者さんに対し、より良い医療を提供できるのではないかと考えていました。そしてご縁があり、武庫之荘駅前という好立地に開業できたのです。この辺りは若い世代のファミリーも多く、1歳未満の赤ちゃんの予防歯科のご相談を受けたり、ご家族そろって治療に来てくださったりと、ありがたいです。
診療の内容と、診療で心がけていることを教えてください。
虫歯・歯周病治療などの一般歯科はもちろん、小児歯科、歯科口腔外科、入れ歯治療のほか、審美歯科、レーザー治療、インプラント治療なども行い、歯や口腔のトラブル全般を可能な限り広く診療します。歯科医師として診療で心がけているのは、「その時限りの部分的な治療ではなく、原因を追究する」ということです。疾患を診査・診断して、なぜそうなったのかをよく考えることを怠りません。患者さんに虫歯が一本できたとして、なぜ虫歯になったのか。歯の位置が悪くて磨きにくいからか、歯磨きの習慣がないからか、間食のせいか。患者さんによく問診し、生活環境を含めて丁寧に聞くことを通じて、どう改善するのが患者さんにとってベストなのか見極めます。また、保険診療と自由診療のメリットやデメリットもしっかり説明し、最適と考えられる選択肢を提案します。
特に力を入れている診療分野があればお聞きしたいです。
審美歯科ですね。お口の中をきちんと細かい部分まで整えながら、機能性も高めることをめざし、患者さんを美しい笑顔へと導いていきます。以前勤務していた歯科クリニックには歯科技工士が多く在籍し、歯科医師と歯科技工士がしっかりと連携を取ることで、患者さんに合った詰め物やかぶせ物などの補綴物を作って治療していました。そこでしっかり学び、セラミック素材を用いた治療、インプラント治療についての知識や技術を得たことが、現在の私にとっては強みといえます。審美歯科の一環として、当院ではボロボロになった前歯のセラミック治療や、ダイレクトボンディングという口腔内でレジンを詰めていく治療も行っており、口からの健康と美しさを手にいただけるよう技術の向上に励んでいます。
先進的な機器や技術を導入し質の高い歯科治療を提供
院内が明るく、心地良い空間になっているように感じます。
小さいお子さんから高齢の方まで気軽に来ていただけるよう、院内の内装にはこだわりました。まずは待合室。空間を広く取って、隣の席を気にせずに過ごしてもらえるようにしました。少しでもリラックスできる雰囲気を作つくれればと、院内は親しみやすいベージュ色や優しい白色、ウッド調の色で空間をまとめ、ヒーリング系のBGMを流しています。また、医療の現場で患者さんと長く接している父母の助言を取り入れたバリアフリー設計は快適な診療にもつながり、私も気に入っています。パウダールームやトイレも広めですし、駐車場も12台用意していますので、車いすやベビーカーでも安心してご来院いただけるのではないでしょうか。診療室はあえて天井部を開けた半個室にしましたが、これは私がどこにいても患者さんの様子や声を把握できるようにとの工夫なんです。
診療に関わる設備にはどのようなものがありますか?
これまで勤務してきたクリニックで使用していた機器は先進の治療を提供する上で欠かせないものでしたから、当院にも必要と考え、設置しました。まず世界基準のクラスB滅菌器を、院内感染対策のために導入しています。次に、デジタル歯科用CT。虫歯や歯周病の進行度が把握できるのに加え、治療の安全性をより高めることができます。またマイクロスコープも取り入れ、勘や経験に頼らず、適切な治療につなげています。そして、歯科用レーザーです。レーザーは歯周病治療、虫歯、外科処置などで使用しており、感染した肉片除去や、口内炎の解消にも有用と考えています。患者さんの苦痛を軽減できるように、うまく使っていきたいですね。
これまでの歯科治療の中で最も印象深い経験について聞かせてください。
以前3年ほど勤めたクリニックで、咬合再構成という難易度の高い治療を担当したことですね。前歯が取れたといって来院されたある患者さんを診てみると、年齢的なことや過去の治療の影響で噛み合わせが崩壊してしまっている状態で……。そこで口腔内を元通りにするのでなく、それ以上の理想的な噛み合わせを再構成し、これからの人生で長く持つように治療するという目標を立てたのです。患者さんの体調に合わせながらの、大がかりな治療となりました。時に院長に相談し、時に歯科技工士さんの力も借り、すべての歯にアプローチして顎を正しい位置へと戻すことをめざせたのは、私にとっての財産となりました。
常に知識と技術をアップデートし歯科治療に生かす
スタッフの皆さんについてもお聞きしたいです。
当院のスタッフは皆、仕事に意欲的です。「気配りや対応がいい」と患者さんから褒めていただくこともあり光栄ですね。歯科衛生士は2、3人が常勤で、受付と歯科助手も2、3人が勤務し、急患にも対応しています。毎日、朝礼と終礼を行い、診療に大きな変更があれば、その場にいなかったスタッフにも情報を共有できるように連絡ノートに記し、互いに確認することを徹底してくれています。私も口腔内画像の撮影や初回の簡単な問診はスタッフの手を借りますが、撮影する時なども、患者さんに迷惑がかからないように、細心の注意を払ってもらっています。スタッフ同士の良い雰囲気が患者さんにも伝わるといいですね。
多忙な日々の中、お休みの日などにリフレッシュされているのでしょうか。
休診日の月曜においしい食事を取ったり、飲んだりすることも楽しみです。大学時代は6年間、バスケ部に所属していたのですが、今でもその仲間たちとたまに会い、情報交換などしています。体づくりと健康のためにジムにも通っています。ただ、歯科医師という仕事が好きで、患者さんを治療すること自体が楽しみなので、仕事はまったく苦ではありませんね(笑)。患者さんには申し訳ないのですが、たまに日曜にお休みをいただき勉強会や研修会に参加しています。専門書をしっかりと読み、新しい知識を得て、それをしっかり患者さんにフィードバッグするという姿勢は、これまでお世話になってきた先生方から学んできたこと。これからも、先生方のように常に学ぶ姿勢を忘れずにいたいと思っています。
最後に、読者へのメッセージをお願いいたします。
一般歯科、審美歯科、インプラント治療をはじめ、歯科診療において共通することは、定期的な歯やお口のメンテナンスが必要で重要だということです。忙しい毎日の中で、3ヵ月に1回となると難しいかもしれません。ですが、お口の健康が見直されている今、せめて半年に1回は歯科検診を受け、家族全員でお口から全身の健康を守っていきませんか。もし前回の治療から1年がたっているならば、早めの検診をお勧めします。また、歯を無意識に食いしばり、顎や頬が痛い。こういった痛みも早めに治療することが大切ですし、インプラント入れたまま放置しているとすれば、決して良い状態ではありません。他院で受けた治療を受けた方でも、当院で検診は可能です。できれば早めに、いつでも気軽にご相談ください。